iPhone向け写真同期サービスを徹底比較:iCloud vs Googleフォト vs Dropbox
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どんなにストレージ容量の多い機種を選んでも、iPhoneのフォトライブラリはいつの日か必ずいっぱいになります。だからといってローカルに保存してしまうと、他のデバイスからのアクセスができなくなります。
クラウドストレージなら、その両方の問題を解決できます。iPhoneやiPadユーザーに人気のフォトストレージサービスといえば、iCloudフォトライブラリ、Dropbox、Googleフォトあたりでしょう。
そこで、その3つを比較してみたいと思います。
iCloud
iCloudがAppleのエコシステムに登場したのは2011年。iPhoneやiPadに統合されていることもあり、あっという間に人気を博しました。Appleのサーバーにデータを保存し、デバイス間で同期を取ってくれるサービスです。
iCloudの写真向けソリューションは、iCloudフォトライブラリと呼ばれています。基本的にiPhoneやiPadの写真アプリと同じですが、アルバムやメモリーも含め、その内容がiCloudに同期されます。
さらに、ライブラリに変更を加えると、すぐに他のデバイスにも反映されます。
コスト
Apple IDには無料で5GBのiCloudスペースが付いています。アップグレードしたい場合、月額1ドルで50GB、4ドルで200GB、10ドルで2TBまで増やせます。
熱狂的なフォトグラファーをのぞけば、安いプランでも十分でしょう。
念のため、iCloudフォトライブラリは、iPhoneバックアップなど、他のiCloudの用途とスペースを共有していることを忘れずに。
メリット
何より、iOS向けにできているので使いやすいのが最大のメリットです。アルバム、メモリー、共有した写真(とそのメタデータ)がiCloudに自動で同期されます。

もちろん、フォトライブラリを2か所に保存しておきたいなら、デバイスとiCloudの両方に保存することもできます。ただ、あまり大きなライブラリは、ローカルには収まりきらないと思います。
macOSもシームレスにiCloudとつながるため、Macユーザーならさらなるメリットがあります。Macは、iCloudフォトライブラリを完全にカスタマイズできる唯一のプラットフォームでもあります。
たとえば、Mac版iCloudフォトライブラリなら、各画像のメタデータを編集できます。そのため、20世紀に撮った写真を日付順にライブラリに追加することも可能です。
デメリット
Windows版のApple写真アプリは出ていないので、WindowsユーザーにとってiCloudフォトライブラリは少し使いにくいかもしれません。
それでも、Windows版iCloudはダウンロードできます。これを使えば、コンピューターから写真をアップロードしたり、PCにフォトコレクションをバックアップしたりできます。さらに、すべての写真に撮影日時が追加されます。

しかし、Windows版iCloudは、macOS版写真アプリほどの編集はできません。カスタムのアルバムやメモリーのバックアップもできません。Android向けiCloudアプリはないので、デバイス間の利便性も限られます。
さらに、iCloudには歴史的に、堅牢なセキュリティや信頼性がありません。iOSアップデート、日常的なiCloudのメンテナンス、場合によっては海外旅行に行っただけでデータが消える可能性があります。
Appleミュージックは、もう何年もiCloudの問題を解決できていません。また、AppleによるiCloudのメンテナンス失敗のせいで、筆者は2015年以降3000枚の写真を失っています。
しかも、iCloudの問題に関しては、Appleのサポートは非協力的です。そのため、iCloudフォトライブラリを使う場合、自身でのライブラリの定期的なバックアップが必須です。
iCloudフォトライブラリが向いているのはこんな人
macOSとiOSを使っているなら、iCloudフォトライブラリがオススメです。どちらのプラットフォームにも組み込まれており、非常に使いやすくできています。
iOSデバイスでiCloudフォトライブラリを有効にするには、まずDropboxやGoogleフォトなどの写真同期アプリを無効にします。次に、設定>[あなたの名前]>iCloud>写真の順にタップ。そこで、iCloudフォトライブラリを有効にしてください。
Dropbox
主要なプラットフォーム間でシンプルなデータ同期とストレージが可能なDropboxは、長い間クラウドストレージとしての人気を誇っています。他のクラウド同期サービスと比べて、自由にカスタマイズできるのも魅力です。
コスト
Dropboxは、iCloudフォトライブラリほど気の利いた機能がないうえに、安くもありません。
無料のDropboxベーシックプランでは、2GBのクラウドストレージスペースしかありません。次のステップアップが1TB(といくつかの特別機能)で、月額10ドルです。
Dropboxプロフェッショナルでは2TBのストレージとさらなる機能が付いて、20ドルになります。
メリット
Dropboxの愛すべき点は、そのシンプルさにあります。顔認証機能やスライドショー機能はありません。あなたの写真と動画のデータを安全に保存し、デバイス間で共有できるだけのシンプルなサービスです。
Dropboxアプリで「カメラアップロード」を有効にすると、iPhoneの写真や動画が「カメラアップロード」フォルダに同期されます。同期されたファイルは、PCやMacからアクセス可能です。
