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HOW I WORK

小さな締め切りで大量の仕事をさばく。ポッドキャスト「The Nod」の共同ホストが仕事で意識していることとは?

小さな締め切りで大量の仕事をさばく。ポッドキャスト「The Nod」の共同ホストが仕事で意識していることとは?

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。

今回はアフリカ系の人々の生活や文化に特化したポッドキャスト「The Nord」の共同ホストを務めるブリタニーさんとエリックさんの仕事術です。

Gimlet Media社傘下の「The Nod」は、アフリカ系アメリカンの文化と生活に特化した人気ポッドキャストで、ブリタニー・ルーズ(Brittany Luse)さんとエリック・エディングス(Eric Eddings)さんが共同ホストを務めています。

そんな2人にまとまった時間の取り方、激務中の自分の癒し方、エピソードを形にする編集会議について聞いてみました。

居住地:ニューヨーク市ブルックリン

現在の職業:「The Nod」の共同ホスト

仕事の仕方を一言で言うと:

エリック:管理された混沌

ブリタニー:心配性

現在の携帯端末:

エリック:iPhone 8

ブリタニー:iPhone 7

現在のPC:

エリック&ブリタニー:MacBook Pro

── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?

エリック:私はデジタルストラテジストとしてさまざまな業界で働いてきましたが、2014年に、ブリタニーと一緒に「For Colored Nerds」というポッドキャストをはじめました。

このポッドキャストは副業で、アフリカ系カルチャーの批評をする番組だったのですが、これがGimlet社のレーダーに引っかかりました。

私は同社の『Mogul: The Life & Death of Chris Lighty』と『Undone』という2つのショーに携わりました。2017年に、ブリタニーと私はGimlet社に「The Nord」を売り込みました。そして現在に至っています。

ブリタニー:私はハワード大学で映画の学士号を取得しました。

卒業したときは不況だったので、2、3年は文字通りできる仕事は何でもやり(市役所の仕事、高校のスポーツコーチ、公共テレビの記録係、子守、デパートで下着の販売)、特に理由もなくGMATを受けました。

2012年にニューヨークに移り、オートバイのディーラーとして1年間働いて解雇され、6カ月間無職で暮らした後、企業のマーケティング部で働き、2014年9月にエリックと一緒に「For Colored Nerds」という独立系ポッドキャストを副業として始めました。

2015年9月にマーケティングの仕事をやめてGimlet社に入社し、『Sampler』という番組のホストをしました。それも2016年に終わり、2017年にエリックと私はGimlet社に「The Nod」となった番組を売り込んで今に至っています。

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スタジオでシニアプロデューサーのSarah Abdurrahmanさんと一緒に
Photo: Gimlet Media

──最近の1日の流れを教えてください

ブリタニー&エリック:私たちのチームの日々は1日も同じ日はありませんが、たいていは、エピソードの脚本作成、トラッキングの録音(たとえばナレーションです)、ちょっとした修正やリトラックと呼ばれる明確化、インタビュー、リサーチ、テープカット、宣伝文の執筆、編集会議のどれかをしています。

私たちのエピソードをおいしいバーガーにたとえるなら、編集はスペシャルソースであり、エピソードに息を吹き込むのが編集会議です。編集会議では、チーム全員が同じ部屋に着席して、次のエピソードの主任プロデューサーが最新版のドラフトを発表します。

発表中は、全員座って熱心にメモをとり、発表が終わると変更すべき点を書いたメモを共有して、エピソードを徐々に完成させていきます。

会議では、手厳しくて自己主張が強くなることもありますが、これは、私たちの仕事がみんなの努力で成立している証です。

編集会議のおかげで番組が良くなるだけでなく、私たちもより良いプロデューサーやホストなれるのです。

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

ブリタニー:アプリに関しては、実用性とミニマリズムを大事にしています。Instagramは楽しいのでよく使います。長文の記事を読むときはPocketを使いますが、Twitterは不安をかきたてるもとです。

iPhoneのNotesアプリで思ったことや気持ちを全部記録しています。そうそう、Google Calendarは大好きです!目をつぶるたびにGoogle Calendarの週間ページが目に浮かぶのですが、そういう自分が気に入っています。

仕事でないときはペンと紙でリストを作りますが、仕事ではMacBook Notesアプリにすべてをタイプして入力しています。私の手書きはとても汚くてわかりにくいので、仕事に必要な速度で手書きしなければならないとしたら、時間の無駄に終わります。

エリック:私はアプリが好きです。ごく最近、Notesで私の生活が変わりました。

以前はEvernoteを使っていましたが、最近変更されたせいで、もう使いたくなくなりました。 今は、エピソードのアイデアや編集会議のメモ、ToDoリストなどはApple noteに入れていて、うまくいっています。あとは、Googleスプレッドシートに夢中です。スプレッドシートで解決できない問題はありません。

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ブリタニーさんのPCスクリーン
Imaget: Brittany Luce

── 仕事場はどんな感じですか?

