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HOW I WORK

常に騒ぎを起こし続けろ! Behanceの創設者でAdobeのCPO、スコット・ベルスキーさんの仕事術

常に騒ぎを起こし続けろ! Behanceの創設者でAdobeのCPO、スコット・ベルスキーさんの仕事術

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回は視覚に訴えるクリエイティブな職業に就いている人々の作品共有プラットフォーム、Behanceを創設したスコット・ベルスキー(Scott Belsky)さんの仕事術です。

Behanceは、アーティスト、デザイナー、その他の視覚に訴えるクリエイティブな職業に就いている人々の作品をハイレゾで展示・共有できるプロ用ソーシャルプラットフォームです。

そのBehanceの創設者で、現在はAdobeの最高製品責任者であるスコット・ベルスキーさんに、仕事のこと、個人的に実践している時短術、起業家精神と創造性に関する著書について話しを聞きました。

勤務地:ニューヨークとサンフランシスコ

現在の職業:Adobeの最高製品責任者、作家、新興企業の投資家

現在の携帯端末:Apple iPhone X

現在のPC:Mac Book Pro

仕事の仕方を一言で言うと:粘り強く

── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?

私は常にデザインとビジネスの両方に興味があったので、キャリアを通して両方を融合させる方法を見つけました。

2005年にアーティストやクリエイターが作品を展示したり、優れた作品を見つけるためのプラットフォームとしてBehanceを創設。Behanceは5年間ブートストラップに取り組み、1年余りベンチャーのバックアップを受けながら長い道のりを辿り、2012年後半にAdobe買収されました。

その間に経験した試練とゼロからメンバーを集めて作り上げたチームのおかげで、私はリーダーとして成長できました。

私たちの最初のプロダクトはクリエイティブなチーム向けの「Action Book」と呼ばれるものでした。当時は、生活のために、99Uカンファレンスのようなイベント関連の紙のプロダクトやチケットを文字通り販売していました。

それが、結果的にBehance Networkの構築につながったのです。今では、Behanceのメンバーは1500万人以上にのぼります。私はAdobeの最高製品責任者として、クリエイティブな人々向けの製品開発に取り組んでいます。

他に、Pinterest、Uber、Cheddarなど創業後の初期段階にある企業の投資家とプロダクトのアドバイザーもしています。

あと、大転機を経験した起業家やリーダーが波乱に満ちた道のりを歩んできた話を長年聞いては、心を惹かれてきましたが、5年前にその感動を『The Messy Middle』という本にするプロジェクトにして、最近上梓しました。

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ニューヨーク市ソーホーにあったBehanceの事務所でBehance Networkについて話し合うスコットさんと共同創設者マティアス・コリーさん。
Photo: Courtesy of Behance

──最近の1日の流れを教えてください

タスク管理法、長期的な優先事項をトラッキングする方法、時間の使い方にはとてもこだわりがあります。

1分刻みでスケジュールを入れていますが、「片付けとフォローアップ」と「家族」のためにまとまった時間をブロックしています。

どこにいても目の前の瞬間に集中することと、事前にしっかり準備して他人と過ごす時間の生産性を高めることを自分に課しています。

私の典型的な1日は、メンター、友人、あるいは私がアドバイスしている企業の創設者との朝食から始まります。それから、チームとの製品レビュー、スタッフとのやり取り、仕事のパートナーや誰かに紹介された起業家とたまに電話で話すという感じです。

ニューヨークにいるときは、家族との夕食に間に合うように帰宅します。サンフランシスコにいるときは、ビジネスディナーが多く、仲間と一緒に夕食に行って業界の雑談をすることもあります。

毎日1日の終わりには、メールや行動リスト(Wunderlistで管理しています)、Slackを見て緊急項目を片付ける時間を取ります。

自分のせいで他人の仕事が滞るのは嫌ですし、「決断力を持ち、他人の仕事を停滞させないこと」を心がけています。これは、リーダーの最も重要な仕事の1つです。

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

最近Oura ringを使って睡眠をトラッキングしています。

自分の習慣をもっと良く知りたいからです。週末はDJI Mavic のドローンで楽しんでいます。 また、さまざまな加湿器を試した結果、Dysonの加湿器に行きつきました。今まで試した中で最も静かで効果的で頼りになります。

── 仕事場はどんな感じですか?

ご多分に漏れず、私もモバイル系ディバイスが大好きです!

たまに絵も字も境目なくかけるようにiPadだけ使うようにすることもあります。生産性モードに入ると、MacBook Proを使います。

アイデアのアウトラインを書いたりスライドを作るときは、Adobe XDをよく使います。これは、私のチームが経験豊富なデザイナー向けに作った新製品の1つで、私はPowerpointやKeynoteの代わりに使っています。

Adobe XDのいいところは、「アートボード」をいくつも作成してストーリーを示し、それをすぐプロトタイプにできて、ウェブのURLでシェアすると人々がコメントできるところまで、流れがとてもスムーズに進むところです。

でも、今でもメモを取るときはDot Grid Books(Behanceが作成したノートです)を使っていますし、進行中のタスクの記録にはAction Book Miniを使っています。

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視覚的資料について討論するスコットさんとBehance最初のエンジニアリングリーダーであるデイブ・スタインさん
Photo: Courtesy of Behance

── プロのクリエイテターと仕事をすることに関してお気に入りの教訓はありますか?

