幸せとの距離の縮め方とは。成功するから幸せになるのではなく、幸せだから成功する『僕らの時代の幸福論』Vol.3
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前回の『幸福論Vol.2』では、「幸せ」のイメージをより具体的に描くことが、逆に幸せを遠ざけてしまうことがあると書きました。なぜなのでしょうか。
それは、「自分にとって幸せとは」を考えるとき、壮大なゴールをイメージしてしまうことがあるからです。つまり、『幸福論Vol.2』で例としてあげた、「セレブな生活」のようなものですね。

達成するのに相当な時間と努力が必要なものを「私の幸せ」と定義してしまうと、幸せは自分から遥か遠い場所に位置することになってしまい、なかなか近づくことができません。
幸せとの距離の縮め方
では、どうすれば「幸せ」に近づくことができるのでしょうか?
幸せの定義を、自分の足元付近に置いておけばいいのです。つまり、すでに現状で持っているものの中から、幸せの定義を構成していけば、「幸せ」までの距離は0になります。
『幸福論Vol.1』の内容を思い出してみてください。そこで学んだ「幸せのイメージ」は、こちらでしたね。

「健康な両手両足があること」や「ポジティブな感情があること」は、「当たり前」なことではなく、とんでもない価値をもっていることだと学びました。
とはいえ、「自分にとって幸せとは」を考えるとき、上の写真のような「当たり前に感じすぎているもの」をそうそう思い浮かべはしないでしょう。
でも、このように「当たり前」にスポットライトをあてることが、幸せになる秘訣です。
私たちは、目標を達成するための(その先に幸せがあると信じて)努力はよくするものの、すでに「幸せ」というゴールに到達していることに気づくための努力はあまりやっていないのではないでしょうか。
<幸せから遠ざかるタイプの手段・目的>
手段:お金持ちになる、北川景子さんのような容姿になる
目的:幸せになる
<幸せに近づくタイプの手段・目的>
手段:感謝日記を書く、瞑想をする
目的:幸せに気づく
「幸せに近づくタイプの手段」は日記や瞑想などで地味です。いっぽう、「幸せから遠ざかるタイプの手段」は刺激的で派手。手段が派手だと、「手段が目的化」しやすくなってしまいます。
なぜ遠くにある「幸せ」を求めてしまうのか

では、「なぜ私たちは、幸せのイメージを(いまここにすでにあるものではなく)遠くに設定しがちなのか?」
いろんな理由があると思いますが、そのうちの1つは「足るを知る機会が少ないから」です。
「もっと痩せましょう」
「もっと体を鍛えましょう」
「もっとオシャレになりましょう」
「もっといい会社で働きましょう」
「もっとお金を稼ぎましょう」
世の中は、「もっと、もっと、もっと」という広告メッセージにあふれています。「あなたは足りていない」という強烈なメッセージのオンパレード。「いまの自分じゃダメなんだ」と何度も刷り込まれていき、足りないものを補い続けるために膨大な時間と莫大なお金を突っ込んでいきます。

「いまのままの自分でいい」という広告を見ることなんて、ほとんどありません。商売になりませんからね。
すでにある幸せを感じると、欲しい幸せも手に入る
確かに、不足しているものに気づき、自分磨きをしていくことは重要だと思います。ただ、「いまの自分でも十分なんだ」と感じる機会があまりに少なすぎるのではないでしょうか。これだと、心が乾き切ってしまいそう…。
「自分は足りてない。だから補わねば」という義務感に似た気持ちでやるよりも、「いまの自分でも十分に足りている」と現状に満足し、幸せを感じ、心を潤わせてから、何かに取り組む。そのほうがうまくいくタイプの人も多いのではないでしょうか。
成功するから幸せになるのではなく、幸せだから成功する
心理学者のショーン・エイカーさんの言葉です。
まずは、幸せになる。そこから始める。
いま手元にある「幸せ」に気づく努力を増やしてみると、「幸せになるってカンタンだ」と気づきます。すると、その安心感から、いろいろなことに挑戦する勇気が湧きあがってくるはずです。
自分磨きのためにも、いまの自分でも素晴らしいんだと、「足るを知る」機会を増やしてみてはいかがでしょうか。
『幸福論』続き
永崎 裕麻(ながさき・ゆうま)|Facebook

永崎裕麻
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