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HOW I WORK

「ミーハー心」を隠さず、とことん素直になる。アイランド代表取締役・粟飯原理咲さんの仕事術

「ミーハー心」を隠さず、とことん素直になる。アイランド代表取締役・粟飯原理咲さんの仕事術
Photo: 大崎えりや

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに仕事術を学ぶ「HOW I WORK」シリーズ。今回お話を伺ったのは、アイランド株式会社代表取締役・粟飯原理咲(あいはら・りさ)さんです。

同社は「おとりよせネット」や「レシピブログ」など、複数のライフスタイルメディアを運営。ふんわり軽やかな印象の粟飯原さんが実践する、仕事術や時間節約術をお聞きしました。

粟飯原理咲さんのキャリアシート

・筑波大学第一学群社会学類を卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。勤務の傍ら、個人でグルメメルマガ「OL美食特捜隊」などを手がける。

・2000年、株式会社リクルートに転職。次世代事業開発室、事業統括マネジメント室を経て、情報サイト「All About」に出向。マーケティングプランナーとして働きながら「OL美食特捜隊」を含む6つのプロジェクトを同時進行させ、新しいサービスをひたすらつくりだす。

・2003年、株式会社リクルートを退社し、7月にアイランド株式会社代表取締役となる。「おとりよせネット」「レシピブログ」などライフスタイルメディアを運営。

【受賞歴】日経WOMAN誌が選出する「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」2000年度ネット部門第1位、2003年度同賞キャリアクリエイト部門第6位受賞。

愛用している、仕事をうまく進行させるためのツールはありますか?

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仕事、プライベートで使っているガジェット類は、PCとiPhone、本や漫画を読むためのiPadです。

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Photo: 大崎えりや

メモ魔なので、ノートにもこだわっています。小さなノートはToDoリストで、バレットジャーナル形式で書いています。

プライベートも仕事も思いついたらすぐに書く。やるべきことはノートを見ればわかるので、頭の中がスッキリします。休日でもノートは持ち歩いています。

もう1つのノートは、同じ大学出身の落合陽一さんもファンだと記事で読んだ「CROQUIS(クロッキー)」のもの。ページ数が多いので気になるものを貼ったり、アイデアをどんどん書き出します。思考を整理したり、考える時は手書きですね。

お気に入りの時間節約術はありますか?

「会社の近くに住むこと」です。今でも家から会社まで6分。

片道1時間通勤にかかるとすると、往復で2時間、月20日勤務なら40時間。年間480時間が、近くに住むことで手に入るということです。

それくらいインパクトがあるところで節約するのがポイントだと思います。

All Aboutに勤めていた時も、会社がある恵比寿に住んでいました。睡眠は凄く長くとらないとダメなタイプなので、とにかく寝る時間を確保しようと始めたのが最初です。

悩んだり落ち込んだりした時に、気持ちを切り替えるコツはありますか?

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Photo: 大崎えりや

会社には常に課題があるので、課題だけに囚われていると前に進めなくなります。だから「悩む時間を制限すること」を意識しています。

起業したころは、悩みごとが気になり眠れない日々がありました。だからものすごく訓練しました。まず「今日1日だけ悩もう」と決めて、翌日は引きづらないようにする。それができるようになったら今度は「3時間だけ悩む」と、時間をどんどん短くしていくイメージです。

最終的には会社や会議室を出た瞬間に、頭を切り替えることができるようなるのが目標ですが…それはまだまだできていないです。

その他、気持ちを切り替るためのアイテムや工夫は?

おやつ:仕事を上手くやるためのコツはおやつだと思っているくらい、欠かせません(笑)。「このプリンを食べたら気持ちが切り替わる」という暗示をかけて食べます。甘いものなら何でも良いです。

SF小説、ミステリ小説、漫画、映画:読んでいる時間や見ている時間は集中できるので、気持ちをリセットできます。本はSFからミステリ、恋愛小説までジャンルは本当にいろいろで年間200冊ほど、Kindleで買ってiPadで読みます。手元におきたいと思ったら、紙の書籍も購入。ダブルで持ちます。

100km離れる:物理的に100km以上距離をおくと、その対象から気持ちを離すことができると聞いたことがあります。だから、週末はプチ旅行にでることが多いです。

夫が登山好きで、最近は箱根や秩父に行きました。夫が山に登っている間、私は大好きなスイーツ巡りを楽しんだりしています。

仕事での最大の失敗経験は?

