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10人に1人が経験する「父親の産後うつ」。 5つの初期症状と対策

10人に1人が経験する「父親の産後うつ」。 5つの初期症状と対策
Image: Jim Cooke/Lifehacker US

マット・ヴィラノ氏は3児の父。

カリフォルニア州ソノマに住む、42歳のフリーランスライターです。3人目が生まれたとき、3児の母となった妻の気持ちをサポートしながら、自身のキャリアを維持するのに苦しみました。

まともに息をすることもできず、「まるで水中にいるかのよう」な状況だったそうです。

何もかもが、上下逆さまに感じられました。

友人にヘルプを求めましたが、なしのつぶて。

みんな口をそろえて、「3人だって? 大変に決まってるじゃないか。何を考えてたんだ?」と言うんです。

マットさんのような状態は、実はそんなに珍しいことではありません。

女性の産後うつへの認知は高まっているものの、男性も同様の心理状態になりうることは、あまり知られていないのが現状です。

ところが、シカゴのノースウェスタン大学フェインバーグ医学院で心理行動科学を研究するSheehan David Fisher助教によると、父親の10人に1人が産後うつを経験しているという研究結果があるのだそう。

同様に、不安障害になりやすいことも報告されています。

でも、そうした父親の大半は、声を上げようとしません。打ち明けるのが恥ずかしい、自分のことより妻子に集中しなければと思っている、正しい助けを得られれば救われることを知らないなど、理由はさまざまでしょう。

そこでこの記事では、1人目にせよ5人目にせよ、父親になったという事実に心が追いつかない人がすべきことを紹介します。

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産後うつの症状を知る

通常のうつや不安障害と同様の症状が現れます。

ただし男性の場合、

  1. 攻撃的になる
  2. 感情の起伏が激しくなる
  3. ストレス解消のために薬や酒に走る
  4. 家や職場でかんしゃくを起こす

などの症状が出ることもあります。

このような方法でストレスや苦悩を表現することは、「男性のほうが社会的に受け入れられやすいのではないか」とFisher助教は言います。

ヴィラノ氏の場合、「自分で何もコントロールできない」感覚に陥ったそう。

毎朝4時に、意味もなく目が覚めるんです。自分のことなのに自分でコントロールできないという、無力感を感じました。

病気とよべるほどの障害かどうかを判断するには、その症状が日常のルーティンにどれだけ影響しているかを考えてみてください。

バージニア州ノーフォークのオールドドミニオン大学で心理学を研究するJames Paulson准教授は、判断基準をこう述べています。

気分が大きく落ち込む、かつて楽しかったことに関心を持てない、自分自身として機能できないほどの変化があるなどの状態が2週間以上続くなら、医師に診てもらったほうがいいかもしれません。

また、Fisher助教は、「父親のほうが発現が遅い」ことも知っておくといいと言います。父親がうつや不安障害を発現するのは、母親よりも遅い産後3から6カ月が多いと言われています。

子どもが5歳になるまでの期間は父親がうつになりやすいとする研究もあるようです。

産後うつの原因を知る

産後うつの原因はいたってシンプル。子を持つことにはストレスが多いからです。ヴィラノ氏は言います。

父親たちの世界は、思いもよらぬ方向へと変化していきます。

睡眠不足(睡眠不足は不安のリスクを高めます)、ベビーの世話をするための生活の変化、金銭面のストレス、仕事と子育てのバランス、ホルモンの変化(暫定的な研究によると、子どもが生まれたあとの男性はテストステロンが減少します)などなど、父親も母親と同様の経験をするのです。

Paulson准教授は言います。

そう考えると、父親が母親と同様の産後うつになることもうなずけます。

不名誉な気持ちを乗り越える

Paulson准教授は言います。不名誉な気持ちを感じているなら、気分障害は決して弱さのサインではないと自分に言い聞かせてください。

非常に強くて成功している人だって、うつになることがあります。つまり、うつは誰にでも起こることであり、自分ではどうすることもできないのです。ヴィラノ氏が回復できた理由の1つは、「誰にでも起こること」と受け入れられたから。そう、あなたはスーパーマンではないのです。