iOS版Dropboxのもう1つの利点としては、Dropboxはローカルのフォトライブラリに触れないこと。つまり、カメラアップロードを無効にしても、ローカルのフォトライブラリが消えてしまったり壊れてしまったりすることはありません。
DropboxでiOSの写真を同期するには、まずiCloudフォトライブラリを無効にします。次に、Dropboxアプリを開き、Dropboxアカウントにサインインし、画面右下の「アカウント」をタップします。
そのページにある「カメラアップロード」のスライダーを有効にすると、Dropboxへの写真共有が始まります。
デメリット
Dropboxの問題は、iOSの写真アプリと競合すること。Dropboxのカメラアップロードは、iCloudフォトライブラリが有効のときは機能しません。
もう1つ、顔認証や自動アルバム作成がない点も残念です。とはいえ、この点に関しては好みによってはメリットともいえるでしょう。
さらに、Dropboxからダウンロードした写真には撮影日時などのメタデータがありません。
Dropboxが向いているのはこんな人
Dropboxは、シンプルな機能が好きで、AIをなるべく避けたい人に最適です。堅牢なセキュリティはほしいが、アルバムは自分で作れればよくて、最新機能に興味がないという人なら、Dropboxが便利でしょう。
ダウンロード:iOS版、Android版、Windows版、Mac版(無料、サブスクリプションもあり)
Googleフォト
Googleフォトは、3つの中でもっとも新しいフォトストレージサービスです。安全な写真同期システムを、AndroidやiOS、そしてウェブアプリを使えばあらゆるコンピューターで使えるのが特徴です。
コスト
Googleフォトは、全ユーザーに15GBが無料で付いてきます。
プランをアップグレードするには、Google Oneに参加しましょう。Google Oneには、ストレージスペースの増加に加え、優先サポートなどのサービスも含まれます。月額2ドルで100GBから、30ドルで30TBまで、幅広い価格設定があります。
メリット
iPhoneでGoogleフォトを使う最大の理由は、無限のフォトストレージを提供している点にあります。ストレージ上限までオリジナル品質の写真と動画をアップロードすることもできますが、ほとんどの人にとって高画質ストレージでも十分でしょう。
16MPを超える写真や1080pを超える動画は、そのサイズまで縮小されます。
Googleフォト最大のメリットは、フォトライブラリを整理してくれる強力なAIにあります。Googleフォトは、iCloudフォトライブラリと同様、写真をカテゴリー別に整理しやすくなっています。顔認証ソフトウェアもパワフルで、たとえばセルフィ―や友達の写真をアルバムに分けて整理してくれます。
Googleフォトは、カスタムGIF、コラージュ、スライドショー作成などの機能も豊富です。Googleフォトのクールな機能については、こちらの記事をご覧ください。
デメリット
Googleフォト最大のデメリットは、iPhoneの写真アプリとの競合でしょう。
アプリをダウンロードすると、GoogleフォトがiCloudフォトライブラリをオフにするかを聞いてきます。その後、写真や動画へのアクセスを許可すると、コンテンツの同期が始まります。
写真や動画はローカルにも保存されますが、Googleフォトアプリは、写真アプリのライブラリにも影響を及ぼします。たとえば、Googleフォトから写真を消すと、iOSデバイスからも削除されます。さらに、Googleフォトからダウンロードした写真には、オリジナルの撮影日時などのメタデータは含まれません。
Googleのトラッキングやアナリティクスによるプライバシーが心配なユーザーも、Googleフォトを使うのは避けたほうが無難です。
Googleフォトが向いているのはこんな人
Googleフォト最大の魅力は、なんといってもその無料ストレージスペースです。オリジナル品質で写真や動画を保存する必要がなく、お金も払いたくないなら、Googleフォトが最適といえるでしょう。
また、iPhoneとAndroidを両方持っている人にも、Googleフォトが向いています。
ダウンロード:iOS版、Android版、Windows版、Mac版(無料)
さあ、どのストレージサービスを選ぶ?
まとめると、iOSユーザーの大半にとって、iCloudがベストな写真同期サービスだと考えられます。組み込みの写真アプリとシームレスにつながり、Appleの意図したとおりにライブラリを楽しむことができます。
さらに、iCloudフォトライブラリなら、何年もの写真を貯めておくことができます。SNSへの写真のシェアもかんたんです。
Macを持っていなくても、iCloudフォトライブラリが関係するタスクの大半は、iOSデバイス上で管理可能です。Windows PCへの写真や動画のバックアップもかんたんにできます。
Macがないとできない唯一の重要なタスクは、iCloudフォトライブラリの正確なバックアップの作成です。とはいえ、PCへの写真や動画のバックアップが失敗したときは、いつでもiCloudフォトライブラリを再構築することが可能です。
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Image: MichaelJayBerlin/Shutterstock.com
Source: Apple(1, 2, 3), Google(1, 2, 3, 4), Dropbox(1, 2)
Original Article: iPhone Photo Sync: iCloud vs. Google Photos vs. Dropbox by MakeUseOf
訳:掘込泰三
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