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「話し方」で得する人になるために、覚えておきたい3つのこと

「話し方」で得する人になるために、覚えておきたい3つのこと
Photo: 印南敦史

人間関係は、お互いの相性や立場、年齢・性別によって「うまくいくかどうか」が決まるように思われがち。しかし、そうではなく「話し方」で人間関係はよくも悪くもなるもの。

見た目や社会的な立場などがまったく同じでも、「話し方」が違うだけで人生は大きく変わる。

そう主張するのは、『話し方で損する人 得する人』(五百田達成著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者です。「話し方のプロ」「コミュニケーションのプロ」として執筆や講演を行なっている心理カウンセラーですが、以前は話すことがとても苦手だったのだとか。

しかし大学生時代に話し方が課題だと気づいて以来、意識的にコミュニケーションの訓練を重ね、「こういうのがウケるのか」「こういうのは嫌がられるのだな」と検証しながら場数を踏んでいったのだそうです。

その結果、やがて少しずつ成功体験が増えていき、自信がつき、カウンセラーを志すようになってからは、さらに話し方について学ぶことに。つまり、そうした積み重ねが、現在の立場を形成することになったということ。そして本書は、そんな経験を軸とした「得する話し方」の決定版なのだといいます。

そもそも話し方が苦手だったぼくが、あらゆる失敗を繰り返し、経験を重ねて、身につけてきたノウハウを詰め込んでいます。

同じ数秒でも「どう話すか」によって人生は天国にも地獄にもなります。 言葉を制するものは人生を制するのです。 (「はじめに」より)

第3章「職場・ビジネス編」のなかから、いくつかを抜き出してみることにしましょう。プライベートと仕事では、適切な話し方は異なるもの。面倒でも、プライベートはプライベート、仕事は仕事、と話し方を切り替えるべきだという考え方に基づいた章です。

得する人は具体的に話す

損する人:あいまいに話す

得する人:具体的に話す

プライベートでは、空気を読んだり、共感するなど、いわば「あいまいに」話すことも有効。しかし仕事の場において、あいまいなコミュニケーションをしたのでは損をすることになります。

「得する話し方」の基本は、きちんとはっきりと、具体的に話すこと。

たとえば、こんな会話はどうでしょうか?

「予算については、どのように考えておけばよいでしょうか?」

「まあ、それはゆくゆくご相談しながらということで」

「次回の会合はどうしましょうか?」

「それはまた追ってメールで調整しましょうかね」

「はあ…そうですか」

「じゃあ、そういう感じでひとつよろしくお願いします」

「…(そういう感じって何? なんにも決まってないんですけど)」

(137ページより)

話があまりにあいまいすぎて、ちっとも物事が進んでいません。「のちほどメールで」「ゆくゆくご相談しながら」「持ち帰って検討」ばかりでなにも決めていかないということで、これは損な話し方。

他にも、「例の件、うまいことやっといてよ。よろしくね」といった丸投げな指示や、仕事のメールの末尾がいつも「よろしくお願いします」だけで、具体的な依頼がない人も困りもの。

「確認のうえ、ご連絡ください」「○日までにお返事をいただければ幸いです」などの具体的な依頼がないと、なにをしたらいいのかがわからず戸惑うことになってしまうわけです。

一方、「得する話し方」は、具体的に話すことだといいます。そして、そのために大切なのは「とりあえず決める」習慣をつけること。

たとえば「あとで変更があるかもしれませんが」と断ったうえで、「次回は○日にしましょう」というクセをつけるといいわけです。

また、「○月×日までに」「○個用意してください」「予算は○円でお願いします」など、きちんと「数字」を交えて話すと具体的な印象を与えることができるそうです。

するとその結果、「仕事ができる人」と思われて「得」をするということ。ビジネスにおいて「数字のない話」はあいまいになりがちなので、数字を出し、具体的に話すべきだということです。

ポイント:具体的に話すと、仕事がスムーズに進む

(136ページより)

