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休みの前日、「超一流」の人が仕事をあえて残して帰るのはなぜ?

休みの前日、「超一流」の人が仕事をあえて残して帰るのはなぜ?

もともと、日本人の多くは「休み下手」。真面目で勤勉といえば聞こえはいいものの、何事にも一生懸命になりすぎて、上手に肩の力を抜く方法がわかっていない。

日本人の「休み方」について、『超一流、二流、三流の休み方』(新井直之著、あさ出版)の著者はこのように指摘しています。日本で執事サービスを行う会社を経営し、執事として仕事をしてきた人物。

これまでに多くの「大富豪」と呼ばれる人々の身の回りのサポートをし、それ以前には会社員として多くのビジネスパーソンと関わってきたのだそうです。

そうして関わってきたすべての人々を見たとき、私は“あること”に気づきました。それは大半の日本人が休めているようで、じつは効果的に休めていないということです。むしろ、休み返上で仕事をするため、リフレッシュができず、コンディションが最悪な状態になっているのです。(「はじめに」より)

思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そもそも休みとは、心身の疲れを取り、コンディションを整え、パフォーマンスをあげる行為。

ビジネスパーソンにとっては、仕事の成果を上げるために日ごろの疲れを取り、心身の調子を整え、休み明けにいいスタートダッシュを切るための準備だといえるはずです。

だとすれば、「休日はボーッと寝て過ごす」「休み明けはいつも寝不足」「休んでいるのに疲れが抜けない」などのよくあるケースは、「間違った休み方」だということになります。

一方、大富豪と呼ばれる一握りの成功者たちを傍で見てきた結果、彼らの休み方のうまさに気づいたのだと著者は言います。

成功者たちは、心身の疲れが取れてコンディションが整い、パフォーマンスを発揮できるような質の高い休息を心得ているというのです。

そこで本書では、大富豪と呼ばれる成功者を「超一流」、仕事ができる人を「二流」、ごく一般的な方を「三流」としたうえで、休み方や体調管理などの違いを比較検証しているのです。

きょうは第1章「仕事編」から、いくつかの休み方を抜き出してみたいと思います。

休日の過ごし方

三 流:ダラダラ寝て過ごす

二 流:散歩や趣味を楽しむ

超一流:仕事の下準備をする

忙しい毎日を乗り切るには、休日の過ごし方が重要。ただし、過ごし方を一歩間違えると逆効果にもなりかねないといいます。

もっとも避けたい休み方は、一日中寝て過ごすこと。もちろん体調を崩しているときは横になってしっかり休むべきですが、健康な人が土日をダラダラと寝て過ごすのは、体のためにならないということです。

なぜなら、ふたたび仕事モードに切り替えるのにも苦労することになってしまうから。日曜日の夜に「また明日も仕事か…」と憂鬱になってしまうのも、平日と休日の過ごし方のギャップが大きすぎるせいかもしれません。

一方、散歩に出たり、趣味を楽しもうという人もいることでしょう。仕事のことは隅に置き、楽しいひとときを過ごすことによって気分をリセットしようとするわけです。

こうした休み方も悪くはないものの、一度仕事モードをオフにしてしまうと、ふたたび仕事モードに切り替える際に時間が必要。そのため、最善と呼ぶには至らないといいます。

では、超一流はどんな休み方をしているのでしょうか? 著者によれば彼らは、仕事モードを完全オフにせず、仕事の下準備を行うのだそうです。

たとえば息抜きを兼ねて仕事用の靴やバッグを買いに行ったり、下見がてら、会食で使おうと思っていた店へ食事をしに行くなど。

仕事用のアイテムも、必要に駆られて買いに行くより、余裕のある日にのんびりと見て回るほうが楽しいはず。買い物の最中には仕事のことも考えられるので、ストレスを感じることなく、仕事モードを保つことができるというわけです。

私がお伝えする成功者のみなさんも例外なく完全に休んでいる人はいません。仕事の準備に休日を使っています。 F1レースでたとえれば、ピットインをしている状態です。

ピットアウトしたときに全力で仕事ができるように、仕事のスーツやアイテムを買いそろえたり、交換したりするのです。そして休日明けに全速力で仕事に戻っていくのです。(22ページより)

休日とは、仕事の疲れをとる休息日であると同時に、次の仕事に向けた助走期間でもあると著者。週明けから勢いよくスタートダッシュを切れるように、超一流は常に準備を怠らないということです。(20ページより)

小休憩を撮るタイミング

三 流:気分で決める

二 流:時間で決める

超一流:区切りで決める

人間の集中力は永遠に続くわけではありません。そのため、限られた時間のなかでより効率的に仕事を進めていくためには、適度に「小休憩」を取っていくことが大切。

ところが大半の方は、漠然と「休憩さえ取れば…」と考えているものだそう。なんとなく気が向いたときに、コーヒーを淹れたり、外の空気を吸いに行ったりして効率がアップすると考えているということです。

