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職場の人間関係ストレス対策「ひどい上司」のために転職はあり?なし?

職場の人間関係ストレス対策「ひどい上司」のために転職はあり?なし?
Image: Gettyimages

若いビジネスパーソンの転職理由として、常に上位にある「上司との人間関係」。平たく言えば、「ひどい上司」がイヤになって辞めるパターンが非常に多いそうです。

退職して、やっと「ひどい上司」から解放されたと思ったら、転職先の上司もまたひどい人物だった…というのは、転職あるあるです。

人間関係を理由に転職を続けるのは難しい

では、この会社も辞めて次に移るべきでしょうか?

答えは「ノー」と断言するのは、企業向け研修の彩志義塾の代表理事を務める古川裕倫さんです。

古川さんは、著書の『バカ上司の取扱説明書』(SBクリエイティブ)の冒頭で、その理由を「どこの会社にもどんな職場にもひどい上司はいるからです」と説きます。さらには、「もっとひどい上司に遭遇してしまう」可能性もあるので、上司を理由に転職するのはすすめていません。

それでは、どうしたらよいのでしょうか? 本書で解説されている処方箋から、ピックアップして紹介しましょう。

ひどい上司の存在を気にしない

古川さんの第一のアドバイスは、「ひどい上司の存在自体は気にしない」というもの。これは上司を無視するという話ではなく、「仕事を気にする」べきということ。

上司に腹を立てたり、文句を言ったところで相手が変わってくれるわけではありません。そこで、努めてきちんと仕事をして、会社に貢献することに意識を向けなさいということです。

仕事に関する上司への報告などは義務ですので、むしろしっかり行います。それをせず、大事な案件で「前にメールしてあります」、「忙しそうだから報告しませんでした」といった対応はNG。後々自分が困る事態に追い込まれるだけです。

「どうでもよいこと」は譲る

仕事において、「どうでもよいこと」と「譲ってはならないこと」の区別はしっかりつけるよう、古川さんは述べています。

「どうでもよいこと」とは、どれを選択しても同じ結果が期待できるようなこと。そうした細かくこだわる必要性のないものは、無条件に上司の指示に従い、余計なエネルギーと時間を浪費しないようにします。

逆に、自分と上司の意見に方向性の違いがあるのは、「譲ってはならないこと」です。この場合は、「はい、わかりました」とせず、議論を尽くして合意点を見つけねばなりません。

結果として、自分の主張が通らなくても、上司と最後まですり合わせることが大事とのことです。

上司も褒めよう

古川さんは、自分の上司のこの部分がひどいからと、全てを否定すべきではないと説きます。長所もあるはずなので、そこを見て「よい面を前向きに評価」するようアドバイスしています。

さらに一歩進めたアドバイスが「上司も褒めよう」。

「さすがですね」、「参考にさせていただきます」などと、いい結果が出た時に素直に声をかけます。これは、決してゴマすりではなく、部署の士気をアップさせる方策です。

上司を教育する

これをもう一歩進めて、「上司を教育」することも勧められています。

例えば、優柔不断という欠点を抱えた上司に対して、1つの結論を提示するのではなく、二者択一の機会を与える。

否定癖のある上司に対して、「今すぐ結論は要りませんが、説明します。ご一考ください」と、即座の返答を迫らないようにする。

参考になる本があったら、「偶然見つけた本にこんなことが書いてありました」と言う。このように、さりげない形で上司を教育することは可能だそうです。

最終手段として上司と戦う

古川さんは、本書の中で「ひどい上司」を、「イヤな上司」、「ダメ上司」、「バカ上司」の3つに類型化しています。

「イヤな上司」とは、やたら威張るなど性格に問題のある上司。「ダメ上司」とは決断力がないなど業務遂行能力に問題のある上司。「バカ上司」とは会社に貢献せず害をもたらしている上司です。

このうち、「バカ上司」については「戦うべき時には戦わなければいけません」と明言しています。なおかつ、戦うからには「必勝を目指す」べきとも。

注意したいのは、鬱憤を晴らすためでなく、会社をよくするために戦うという大義があること。これが見えないと、社内での信頼を失うリスクがあるだけです。

戦うには仲間と記録が必須

そして、重要なのが「仲間」がいること。1人で戦おうとせず、同僚の仲間を集めます。そのメリットは、どのような戦い方が最も効果的なのか見えてくるのと、同調する仲間がいることを上司に主張できること、別の上司が加勢してくれるなど、いくつもあります。

仲間づくりと同じくらい必要なのが、「事実の積み上げと記録」。過去において上司に改善要求した事実がわかるメールやメモをとっておきます。

うまくいけば、戦いが始まる前に上司が雰囲気を察知して、戦わずして勝つ可能性もあります。

もし、実際に戦うことになったら、「証人」となる第三者のいる所で「冷静に議論で戦う」のが基本。言い忘れがないよう、箇条書きのメモを手に上司相手に論戦します。この時、怒りの感情を見せてよいのは、上司が薄ら笑いで対応しているような場合に限ります。

この戦いは、「完膚なきまで潰す」のが目的ではないと、古川さんは念を押します。

戦いの目的は、会社にとって価値ある提案に対して、上司が賛成に転じることです。なので、それが果たせた時点で戦いは終結し、その顛末を上司の上司に報告します。

逃げ道は作っておかないと、相手から思わぬ反撃を受けるリスクが発生するだけだと、古川さんは言います。


古川さん自身も会社員時代に、何人ものひどい上司と出会ってきたそうです。

しかし、「ひどい上司がいたから自分の人生は暗かった」とはならず、むしろ反面教師として学ぶべき点も多かったそうです。

もし、あなたの上司がひどい上司で、「会社を辞めよう」と考えたくなったら、本書を参考に再考してみてはいかがでしょうか。

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Source: 『バカ上司の取扱説明書

Image: Gettyimages

鈴木拓也

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