ブリタニー:人間工学に基づいたものばかり置いてあります。ラップトップスタンド、専用スタンドが付いた2つ目のモニター、ワイヤレスキーボードとマウス、あと、私は足が短いので、フットレストがあります。椅子を正しい高さに調整してもらうと、足が床に届かないので、このセットアップでないと、右肩が痛くなります。

エリック:私の仕事場を一言で表すと、「管理された乱雑+流行のヘッドフォン」です。

── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?

ブリタニー:会議以外の時間は、テープカット、脚本作成、概念化、出典確認などの実務のために取っておくようにしています。毎週金曜日の午後5時ごろ、翌週のスケジュールを見て、スケジュールのすべての隙間に「予定を入れないこと」と書きつけます。

こうしておけば、不必要なミーティングを私のスケジュールに入れないように皆でよく考えてくれるので、私は時間とエネルギーの管理がしやすくなります。

エリック:どんな状況でもマルチタスクをしようとは思いません。私の場合、1度に2つのことをしようとすると、すぐ気が散ってしまい、両方ともうまくいきません。作業をするときは、1つに集中するようにしています。

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エリックさんのPCスクリーン
Image: Eric Eddings

──仕事場で採用しているプロセスで、興味深いもの、珍しいもの、こだわりがあるものがあれば教えてください

ブリタニー:私の場合、午後3時以降は、脚本書きやインタビューテープのカットがうまくできなくなるので、大きな締切や仕事があるときも無理はしません。

その代わり、細かい締切をたくさん作り、午前中にまとまった時間を取って自宅で文章を書いたり、テープのカットをすることにしています。私は朝起きたばかりのときが一番頭がすっきりしているので、仕事が苦しみでなく喜びに感じられます。朝は5時か6時に起きて、何か少し食べ、10時か11時ごろまでみっちり仕事をしていると、その日最初の会議に向かう時間になります。

あと、締切が厳しいときは、それに打ち込むことがベストだとわかりました。締切がある週は、普段より外食を増やし、タクシーをよく使い、ジムも行きません。以前はルーティンができなくなることが怖かったのですが、今はそれも受け入れています。たとえ何日か髪がボサボサになっても、締切は守ります。

── どんな人たちからどのように仕事を助けてもらっていますか?

ブリタニー&エリック:私たちのショーはギムレット社の誰が欠けても成立しませんが、何といっても私たちのすてきなチームに一番お世話になっています。

チームメンバーはシニアプロデューサーのSarah Abdurrahmanさん、エディターのEmanuele BerryさんとJorge Justさん、プロデューサーのKate Parkinson-MorganさんとWallace Mackさんです。

インタビューの制作やカット、ゲストの予約、Pro Toolsのセッションの組立、ストーリー構造のチェック、脚本執筆、ナレーションの録音と音声確認、ニュースレター執筆、スコアリングの音楽選択、「The Nod」のソーシャルメディアの管理と、たくさんのことをしてくれています。

エンジニアのCedric Wilsonさんは独りでショーのミキシングと奥行きのある洗練されたサウンドの制作を担当しています。

これほど、頭が良くて、親切で、仕事熱心で、楽しい人たちと働けるのは幸せです。

──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?

ブリタニー:私はMacBook Notesアプリを使って自分が出席するすべての会議の議事録を取り、チェックリスト機能で毎日のToDoリストを管理しています。

自分のタスクを全部タイプ別に分けて、優先順位を決め、それぞれにどれくらいの時間をかけるか決めてから、作業を始めます。あと、そうしたタスクはミーティングの合間に入れます。毎日ToDoリストから済んだタスクを消すと、大いに満足します。

エリック:私は頭がとても散らかっているので、やるべきことや会議がたくさんあると、すぐに気が散ってしまいます。

ですから、普段は、「どうしても完了しなければならない」ほんの少数のタスクに集中するようにしています。その合間に、たくさんの小さなタスクが頭をよぎり、ふと気持ちがそちらに向くこともあります。完ぺきとは程遠いやり方をしています。

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アソシエイトエディターのEmanuele Berryさんと仕事中
Image: Gimlet Media

──どのように充電したり休憩していますか?

