世間話の意義を知れば、自分から話しかけることが苦じゃなくなる
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世間話で失敗することは多いです。ほとんどの人が、天気の話をすることが大事だと思い込みすぎているように思います。
世間話を薄っぺらで退屈だと感じることがあるのは事実ですが、大事な目的を果たしてくれるものです。だからこそ、誰もがうまく世間話をする方法を学んだ方がいいです。
アメリカ人は世間話が下手?
ニューヨーク・タイムズ紙の最近のオピニオン記事で、アイルランド人ライターのMaeve Higginsさんが、アメリカ人、特にニューヨーカーは世間話がひどく下手だと言っていました。自分の思っていることを正確に表に出すからです。
Higginsさんが母国アイルランドで電車に乗っている時にした、ビスケットに関する世間話を引き合いに出し、世間話の隠れたメッセージを教えていました。
一見、意味がないように思える会話を交わすことで、リラックスすることができます。昼下がりに隣り合わせに座った人は危険ではありません。
政治学者であり作家でもあるLaura Seayさんは、これに対してTwitterで、世間話が大事だというのは認めるけれど、アメリカ人が世間話が下手だとは思わない、少なくとも南部の人間はそうではないと反論しました。
そして、Seayさんが世間話の話題として選んでいるものの頭文字「F.I.R.E.(ファイヤー)」を紹介しました。
Southern Americans are not terrible at small talk. We literally train our young in making it. Y’all need to get off the coasts more. https://t.co/eXnnwS4KzY
— Laura Seay (@texasinafrica) 2018年8月5日
Seayは、「お金」「政治」「宗教」のような議論になる話題は避けた方がいいけれど、「家族」「一般的な興味」「趣味」「娯楽」については誰にでも聞けるからだと主張しています。
意味のない話が意味ある何かにつながる
私は、世間話はタブーだと言われている話題を話しやすくするという別の意義があると思います。自分を知ってもらう機会を相手に与え、相手がもっと話して欲しそうにしたら、もう少し話せばいいでしょう。
天気の話では、他の場所ではどんな天気か、これまで行ったことがある場所、その途中で会った人などの話になってしまいます。
最初から相手にすべてを共有してくれることを求めているだけでは、おそらく相手について深くてリアルなことを知ることはできません。
意味のない話をすることで、意味のある何かにつながるということに納得がいかない人は、シカゴの鉄道会社「Metra」で世間話に関する研究を実施した、行動科学者Nicholas Epleyさんの言葉をお教えしましょう。
鉄道会社での研究では、被験者にお互いに関わる、もしくは関わらないように伝え、それからその体験についてインタビューをしました。
内向的な人も外交的な人も、一様に電車内でのおしゃべりを好んでおり、Epleyさんは世間話がもたらす意義について興味深い結論を出していました。
米・HuffPostは、世間話にはより深い意義があるという発見を2017年の記事でまとめていました。
気分が落ち着く
見知らぬ場所や慣れない環境で緊張している時、世間話のようなちょっとしたおしゃべりをすると、非常に落ち着くことがあります。
それは、おしゃべりをしている間は自分自身のことを意識しなくて済むからです。
意識が自分自身から他者へと移ることで、「何を話せばいいのかわからない」という不安な状態から、「挨拶をして、相手に興味があることを示す」という状態に移行できるからです。
人とつながる
「世間話はお互いを今この瞬間に戻してくれる」という、とても美しい言葉があります。
慣れている状況との違いを考えていたり、不慣れな状況に孤立した気分になっていたりしたかもしれませんが、「モカが好きなの?」とお気に入りのコーヒーについて話すだけで、その人と体験を共有している気分になれます。
ささやかな体験ではありますが、さらに深い話や大きな体験は、それから一緒に構築していきましょう。
勇気を出して話しかけるには
もう世間話を無意味だと思ってはいないと思います。ただ、世間話をすることに怖気づいているだけです。
世間話をすることは、礼儀やマナーのように“正しいことをしなければ”と思うのではなく、相手にとっても“いいことをしているのだ”と考えてみてください。
Epleyの研究によると、世間話というのは非常に利他的な行動だと判明しています。あなたが面倒なことをすることで、相手は少しだけ殻から出やすくなります。
世間話が、相手を操ったり、計画的な利益を得るために使われることもありますが、相手に何かを与え、相手と共有し、会話に参加するという素晴らしい機会も提供します。
他人と会話を始めるというリスクを引き受けることで、自分の殻に閉じこもるような習慣や、孤立した状況から引き出されます。そうすることで、すすんで人とつながろうとするようになります。
話かけにくいけど話しかけたい人がいる場合は、「今日は暑いですね」と声をかければ失敗するリスクは低いです。
何でもかんでも知る必要はないから飛ばしたいと主張する人や、すぐにあなたは何者なのかと核心に迫ろうとする人はいます。
しかし、世間話で関わることが相手にもどれほどいいことなのかを考えれば、そんなに利己的なことをしていることにはなりませんよね。
Image: Elena Lopes/Pexels
Source: ニューヨーク・タイムズ, HuffPost
Aimée Lutkin - Lifehacker US[原文]
訳:的野裕子
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