得する人は逐一報告をする

損する人:自分で考えず、細かな指示をあおぐ

得する人:自分で考えて、逐一報告をする

「仕事のコミュニケーションは具体的に」といっても、やたらと細かく具体的な指示を求めてしまう人は「損する人」。いわゆる「指示待ち人間」だということです。

たとえば「議事録をまとめておいて」と言われても、「どんなふうにまとめたらいいですか?」と聞くなどがいい例です。

そんなとき、頼んだ側としては、「そんなこと、自分で判断してくれよ…」と思うしかありません。

しかし、かといって「勝手に動けばいい」とも限らないのが難しいところでもあります。よかれと思って自分で判断したのに、「そんなこと聞いてないぞ」「言ったことと全然違うぞ」などと、イライラされてしまうこともあるからです。

そこで有効なのが、勝手に動くのではなく「案を考えて提案する」こと。

「○○の件、こうしようと思うんですがどうでしょうか?」と、勝手に動くわけでもなく、ひたすら指示を待つだけでもなく、自分の頭で考え、案を出すことが大切だということ。ちなみにこの場合の案は、いくつもあれば理想的。

「じゃあAの方向でやってみて」「ここだけは修正しておいて」と返答できるので、上司や関係者も楽だからです。それに、なにより「この人はやる気があるな」と思われ、評価が上がることにもなるでしょう。つまり、「得」をするわけです。

細かな指示は求めず、そのかわり、細かく報告をするというのも「得」をする話し方。

「○○の件ですが、こんな感じで進んでます」

「予算の件ですが、先方からのお返事待ちで、明日までにご報告します」

など、逐一メールや口頭で耳に入れて共有しておくということ。この手段の目的のひとつは、ビジネスパーソンとしての責任回避

あとでトラブルになっても、共有をしておけば「俺は聞いてない」と言われることはなく、少なくとも自分だけの責任にはならないということ。

そしてもうひとつは、体調不良などで休んでも仕事がきちんと進むようにするため。いつなにがあっても大丈夫なように、すべての情報を共有することが、チームで働く際の必須条件だということです。

細かな指示がないと動けないというのは、まさに「受け身」であり「消極的」。そういう人をまわりが評価するはずもないので、自ら考え、案を提示し、進捗を逐一報告するべき。それこそが得をするコミュニケーションなのだと著者は言います。

ポイント:提案・報告・共有で、評価が上がる

(140ページより)

得する人は連絡が早い

損する人:連絡が遅い

得する人:連絡が早くてマメ

もしも連絡が早い人であるなら、「得」をしている。逆に連絡が遅い、返すべきメールが溜まっているなら「損」をしている。著者はそう断言しています。

ビジネスの世界では、連絡が早いだけでデキる人になれます。たったこれだけです。

「お打ち合わせをお願いできませんか?」とメールを送ると、5分後に「○月×日はどうでしょうか?と返信が来る。

「お振込みの件ですが…」とメールを送ると、5分後に「いま上長に決済をお願いしています」と返信が来る。

こういう人は、まわりの人も気持ちよく仕事を進めることができます。 (153ページより)

現実的には、「なにも決まらないうちに返信なんかできない」ということもあるはず。しかしそういうときでも、「現時点の状況」を確認するだけで相手の印象は180度変わるもの。

「いま検討しています」「○日までに正式なお返事をいたします」「上長に確認中です」など、「いまどうなっているのか」を共有するだけで、できる人にぐっと近づくというのです。

「常にマメに連絡をする」「進捗を共有する」、それが得するコミュニケーションだという考え方。だからこそ、まずはすぐにメールをすることがトラブル回避のうえでとても重要だといいます。

自分にとって都合がよくても悪くても、連絡はきちんとしないと「得」はできないもの。むしろ、都合が悪いときほど返信は早くするべき。

なぜなら、返信を遅らせて状況が悪くなることはあっても、よくなることはまずないから。「ああ、返信しにくいな」と感じてしまうメールほど、すぐにでも出す必要があるということです。

先方にとってマイナスなことがあったとします。たとえばなにかを断るときにも、期限ギリギリまでひっぱってから断ると、相手のダメージもより大きくなります。それば、人づきあいにおいて「損」となります。

とにかく連絡は早く、マメに。それこそが、得するコミュニケーションだと肝に命じておくべき。著者はそう強調しています。

ポイント:連絡さえしておけば、相手は安心する

(152ページより)




このように、「損する人」と「得する人」を比較しながら話が進められるため、とてもわかりやすい内容。話し方に自信が持てない人は、手に取ってみてはいかがでしょうか。


Photo: 印南敦史

印南敦史

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