lifehacker

特集
カテゴリー
タグ
メディア

90代の人たちはなぜ「苦労の多い中年期」が幸せだったと語るのか

90代の人たちはなぜ「苦労の多い中年期」が幸せだったと語るのか
Image: Pixabay/Pexels

「人生で最良の時期」とは、いつだと思いますか?

責任がなくて気楽な若者か、年金で悠々自適の暮らしができるリタイア世代、という答えが頭に浮かぶ人も多いかもしれませんね。ところが、当のお年寄りに尋ねると、働き盛りで苦労の多い中年期が最高の時期だったと答える人が多いことがわかりました。

この調査を行ったのは、女性牧師でもあるライターのLydia Sohn氏です。Sohn氏は、自らの教区で教会に通う90代の人たちが、長い生涯の終わりにさしかかった今、これまでの人生について何を思うのかに興味を持ち、話を聞いてみることにしたそうです。

そして、彼らの話をまとめて、ブログメディア「Medium」へ投稿しました。

そのなかでSohn氏は、「The U-bend of Life(人生のU字トラップ)」という概念に触れています。これは、2010年に英誌『The Economist』の記事で取り上げられて話題になって以来、一般的になった考え方です。

「人生のU字トラップ」とは、人生の幸福度に関する概念。統計的に、20代後半から46歳前後にかけては苦労の多い最悪の時期だが、70代になると幸福度が増すというものです。

この最悪の時期は「中年期の苦難」と呼ばれ、仕事や金銭、家族に関する不安や責任が、この時期にまとめてのしかかることに起因するとみられます。

ところがSohn氏の記事によると、90代のご老人に「人生で一番幸福だった時期は?」と尋ねると、何と全員が、このストレスが極大に達するとされる「U字トラップ」の時期だったと答えたというのです。

90代で、全員が夫に先立たれている女性たちは1人残らず、配偶者が存命で子どもたちもまだ小さく、家で一緒に暮らしていたころが良かったと答えました。

私自身はどうかというと、まだ若く、何かと忙しい母親で、フルタイムの仕事も抱えているため、一線を退いた後の暮らしはどんなに素敵だろうと、遠い先のことを夢想することもしばしばです。

それだけに、私は即座に「それって、人生でも一番大変な時期だったのではないですか?」と疑問をぶつけました。

当然ながら、女性たちはみな、私の言うとおりだと応じました。それでも、この時期が一番幸福だったことには疑いの余地がないというのです。

ただし、ここでSohn氏が言う「幸福」とは、心の安らぎといった感覚ではなく、むしろ「充実感や意義、豊かさを実感できる状態」を指します。また、幸せというものは、実際に経験している時よりも、振り返ってみた時に実感できるものだ、という部分もあります。

そう聞いてがっかりした人もいるかもしれませんが、Sohn氏は、意外にも思える、年齢を重ねることのメリットについても紹介しています。

それは、「自分は外見的に魅力的ではない」と自覚している人の方が、年を取ってからはずっと生きやすいという点です。見た目の老化に取り乱すのは、若いころの自分の外見に自信がある人に限られているように見えたと、Sohn氏は綴っています。

外見の良さや身体能力の高さで評価されていた人の方が、年齢に依存しない特質を自信の源にしていた人に比べて、老いた自分の身体を嘆く傾向が強いことがわかりました。

例えば、地元の新聞でライターやコラムニストとして活躍し、コミュニティの有名人だった女性に、「外見が老いていくことを悲しく思いますか?」と尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「私は元々、自分をきれいとは思ってこなかったから、それはないわ」と。

見た目や身体能力という理由で老化を嘆く場合、それは70代に入ってからというケースが多いです。けれどもこうした気持ちも、年を重ねるごとに徐々に薄らいでいきます。90代まで長生きすれば、人生で起きるさまざまな出来事を、距離を置いて眺める境地に至るようです。

ということで、まだ若い私たちとしては、90代になるのを楽しみに待つべきでしょう。それまでは、どれだけイライラすることがあっても、「今を楽しむ」ことを心がけてみてはいかがでしょうか。


Source:What Do 90-Somethings Regret Most? – Member Feature Stories – Medium, The U-Bend of Life – The Economist – Medium

Aimee Lutkin - Lifehacker US[原文

訳:長谷 睦/ガリレオ

swiper-button-prev
swiper-button-next