ブリタニー:散歩をしたり両親に電話したりします。両親はリタイアしていて、おそらく私の電話に飽き飽きしていると思います。あとは、バスルームにこもってInstagramをスクロールします。今は私のヘアスタイリストのIlleisha Lussianoさん(@thehairartiste)とライフスタイルアカウントの@blackgirlinomと@@brownkidsを熱心にフォローしています。Amazonで買い物することも本当に楽しいと思います。液体ハンドソープ3パックセットを購入すると、気分がスカッとします。

エリック:私も散歩を楽しんだり、テレビを見るみたいに座ってじっくりInstagramのストーリーを見ます。

それから、テレビと映画も山ほど見ます。話の筋がわからなくなっても、見終わると、素敵なアイデアが湧いて試してみたくなったり、調べてみたい新しいトピックが浮かびます。

最後に、3歳の我が子と出かけることが何よりもワクワクします。身体はいつもすごく疲れていますが、楽しむことだけしか頭にない人と遊んでいると、その日の疲れもすぐに吹っ飛びます。

──仕事の合間に何をするのが好きですか?

ブリタニー:今は特にサイドプロジェクトはありません。

昨年の夏に「For Colored Nerds」は休止して、週末が3年ぶりにまた戻ってきたので、週末を楽しんでいます。今、私が仕事以外にコミットしていることは、赤ちゃんの姪と外出することと料理本を見て自分のやり方で料理をすることだけです。

エリック:私もサイドプロジェクトはありません。でも、植物の世話、自宅の装飾、ヨガなどずっと馬鹿げていると思っていた趣味に挑戦中で、とても楽しんでいます。自分が慣れている楽な領域から踏み出すのはすばらしいことです。骨盤の高さがこれほどそろったことはありません。

──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?

ブリタニー:私は仕事で文章をたくさん読まなければならないので、仕事をしていないときは、主に料理本か『Bon Appetit』誌(唯一購読している雑誌です。テストキッチンに招待してください!)を読んでいます。

それ以外は、Jesmyn Ward 著『Sing, Unburied, Sing』とMichael Arcenaux著『I Can’t Date Jesus』を読んでいます。

エリック:私は本よりも記事をたくさん読む傾向があり、長文のニュース記事を読むことが楽しくてたまりません。Longreadsは私の好きなサイトの1つです。幅広いキュレーションがすばらしくて、いつも夢中になれる新しいライターが見つかります。

それから、テレビや映画の批評を読むことも大好きです。テレビのライターで気に入っているのは、Angelica Jade Bastiénさん、Alanna Bennettさん、Alan Sepinwallさん、Ali Barthwellさんです。

──今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

ブリタニー:CurlBox社のCEO兼創業者のMyleik Teeleさんです。何をしても優れていて、正直で楽しい人です。仕事以外に私生活を維持する努力をしています。最近子供が生まれてママになりました。

エリック:『Good Place』、『Parks and Rec』、『Brooklyn Nine-Nine』を制作したテレビプロデューサーのMike Schurさんです。私が好きなタイプのユーモアを彼ほど正確に表現でいる人はいません。彼のプロセスを全部取り入れたいです。

──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

ブリタニー:仕事をするときは、「一旦停止チェック」ルールに従うこと。

お腹がすいているとき、腹が立っているとき、寂しいとき、疲れているときは、発言も行動もしないようにしましょう。先々に影響があることや永続的なこと、重要なことは決定しないことです。

急いで自己評価を下して行動する前に、自分のニーズのどれを満たすことができるか把握しましょう。「Nancy」というポッドキャストのKathy Tuさんは、「ポッドキャストほど緊急性がないものはない」といつも言っています。ですから、自分自身に休憩と最高の仕事をする機会を与えてください。

エリック:「低姿勢を維持して着々と築きなさい」です。この数年ポッドキャストに携わって、ものすごい量のポジティブな変化を体験しました。

でも、「目の前のエピソードにだけ集中して良いものにしたら、次のエピソードに移る」を繰り返してきただけです。

おかげで私も器用になりましたし、先のことにあまり気を取られず、目の前の「今」に意識を集中せざるを得ませんでした。来週も聴衆に戻ってきてもらいたいなら、1つ1つのエピソードを大事にしなければいけないからです。

──改善しようとしていることはありますか

ブリタニー:私はリラックスして楽しむ時間を持つことや、何もしないで過ごすことがヘタです。ほとんどの日のほとんどの時間は何らかの活動をしています。休憩する習慣を身に着けるのは難しいのですが、心がけています。

エリック:私は整理整頓が得意ですが、育児、仕事、社会生活を抱えているので時間管理のスキルを磨く必要があります。さまざまな方法を試していますが、いったん物事がうまく運ばなくなると、すべて崩壊します。いつか、時間管理が上手になりたいものです。

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Source: Gimlet(1, 2, 3, 4), Instagram(1, 2, 3), Amazon(1, 2), Long Reads, Curl Box, Nancy

Nick Douglas – Lifehacker US[原文

訳:春野ユリ

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