
冬も本番を迎え、凍えるような寒い日が続いています。
冬に旬を迎える食材はたくさんあります。旬の食材は味が良いだけでなく、栄養が豊富なので積極的に食べたいものですが、そのひとつが大根です。
暖冬の影響により、値段もとても安くなっています。しかし1本買うとコスパがいいとはいえ、持て余すことも。あまらせてしまってはもったいないですよね。
そこで今回は、さまざまな調理法を用いて、飽きずに1本食べきる方法をご紹介します。大根は使い勝手のいい食材なので、1本あれば、たくさんの味が楽しめます。
レンジ調理:大根のナムル

▼材料(2~3人分)
大根……200g
鶏ガラスープの素……小さじ1/2
桜海老……大さじ2
塩……ふたつまみ
ごま油……小さじ2
▼作り方
STEP1.
大根を細切りにする。
STEP2.
耐熱密閉容器に1、鶏ガラスープの素、桜海老を入れてよく混ぜる。
STEP3.
600wのレンジで2分程度加熱する。加熱しすぎると大根がクタクタになってしまうので、2分以上はしないように。
STEP4.
取り出して、塩とごま油を入れてさらに混ぜて、できあがり。
韓国料理としておなじみのナムル。ほうれん草や豆もやし、ゼンマイ、にんじんなどの食材で作るのが定番ですが、大根だって使えます。
桜海老を加えることで、香りと見た目が華やかになります。ごま油の風味とシャキシャキとした食感が、いっそう食欲をかきたてます。
煮る:大根と手羽元のスープ

▼材料 (4人分)
大根……400g
手羽元……5~6本
水……かぶるぐらいの量
塩……小さじ1/2
ショウガ……一片
粗挽き黒こしょう……適量
▼作り方
STEP1.
大根は皮をむいて大きめの一口大に切り、手羽元といっしょに鍋に入れる。
STEP2.
水を注いで火にかけ、沸騰したら弱火にして、あくを取る。水が少なくなってきたら足して、同じ量をキープする。
STEP3.
大根が柔らかくなってきたら、すりおろしたショウガと塩を加える。
STEP4.
器に入れてから、粗挽き黒こしょうをたっぷりふって、できあがり。
見た目はなかなかボリューム感がありますが、食べてみるとさほど量は感じません。手羽元の旨みと、大根の自然な甘みが加わった、癒される優しい味のスープです。
手羽元や大根から良いだしが出るので、味付けは塩だけで十分。固形スープの素などは必要ありません。粗挽き黒こしょうがピリリと効いて良いアクセントとなり、味を引き締めてくれます。
炒める:大根のしりしり

▼材料(2~3人分)
大根……200g
サラダ油……大さじ1
ノンオイルツナ缶……一缶
しょうゆ……小さじ1~2
卵……1個
▼作り方
STEP1 .
大根は皮をむき、千切りにする。
あればしりしり器を使うと便利。最近では、この機能がついているすりおろし器もあります。器具がなければ、包丁で千切りで問題ありません。

STEP2.
油でよく炒め、ツナ缶を汁ごと加える。
STEP3.
しょうゆを加えてさらに炒め、汁気を飛ばす。
STEP4.
といた卵を加え、炒め合わせて火を通し、できあがり。
「しりしり」とは、沖縄の言葉で「千切り」という意味。にんじんのしりしりがよく知られていますが、大根で作ってもおいしいです。
しょうゆのみの味付けでも、ツナの旨みにより、しっかりした味に仕上がります。ごはんが欲しくなる一品です。
焼く:大根のバターステーキ

▼材料(2人分)
大根……150g
バター……12~13g
しょうゆ……適量
▼作り方
STEP1.
大根は1センチの輪切りにする。
STEP2.
片側表面に、さいの目状に切り込みを入れる。
STEP3.
トースター用の天板に置いて、バターをちぎってのせ、しょうゆをたらす。
STEP4.
大根が少し焦げるくらいまでトースターで焼いて、できあがり。
表面の焦げの具合が絶妙で、見た目から食欲をそそります。間違いなくおいしい、バターとしょうゆの組み合わせを、加熱しながらじっくりゆっくりと大根に移します。香りとともに大根のジューシーさが伝わってくる一品です。
焼いているときに焦げ目が付いてきたら、しょうゆを塗り足してあげてもいいですね。20分以上焼き時間があるので、その間に片付けや洗いものなど有効にお使いください。
揚げる:フライド大根(のりしお味)

▼材料(2~3人分)
大根……300g
塩……小さじ1/4
青のり……大さじ1/2
薄力粉……大さじ3
水……大さじ1
揚げ油……適量
▼作り方
STEP1.
大根は、皮をつけたまま1センチ幅に切る。
STEP2.
ボウルに入れて、塩と青のりをよく絡ませる。
STEP3.
薄力粉と水を加え、全体に絡める。
STEP4.
フライパンに並べて、かぶるくらいまで油を注ぐ。
STEP5.
火をつけて強火で、大根がからりとするまで揚げる。
見た目はフライドポテト。でも、食べるとジュワッと大根の旨みが溢れ出します。ほどよく付いた焦げ目がパリッとした心地良い食感を生み出します。
ほんのりと大根の苦みを感じる大人の味。青のりの風味も効いて、ビールなどお酒にも合う一品となっています。
5つの調理法を用いたアレンジ術による、大根レシピをご紹介しました。レシピは5種類ありますが、3つほど使えば大根1本は消費できるのではないでしょうか。
あまるどころか、もう1本買い足してしまうことになるかも。お好みのレシピをお楽しみください。
レシピ・文/オガワチエコ
料理研究家。ル・コルドン・ブルー、東京會舘クッキングスクールで料理と製菓を学ぶ。著書に『彼の家に作りに行きたい!純愛ごはん』(セブン&アイ出版)、『おにぎらずの本』(泰文堂)など。道具も調味料もない彼の家で、いかに間単に失敗なく美味しい料理を振舞うかに特化したレシピ本になっている。2015年9月11日には新刊『スティックオープンサンドの本』を出版。
あわせて読みたい
Photo: 大崎えりや
オガワチエコ