失敗談ではないんですけど、起業して3年たった時、凄く信頼していたメンバーが独立をしました。それまで、自分と一緒に何かをやりたいと思った人が離れていく経験をしたことがなかったので、仲間が去ってしまうことに物凄くショックを受けました。

喪失感というか、エレベーターに乗ると涙する状態が半年くらい続きました。今思うと青い。未熟でしたね(笑)

失敗自体はそれほど気にならない方で、好きな言葉に「人間万事塞翁が馬」があります。失敗が次の成功のきっかけになっていると思っているんです。

20代でリクルートにウェブプランナーとしてヘッドハンティングされましたが、1年間ひたすら企画書を書いたのに、1つもサービスリリースできず部署が解散したことがありました。当時は自分が給料泥棒に思えて、本当に落ち込みました。上手くいかなかった理由をひたすら考えて、辛かったですね。

でも、起業して「おとりよせネット」を立ち上げる時に、その時に考えたことをすべて実践しました。失敗をしても原因を突き止めれば次にいかせるということをリアルに身をもって知って、人生における深い気付きとなりました。

また、困ったことがあると自分と同じ経験をした方々に「こういう時はどうしているんですか?」と話を聞きに行きます。正直に話すと「若いね〜」と言われることもあり、その方々にしてみたら取るに足らないことなのでしょうね。笑ってもらえると、ああ、経験者の方にとっては大したことがないことなんだなって(笑)。

仕事において役に立った本、効果的だった本は何ですか?

・『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(著:アービンジャー インスティチュート)

先ほどお話した、起業して3年目に仲間が去って失恋状態のような時に巡り合った1冊です。その時の私は、彼女が去ったらつらいし困ると、自分の「箱の中」で物事を見ていました。

相手のことを考え、次のステージでやりたいことをやって幸せになれるようにと、心底応援ができなかったんです。でもこの本を読んだことで、客観的にみんなが幸せな状態を考えるべきだと気付かされました。

結果的に彼女とは今でも応援しあい、時には仕事も一緒するほど、とても良い信頼関係を築けています。それは、この本のおかげもあると思います。

・『スターバックス再生物語』(著:ハワード・シュルツ、ジョアンヌ・ゴードン、翻訳:月沢 李歌子)

スターバックスに対する世間のロイヤルティ(愛着)が下がった時に、創業者が会社にカムバックして再建する日々を綴っています。

マーケティングの実例集のような分厚い本で、何度読んでもサービス作りの本質や、会社が何を信じてビジネスをしていくべきかを学ぶことができます。Kindleと紙2冊(綺麗にしておきたい本と、紙で読むための本)を持っているくらい、好きな本です。

・『シリコンバレー式 よい休息』(著:アレックス・スジョン-キム・パン)

尊敬している取引先の方がすすめてくださった本です。クリエイティブな人は、働いている時間と同じくらい休息の時間を大事にしているということを、いろいろな角度から教えてくれます。

良い休息をとり、自分がいつも楽しくいられるようにしようと常に考えています。

いつも好奇心を持ち続けるコツは?

もともと流行っている物が好きという、「ミーハー心」が根底にあります。

面白そうだと思ったら女子高生が読んでいる漫画を読んだり、ドラマを見たりもします。大人だから、経営者だからと格好つけず、自分の気持ちに素直にいることを大事にしています。

今の会社を作ったのも自分の好きに正直であった結果です。「おとりよせネット」は15年目になりますが、時代の空気やトレンドをサービスに取り入れないと、途端に陳腐化してしまいます。

ライフスタイルがテーマの会社なので、自分自身が日々意識して生活をしていないと気づけないインサイトやトレンドもたくさんあります。例えば、最近は健康志向が好まれる傾向だから、ヘルシー系のスイーツを多めに紹介するとか、サバ缶が話題だから高級サバ缶を取り上げるとか。

好きなジャンルと自分の仕事がリンクしているからかもしれませんが、ミーハーなアンテナに引っかかったものが全部企画につながるので、ミーハー心を持ち続けることは、仕事にも役に立っていますね。

いまお答えいただいている質問を、あなたがしてみたい相手はいますか?

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Photo: 大崎えりや

WAmazing株式会社の代表取締役社長CEO・加藤史子さんです。加藤さんは40才でリクルートを退社し、起業しました。お子さんがいらっしゃいますが、とてもそうは思えない仕事振りです。

それでいて、とても軽やかな方。どうやって仕事のやり繰りをしているか気になるので、ぜひ時間の管理術等を聞いてみたいです。

これまでにもらったアドバイスの中で、ベストなものを教えてください。

課題については人によく相談するので、たくさんあります。その時その時で心に響くアドバイスばかりですが、あえて1つあげるとすれば、All About代表取締役社長・江幡哲也さんがよくおっしゃっていた「動機は善か」です。

何かをする時やジャッジする時に、その動機は善なのかどうかということが、私の中の指標のひとつになっています。

また、経営においては「ありのままを受け入れること」が大切だと思っています。経営者は理想に燃え、自分の会社が理想的な状態にあって欲しいと思うもの。でも、現場では困っていることや問題が必ずある。そのギャップを否定せず、そうしたことを客観視して、なるべく素直に向き合うように心がけています。

Source: アイランド株式会社

Photo: 大崎えりや

小林純子

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