助けを求める

最近では、父親の産後うつに関する情報も増えてきました。

まずは、「Postpartum Support International」や「Postpartummen」あたりがおすすめです(英語)。さらにPaulson准教授は、かかりつけ医への相談もすすめています。

うつや不安障害はとても一般的な症状なので、かかりつけ医が最適な治療法を紹介してくれるでしょう。うつが問題であることを認識できたら、治療法はたくさんあるのです。

そして、それらの治療の大半は一時的なもの。何年も続くことはありません。

研究が進んでいる治療法の1つに、認知行動療法(CBT)があります。

行動を変えることで感情に影響を与えるという方法で、10週間、12週間、または16週間単位で行なわれるのが一般的です。

もう1つ、実績のある治療法として、「interpesonal talk therapy」があります。Paulson准教授によると、「人間関係そのものと人間関係の中での自分の見え方を管理する」ことを重視した内容だそう。

また、抗うつ剤も効果的です。

これらの治療の成功率は、60~80%。つまり、回復できる確率は非常に高いのです。

うつから完全に抜けられなくても、制御できているという感覚を持つことができます。

ある程度の症状が残っても、どう対応すべきかがわかるようになります。つまり、「自分ではどうすることもできない何か」を感じることはなくなるでしょう。

まずは自分のケアから

多くの父親が、「自分が落ち込んでいる場合じゃない。家族のことをケアしなければ」と考えてしまいます。

でも、家族をケアするには、まずは自分のケアが必要。「自分のことはあと回し」ではなく、子どもやパートナーのためにも、自分を大切にしてください。

うつを放置すると、父母のどちらか(あるいは両方)がパートナーと衝突しやすくなり、子どもの健康状態にも悪影響を及ぼします。

親との絆が弱まることで、のちの人生で気分障害になるリスクが高まるばかりか、認知能力が低下するともいわれています。Fisher助教は言います。

片親、あるいは両親が病気だと、家族全員に影響します。

ですから、自分のケアは家族のケアと同義。やらない理由はありません。

この時期のストレスを解消する方法はいくつかあります。何よりも重要なのが、十分な睡眠をとること。

夜のシフトを組んで、パートナーと交代でまとめて3時間は眠れるようにしましょう。3時間まとめて寝れば、多少の回復効果が期待できます。

必要であれば、当番でないときはベビーと別の部屋で寝るのがいいかもしれません。

また、身体を動かすことも、うつや不安の症状軽減に役立ちます。ジムに行く時間がなければ、ときどき散歩に出かけたり、お昼寝中に軽い運動をしたりしましょう。

一息つける方法を見つけよう

Fisher助教によると、自分をケアするためには「自分にとっていちばんコスパのいい方法は?」と自問するのがいいそうです。

あなたにとって、短い時間で、何の責任もなく、ひと息つける方法は何ですか? 楽しいことをする、スピリチュアルな行動や宗教的な行動をする、30分公園に行く、アイスを食べるなど、方法はひとそれぞれだと思います。

「一貫した療法」でうつから回復できたというVillano氏は、自身のセルフケアについてこう述べています。

毎朝、1日の始まりに、自分を落ち着かせる時間を取っています。深呼吸をして、異常な精神状態になりそうな自分をしずめるのです。

ストレスを感じるときは、娘と妻に少し時間がほしいと伝え、部屋を出ます。そして、じっくりと座って、深呼吸をします。

3年弱の練習を積んだ結果、1回の深呼吸で落ち着きを取り戻せるようになりました。

子育てブログ『Man vs. Baby』ブロガー、マット・コインさんの子育てハック

Image: Jim Cooke/Lifehacker US

Source: Postpartum Support International, Postpartummen

Kate Rope - Lifehacker US[原文

訳: 堀込泰三

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