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先送りグセ、直したい? 「1日丸ごとゲーム化」を実行してみたら

先送りグセ、直したい? 「1日丸ごとゲーム化」を実行してみたら
Image remixed from grafvision, Ispace/Shutterstock, and psdGraphics.

2013年1月21日公開記事を再編集して公開しています。

ボストン公立学校(Boston Public Schools)で働く25歳のAlex Kalamaroffさんは、先送りグセを直して良い習慣を身につけるために、ある試みを実践しています。

その試みとは「1日丸ごとゲーム化」計画

彼は、「簡単な目標を達成し損ねた経験がある人におすすめ」と言っています。いったい、どのような仕組みなのでしょうか?

ジムで、1時間運動をすると2赤ポイント。

母親への電話は1青ポイントだけれど、デボラおばさんに電話すると5青ポイントを稼げる。なぜなら、デボラおばさんと話をするのは正直苦痛だし、おばさんは時々、突拍子もなくわけのわからないことを言うから。

バスルームを掃除すると、15赤ポイントを獲得。そうでもなきゃ、絶対に掃除なんてしない。

これが「1日丸ごとゲーム化」計画の全貌。

ようは、ゲームでポイントを稼ぐように、生活の中での行動すべてに点数をつけ、それをすることでポイントを貯めていくのです。

日常をゲーム化して「暮らしを楽しく充実させる」

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Image: Gettyimages

毎日の生活で良い行動をすると報酬をもらえるこのシステムは、私が自分で作りました。

根底にある発想は、やりたくない雑事をきちんとこなしていくために、暮らしをインセンティブで一杯にしようというものです。

今のところ、このやり方はとてもうまくいっています。

生ビールを1杯飲むには、3赤ポイントが必要です。新しいシャツを買うために必要なポイント数は色によって違って、赤なら20、青は25、緑なら15という具合です。

目標は、ゲーミフィケーション(ゲーム化)で生活を楽しいものにすること

それに、やらなければいけないことをグズグズと先送りにする悪い癖を克服することも目標です。

この癖については、自己啓発書を山ほど読んだり、エンドレスに長いToDoリストを作ってみたりして努力を重ねてきましたが、まったく効果はありませんでした。

生活がゲーム化された今は、何か楽しいことをしたいと思えば、先に嫌なことを済ませなければなりません。まだ微調整の途中ですが、そのやり方を紹介しておきましょう。

1. したくない作業や行動をすべて明確に

同時に、やっていて楽しいこともリストアップしておきます。

例えば私の場合、ワイシャツのアイロンがけは大嫌いだけれど、おいしいコーヒーを飲むのは大好きという具合に。

2. さまざまな作業や行動にポイントを設定

このシステムをうまく整理するために、私は3つのポイントカテゴリーを作りました。

「健康作りや生活全般」に関わることは赤、「退屈だけれどやらざるを得ない義務」は青、「仕事関連の責任」は緑というふうに分けています。

このゲームでは、私は常に創意工夫を心がけています。

例えば、短時間のシャワーなら8赤ポイントを獲得できますが、シャワーを浴びるのにかかった時間によっては、ポイントがマイナスになります。シャワーが8分以上になると、それまでに貯めたポイントを失い始めるのです。

なぜなら私は、石鹸で体を洗っては流しながら、一生シャワーを浴び続けていたいと思うような人間だからです。

一方、起床後すぐにエクササイズをしたら、ポイントを倍にしています。そうすれば、その日一日の生産性がグッと高まるような気がするから。と、まあ、こんな感じです。

3. 適切と思える見返りやご褒美を用意します

絶えずポイントを貯め続けるためには、見返りやご褒美を、簡単に叶えられるものにするべきです。例えば、ビールを1杯飲む、洒落たレストランでディナーするなど。

4. あらゆることを記録に残す

これは思ったより簡単で、やってみると結構面白い作業です。

残念ながら、「暮らし丸ごとゲーム化」用のiPhoneアプリはまだ世の中に存在しませんが、表計算ソフトなどを使うとやりやすいでしょう。特に、私のようにポイントを色分けしている場合はおすすめです。

5. 必要に応じて、ポイントを見直す

どうしてもやりたくない雑用が誰にでもひとつはあるもので、それにたくさんのポイントを与えることは有益です。

鍵となるのは、「その作業をするのに気持ちの上でどれほどの努力が必要か」と、「結果として得られる見返りをどれだけ強く望んでいるか」の、現実的なバランスを取ることです。

私は以前、トイレに尿石がこびりついていたり気分が悪いほど汚れていたりしても、掃除をしたことがありませんでした。「そのうちしよう」といつも思っていたものです。

だから、トイレ掃除のポイントを15赤ポイントにしています。これは生ビール5杯分になります。まさしく、その価値にふさわしい換算と言えます。

6. 成功週間や記念賞を作る

このゲームでも、ほかのゲームと同様、強力な目標が必要。それは、ゲーミフィケーションに取り組みたくなる長期的なベンチマークです。

暮らしのゲーム化は多くの場合、一日にどれだけのポイントを獲得できるかというレベルで進むのですが、長期的には、さまざまな良い習慣を身につけたいわけです。

週1回はトイレ掃除をし、歯磨きの時にデンタルフロスを使うようになりたいのです。

私の場合は、最低週3回の運動を3カ月続けるというように、習慣にしたいことを長期目標にしています。長期目標を見事達成したあかつきには、週末に旅行するとか、バーニーズ・ニューヨーク(Barneys New York)で高級なジャケットを買うとか、より大きな褒美を手に入れられます。

目的は、良い習慣を身に付けること

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Image: Gettyimages

結局のところ私は、良い行動を日常生活に定着させ、大切な長期目標を追求したいわけです。

こうしたアイデアは、ゲーミフィケーションの専門家として世界トップクラスの人物である、Gabe Zichermann氏から学びました。

(実のところ、Zichermann氏のことを初めて聞いた時は、もともとマーケッターだったこともあり、「キザなサクラ」だろうと思ったのですが、実際には非常に誠意のある人のようです)

Zichermann氏は、ゲーミフィケーションをテーマにした、たくさんの魅力的なウェブ動画を制作しています。ゲーミフィケーションの基本的な考え方は、ゲームとは本来、人を惹きつける力があり、やりがいがあり、楽しいものだというものです。

ゲーム化は、インセンティブをうまく設定することで、良い行動習慣を促し、参加し続けたいと思わせるもの。それに、私はゲームに勝つことが大好きです。

自分の生活が『スーパーマリオブラザーズ3』のマリオのようになればいいと思っています。

私は先日、友人たちに「1週間丸ごとゲーム化生活」をしないかと持ちかけました。「1日丸ごと」と同じシステムで、誰が一番多くポイントを貯めるかを競うのです。

優勝者にはトロフィーらしき賞品を授与し、そしてもちろん、たくさんの生ビールも振る舞うつもりでした。

今のところ友人たちは、生活をゲーム化するなんて馬鹿げていると言って、挑戦を受けてはくれません。実は、挫折するのが怖いのでしょう。

習慣化できる人は、「1日丸ごとゲーム化」は不向き

ゲーミフィケーションが万人に向いているわけではありません。

つまり、きちんとデンタルフロスを使い、ホームフィットネス用DVDをスケジュール通りに消化し、キッチンの流しに汚れたままのお皿を山のように積んでおくことができないような人には必要ありません。

けれど、もしあなたが私と同じタイプで、簡単な目標を達成し損ねた経験があるなら、試してみてください。すぐに勝利を手にできることでしょう。

Alexander Kalamaroff(原文

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訳:藤原聡美、合原弘子/ガリレオ

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