連載
特集
カテゴリー
タグ
メディア

「幸せ=A×B」です。AとBには何がはいる?『僕らの時代の幸福論』Vol.4

「幸せ=A×B」です。AとBには何がはいる?『僕らの時代の幸福論』Vol.4
Image: Evgeny Atamanenko / Shutterstock.com

幸せ = A × B

こんな式が成り立つとすれば、あなたはAとBに何を入れますか?

あなたにとっての「幸せの構成要素トップ2」は何か。少し考えてみてください。

私は、多くの方にこの質問をしてきましたが、返ってきた答えには、以下のようにいろいろなものがありました。

時間 × お金

家族 × 健康

自由 × 成長

仕事 × 子供

食 × 住

人間関係 × ファッション

お金 × お金

正解があるわけではありません。でも、私自身が考えさせられた回答がありました。それは、

幸せ =いいこと × 悪いこと

という回答でした。

幸せとの距離の縮め方とは。成功するから幸せになるのではなく、幸せだから成功する『僕らの時代の幸福論』Vol.3

幸せが「悪いこと」から構成されるってどういうこと?

ほとんどの人が「幸せの構成要素」を考えるとき、ネガティブな要素は思い浮かべません。ただ、言われてみれば「悪いことが幸福感を増幅させることはよくあると気がつきます。

ちなみに、ここでいう「悪いこと」とは、「辛い(つらい)」「苦しい」「怖い」「悲しい」「だるい」「面倒くさい」「怒っている」などのネガティブな感情をともなうものを意味します。

たとえば、「登山」。

まだ暗い早朝、布団から出たくない自分を奮い立たせ、眠い目をこすりながら車を運転し、山のふもとへ。そこから何時間も山道を歩きます。ときに足を痛めるようなこともあるでしょう。「下山するときは、また同じ距離を歩かなければいけないのか…」と、近未来への不安が頭をよぎります。

それでも、頑張って、頑張って、ようやく山頂に到達! …そこから見る景色は格別なものです。登頂のために努力してきた辛い経験を回顧しつつ、大きな幸せに包まれるはず。生涯の思い出として、脳裏にもその景色が焼きつくことでしょう。

20190205_climb_mountain
Image: crazymedia / Shutterstock.com

ところが、特に何の苦労もなく、『どこでもドア』でいきなり山頂に行ってみたらどうでしょう? 確かに同じ景色が広がっています。でも、自力で登ったときと比べて、湧き上がってくる幸福感は同じでしょうか?

同じではないですよね。感動や幸福感というものは、苦労したぶん、何倍にも感じられるものではないでしょうか。

今回の例でいうと、以下のようになります。

いいこと = 絶景を見られる

悪いこと = 起きるのがだるい、何時間も歩くのがしんどい、足が痛い、下山が不安、事前のトレーニングが辛い、など

幸福の増幅器として、「悪いこと」が機能したのではないでしょうか。

幸せは「いいこと」と「悪いこと」の落差に生まれる

つまり、幸せのヒントは「いいこと」だけにあるのではなく、「いいこと悪いことの落差にもあるのかもしれません。

そう考えると、テレビでよくみる「ドッキリ」企画は、「幸せ」を生み出す装置である気がしてきます。

20190205_police
Image: Free Wind 2014 / Shutterstock.com

芸能人が海外ロケで現地の警察に麻薬所持を疑われる「ドッキリ」で例えてみましょう。

無実を訴えたくても、英語だとうまく伝えられず。そんなときに限って、マネージャーもなぜかいない。警察官は大声で責めてくる。どんどん不安や恐怖が累積していきます。

それがピークに達した頃、目に入るのは「ドッキリ」の看板を持ったスタッフ。すべてがフィクションだと気づいた瞬間、大きな「安堵という幸せに包まれることになります。

20190205_satsuei
Image: GLRL

この例の場合、

いいこと = ウソ(ドッキリ)だと知る

悪いこと = 海外で冤罪事件に巻き込まれる

ということです。

登山の例のように、「絶景を見れる」みたいな「いいこと」は起きていません。

にも関わらず、心が動き、大きな安堵(幸福感)を得ることができたのは、「悪いことのスケールが大きく(犯罪事案であり、人生を左右しうる)、「いいこと・悪いことの落差も大きくなったからでしょう。

不幸を感じている人は幸せになるチャンスを持っている

」と「

この2つの文字って似てませんか?

幸せという花があるとすれば その花の蕾(つぼみ)のようなものだろうか

辛いという字がある もう少しで幸せになれそうな字である

星野富弘さん(詩人)の言葉です。

幸せを形づくるのは辛いつらいことなのかもしれません。

「幸せ」の反対語は「不幸」ではありません。

「幸せ」と「不幸」は共存しています。「不幸を経験して初めて幸せを実感できます。けがをして入院するようなことがあると、健康の価値が際立ちます。

20190205_hospital
Image: wavebreakmedia

幸せになるチャンスは不幸を感じている人にある。そんな風にも言えるのではないでしょうか。

不便でも、幸せ。不便だからこそ、幸せ

私が住むフィジー共和国は、経済的には豊かな国ではありません。

その分、助け合い、支えあって生きることが必要不可欠です。いろいろと不便な部分がありますが、だからこそ、幸せを感じる機会が多いのではないかと感じています。

世界幸福度調査』(ギャラップ・インターナショナルとWINによる共同調査2017年12月)によると、「主観的な幸福度の国別ランキングは以下のとおりです。

1位 フィジー

2位 コロンビア

3位 フィリピン

4位 メキシコ

5位 ベトナム

6位 カザフスタン、パプアニューギニア

8位 インドネシア

9位 インド、アルゼンチン、オランダ

先進国といわれる国々よりも、そうでない国々のほうが上位にランクインしています。「貧富の差」を縮めていくのはなかなか難しいですが、「幸福格差」なら逆転可能です。

一見ネガティブなことでも、気づきを与えてくれたり、時間をおけばプライスレスな思い出に変わったりと、幸せになるための必要な要素です。そう考えることで、「いいこと」だけではなく、「悪いことにも感謝できるようになれば、もはや怖いものなどないのかもしれません。

『幸福論』続き

あなたにとって、幸せの反対語は? その反対語が幸せを見つけるヒントとなる『僕らの時代の幸福論』Vol.5

永崎 裕麻(ながさき・ゆうま)Facebook

fiji_happiness 11.jpg「旅・教育・自由・幸せ」を人生のキーワードとして生きる旅幸家。2年2カ月間の世界一周後、世界幸福度ランキング1位(2016/2017)のフィジー共和国へ2007年から移住し、現在12年目。在フィジー語学学校COLORS(カラーズ)校長。100カ国を旅した経験を活かし、内閣府国際交流事業「世界青年の船」「東南アジア青年の船」に日本ナショナル・リーダーや教育ファシリテーターとして参画したり、某企業のCHO(Chief Happiness Officer/最高幸福責任者)を務めたり、アフリカやフィジーで教育事業をしたりと、多拠点生活をエンジョイ中。 大阪府生まれ。神戸大学経営学部卒業。二児の父。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。

Image: Shutterstock.com(1, 2, 3, 4, 5)

Source: 『世界幸福度調査』(ギャラップ・インターナショナルとWINによる共同調査2017年12 月)

永崎裕麻

swiper-button-prev
swiper-button-next