しかし仕事の合間にダラダラと休憩をはさんでも、あまり効果はないと著者は言います。小休憩と仕事を漫然と繰り返すだけでは、一時的な気分転換はできても、仕事の効率アップやパフォーマンスの向上にはつながらないのです。

一方、二流はもう少し計画的に休憩を取るもの。「昼休みは決まった時間に必ず確保する」「15時には甘いものを口にする」「90分間働いたら10分休む」「午後は15分昼寝をする」など、いろいろな方法を実践しているということ。

ただし機械的に時間で区切ってしまうと、単に作業を中断させただけになりかねません。せっかくエンジンがかかったのに、わざわざブレーキをかけてしまうようなものなので、非効率だということ。

ましてや仕事も完了していないので、精神的にもモヤモヤした状態で休憩の効果は半減してしまうわけです。

その点、「仕事の区切りがつく=休み」と考えるのが超一流。漫然と仕事に取りかかり、ダラダラと続けるようなことはしないわけです。「伝票整理は14時までに済ませる」「企画書を午前中に完成させる」など、自分で期限を決めるというのです。

仕事の予定を組んだら、その時刻にアラームを鳴らすなどして締め切りを厳守するため、気持ちを切り替えて休みに入ることができるそうです。

仕事とは、限られた時間のなかで前に進めていくもの。 超一流は、そのことをよくご存知です。締切があると、プレッシャーを感じるかもしれませんが、「完成するまでがんばる」「完璧にするまで続ける」などと言っていたら、いつまでも休みは取れないでしょう。(38ページより)

「クリエイティブな作業を行うときは時間に縛られずに取り組んだほうがいい」という人もいますが、著者は、「時間があればもっといいものができる」という考え方は幻想だと断言しています。なぜなら先にも触れたとおり、人間の集中力はそれほど長く続かないから。

期限を区切ることによって、高い集中力で仕事を目に進められる。 仕事の区切りがついているので、精神的にもスッキリと休める。

つまり締切を設けるとは、仕事の質も休憩の質も高めてくれる、一挙両得の方法なのだと著者は考えているそうです。(36ページより)

休みの日の前日

三 流:仕事を放置して帰る

二 流:仕事を終わらせて帰る

超一流:仕事をあえて残して帰る

休みの日の前日となると、心も軽くなるもの。「ようやく明日は休める!」と思えば開放感は高まりますし、就業時間が過ぎたら、仕事の量に関係なく、早々に会社を出てしまう人もいるかもしれません。

しかし著者によれば、後先を考えずに休もうとするのが三流で、その日にやるべき仕事を終わらせて休もうとするのが二流。

では、超一流はどうするのかといえば、彼らは仕事をあえて残して帰るのだそうです。

パソコンの電源が一度落ちると、再起動には時間がかかります。それと同じで、人も休みに入るとふたたび仕事モードに切り替わるまでに時間がかかるもの。

そのため超一流は「休み用の仕事」を用意し、完全オフの受胎をつくらないようにするのだそうです。つまり、休み明けからスタートダッシュが切れるようにするわけです。

「休日にわざわざ仕事をするのであれば、休日の意味がないのでは?」と感じても不思議はありませんし、たしかにこれではリフレッシュどころか休日出勤と同じ。

ただし、超一流が取り組むのは、“普段”と違う仕事なのだそうです。

仕事には「こなす仕事」と「思案する仕事」の2つがあります。 「こなす仕事」とは、期間内に確実にアウトプットしなければいけない仕事です。伝票整理、レポートの作成、顧客訪問など、日常的に取り組んでいる仕事の9割は「こなす仕事」といえます。

一方で、「思案する仕事」とは、時間に関係なく徹底的に考え抜かなくてはいけない仕事です。事業の進退、人事異動など、緊急度は高くないけれど、今後の命運を左右する重要な課題は、多角的に検証する必要があります。(50ページより)

「思案する仕事」は休日に考えたほうが、普段とは違う視点で物事を見つめなおせるので効果的。

休日をそういった仕事にあてることで、重要な課題を後回しにせず、着実に前に進められるという考え方。しかも、他に先んじて手を打つことができるわけです。(48ページより)




時間を顧みず、遅くまで残業して成果を出すというような働き方は、もはや昔のもの。これからの時代は、「生産性」「効率化」がカギとなると著者は主張しています。そのためには、どのように働くかということ以上に、どのように休むかを突き詰めていかなくてはならないというのです。

そのためにも、「疲れをためないように休みを取り、コンディションを万全に整え、いかにパフォーマンスを発揮するか」を、本書から学んでおきたいところです。


Photo: 印南敦史

印南敦史

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