クリエイティブチームは、視覚で進歩していることを認識できると頑張れます。

ですから、優秀なリーダーは、チームやプロジェクトが歩む道のりをうまく説明する必要があり、目標やチームの経験を示す図解を使って、誰にでもわかるようにビジョンを説明しなければなりません。クリエイティブチームが目標に向かって一丸となるとき、魔法が働くのです。

長期的なプロジェクトに取り組む場合は、その道のりに沿ってマイルストーンを作ることも重要です。残念ながら、みんな短期的な報酬がないとやる気が出ません。ですから、終わりが見えない長い道のりを歩んでいるときは、途中で達成できるような目標をいくつも見つけて、それを達成したら喜び合うことが必要です。

── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?

iPhoneにキーボードショートカットを作って、頭字語を打つだけで一般的なメッセージを送信できるようにしています。

たとえば、ニューヨークでUberのドライバーに私をピックアップしに来てほしいという1行を送信したいときは、「uberd」とタイプするだけで、全文が出てきます。Gmailでも定型文回答を使っています。

単調な作業をするときは、必ず別のことを同時並行で行うようにしています。たとえば、歯を磨きながら何かを読んだり見たりしますし、何も考えずに片づけをしているときは、ポッドキャストを聴いています。

電話会議は空港への移動中にスケジュールします。仕事モードのときは、最大限に自分を活用している気分になりたいのです。

──仕事場で採用しているプロセスで、興味深いもの、珍しいもの、こだわりがあるものがあれば教えてください

Wunderlistの「行動リスト」とは別に、「Active Tracking」という文書がEvernoteにあり、そこにはチームとプロダクトに関するより大きな問題や目標をリストアップしてあります。

少なくとも1日1回はそれにさっと目を通すようにして、チームメンバーに必要なメッセージを送ったり、自分のスケジュールを変更したりしています。この作業は、「タスク」ではなくて、力を注ぎたい優先事項です。

それから、毎週末にカレンダーをざっくり見直し、「何をどれだけ進捗させられたか」自問することで自分自身を監査するようにしています。これにより、時間の無駄だった会議や、特に生産的だった会話を判別できます。

── どんな人たちからどのように仕事を助けてもらっていますか?

長年私のアシスタントをしているニーナさんは、私にとって何が優先事項かわかっているので、私が仕事と家庭の時間的バランスをとる助けになってくれています。また、どの会議やどの話を優先的にスケジュールする必要があるかわかる優れた直感がある人です。彼女と一緒に2、3週間ぐらい先のカレンダーをじっくり見直しては、必要な調整をしています。

また、スタッフ主任のエミーさんのことも、とても頼りにしています。彼女はプロセスをトラッキングして、スタッフが適材適所に配置されているか確認することがとてもうまいのですが、これは私にはないスキルです。

私は少しプロセスに無頓着になるときがあるので、エミーさんがいなかったら、私は協働する人たちの調整に苦労し続けたと思います。

──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?

タスクはWunderlistで、目標はEvernoteでトラッキングしています。

──どのように充電したり休憩していますか?

オフシーズンであっても、毎月ビーチを散歩するようにしています。波の音を聞くと心がクリアになるからです。あとは、Netflixですね。

──仕事の合間に何をするのが好きですか?

過去5年間、私のサイドプロジェクトは、一流のクリエイティブチームやクリエイティブなプロジェクトに関する洞察を記録することでした。

全部、役員会議中や対立や解決の瞬間に耳にしたり、観察したり、考えたりしていたことです。時が経つにつれて、Evernoteのファイルには830個以上の洞察が蓄積されました。

数年前に、それを「忍耐」「最適化」「最終マイル」という3つのグループに生理することにしました。淘汰と集約を重ねた結果、120個まで絞り、それが『The Messy Middle』という著書の中核になりました。

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以前スコットさんが出版した書籍
Photo: Courtesy of Behance

──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?

この夏、Alfred Lansing著『Endurance: Shackleton’s Incredible Voyage』を読んで気に入りました。機会があれば、友人のトッド・ヘンリーさんがクリエイティブチームの管理について書いた『Herding Tigers』とう新刊本も読むつもりです。タイトルがとても面白いでしょう。

──今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

シルク・ド・ソレイユをデザインしている人たちのことをもっと知りたいと思っています。世界で最もクリエイティブで生産的な組織だと思うからです。

──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

私のメンターの1人である、著作家のセス・ゴーディンさんからのアドバイスで「常に騒ぎを起こし続けなさい」です。

──挑戦中の課題はありますか?

クリエイティブなプロダクトをプロでも十分使えるレベルに強化すると同時に、誰にでも簡単にアクセスできて使用できるようにするにはどうしたらいいのでしょうか。

労働がどんどん商品化され、自動化されるに連れて、創造性はさらに重要な能力になり、現代社会における唯一の解決策になります。

ですから、次世代は創造性をうまく身につけなければなりません。より多くの人々がクリエイティブなやり方で自分自身を表現するのを手助けできたらと思うのですが、それには新しいアプローチでクリエイティブなプロダクトを作り、市場に持ち込まなければなりません。

わくわくしながらこの問題に取り組んでいます。

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Image: Lifehacker US

Source: Behance, Wunderlist, Oura ring, DJI, Dyson, Amazon(1, 2, 3), Action Method, Adobe

Nick Douglas – Lifehacker US[原文

訳:春野ユリ

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