あなたにとって、幸せの反対語は? その反対語が幸せを見つけるヒントとなる『僕らの時代の幸福論』Vol.5
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あなたにとって、「幸せ」の反対語って何ですか?
辞書によると、「幸せ」の反対語は「不幸せ」です。
でも、何が「不幸せ」なのかは、人によって異なります。自分にとってどんな状態や状況が「不幸せ」なのかを考えてみてください。これが、「自分にとっての幸せ」を見つけるヒントになります。
不幸せの反対語の反対語から、幸せを考える
まわりの友人たちに、「幸せ」の反対語は何かと質問してみると、以下のような回答がありました。
不安
孤独
不信
見栄
飢え
ドキドキしない
思考停止
病気
無視
排除
絶望
やはり「不幸せ」のイメージは、さまざまですね。
さらに、上に出た回答それぞれの反対語を考えてみます。
不安 ⇔ 安心
孤独 ⇔ つながり
不信 ⇔ 信頼
見栄 ⇔ 素直
飢え ⇔ 飽食
ドキドキしない ⇔ ドキドキする(刺激・興奮)
思考停止 ⇔ 思考中
病気 ⇔ 健康
無視 ⇔ 注目・尊重
排除 ⇔ 受容・寛容
絶望 ⇔ 希望
「反対語の反対語」は、それそのもの。
たとえば「幸せ」の反対語を「見栄」と考えた人は、その反対語である「素直」を「幸せ」の同義語と感じているのではないでしょうか。
また、「幸せ」の反対語を「絶望」と考えた人は、その反対語である「希望」を増やすことが「幸せ」につながりやすいのではないでしょうか。
シンガーソングライターの宇多田ヒカルさんは、「絶望」の反対語を「ユーモア」だと言っています。だとすれば、彼女にとっては「幸せ ≒ ユーモア」なのかもしれません。
幸せを感じるということは、何かに没頭すること?

よくいわれる「幸せ」の反対語は「退屈」です。
退屈の反対語は「熱中・没頭」なので、幸せをより感じるためには、何かに没頭できる時間を増やすことなのでしょう。
Vol.3で、「なぜ、私たちは幸せのイメージを(すでに持っているものではなく)遠くに設定しがちなのか?」という話と、その理由について書きましたが、「退屈リスク」を下げるためというのも、理由のひとつなのかもしれません。
つまり、私たちは「退屈」を感じないように、本能的に「そう簡単には到達できないゴール」を随時、設定している可能性があります。
また、Vol.1〜Vol.3では、「当たり前」にスポットライトを当て、「いまの自分で十分」という気づきが大事だと書きました。
しかし、現実的には「当たり前(すでにあるもの)」は退屈だと感じることも多いでしょう。「幸せ」が難しいのは、こういうところ。適度に退屈だと感じない工夫が必要になります。これに関しては、次回のVol.6で詳述したいと思います。
熱中できるものを常に意識的に探そう

1930年、経済学者のケインズが、『孫たちの経済的可能性』の中で「100年後、人類は余暇の使い方に苦しむようになる」という趣旨の予言をしています。
「2030年頃、つまり、約10年後、時間を持て余す『退屈リスク』が増大する」と。それはすでに始まっているようにも感じます。
「人生100年 × AI」で、ますます「余暇時間」は増えていきそうです。ならば、「退屈≒不幸」の私たちにとっては非常に危険な時代の到来ということになります。
「熱中(≒幸せ)」できることを増やすべく、食わず嫌いをやめ、ハマれるものを探し続ける必要があります。好奇心のアンテナを、常に作動させておきましょう。
さて、冒頭の質問に戻ります。
あなたにとって、「幸せ」の反対語って何ですか?
『幸福論』続き
永崎 裕麻(ながさき・ゆうま)|Facebook

Image: Shutterstock.com(1, 2, 3)
Source: 孫たちの経済的可能性(PDF)
永崎裕麻
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