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女性たちへ。「割に合わない職場の雑用」を引き受けないようにしよう

女性たちへ。「割に合わない職場の雑用」を引き受けないようにしよう
Image: De Repente/Shutterstock.com

この記事を読もうとしている、働く女性のみなさんに質問です。

「面倒で割に合わないオフィスの雑用を、自分や女性の同僚が、ほかに誰もやらないからという理由で引き受けさせられているんじゃないか」と疑ったことはありませんか?

実はそうなのです。そして、そうした雑務は、引き受けないようにしたほうがよいのです。

女性は雑用を引き受けがち?

私は以前から、「女性たちは、特に自分の手柄にもならない退屈な仕事を押しつけられがちなのでは?」という疑念を抱いていましたが、その確たる裏付けを得られずにいました。

けれども最近になって、実験データに基づく研究結果が発表されているのを知りました。

リンダ・バブコック氏のほか、Maria P. Recalde氏、Lise Vesterlund氏、Laurie Weingart氏という4名の女性研究者が発表したこの論文を紹介する記事が「ハーバード・ビジネス・レビュー」に掲載されています。

この研究は、職場における「キャリアアップへの貢献度が低い」用事に関して、「依頼されたら引き受ける」、あるいは「自発的に手を上げるか」で、男女差があるかどうかを調査したものです。

「キャリアアップへの貢献度が低い」用事とは、簡単に言えば、やった本人にとっては何のためにもならないけれど、誰かがやらなければいけない職場の雑事です。

たとえば、社内のクリスマスパーティーの企画や、新しく職場に来た人の教育、あるいは備品用のキャビネットの整理整頓、といったものです。

もちろん、勤務先の業界によって、こうした雑務の種類にはかなりの違いがあるでしょう。とはいえ、「職場環境の改善にはつながるものの、やってくれた人の賃金や上司からの評価がアップするとは言えないような業務」という共通点があります。

裏付けする実験データ

今回の研究では、研究チームが作成したあるテストが用いられました。このテストでは、被験者は3人1組となり、コンピューター画面上にあるボタンをクリックすることで、「自分がやる」と申し出る選択肢を与えられます。

決められた時間内に誰もクリックしなかった場合、グループの各メンバーには1ドルが与えられます。誰かがクリックした場合、申し出た当人には1.25ドルが、そして残りのメンバーには2ドルが与えられます(つまり、申し出た人が損をするのです)。

さて、常に率先して手を上げたのはどんな人だったでしょうか?

実験の結果、全グループの84%で、「自分がやる」と申し出る人が出ました。とはいえ、申し出があったのは、2分間の規定時間のうち、最後の数秒になってからというケースが大半でした。

また、特筆すべき点として、申し出た人の割合には男女で差がありました。10回行われた試行の平均を取ると、女性が申し出る確率は男性より48%高くなりました。しかも、10回の試行のうちどれをとっても、この差はほぼ一定だったのです。

興味深いことに、さらに追加でテストを実施したところ、女性が男性と比べて、とりわけ利他的とは言えないことがわかりました。女性が「自分がやる」と損な役回りを引き受けたのは、男女混合のグループの場合だけでした。

まるで「もう、男どもは手を上げるつもりなんてないんだから!」と女性がしびれを切らしたかのような結果です。

一方、女性だけのグループの場合、参加者が手を上げる確率は、男性とまったく変わりがありませんでした

何が問題なのか

自分のキャリアにとってプラスにならない雑務を常に引き受けていると、そのうちに、キャリアのほうにも悪影響が出てきます。今回の研究チームが引用している別の研究結果では、社内での昇進に男女差があることが浮き彫りになっています

2017年度のフォーチュン500にリストアップされた全企業を対象に調査を行ったところ、取締役に女性が占める割合は19.9%、最高経営責任者(CEO)に至ってはわずか5.8%にすぎないことがわかりました。しかもこれは民間企業に限った話です。

これには(性差別などを含む)さまざまな理由があるわけですが、自分の時間を雑務に費やしてしまうのも、その一因になっているのは間違いありません!

こうした現状を踏まえ、私はこの記事に、女性に対し「とにかく、雑務を自分から引き受けるのをやめなさい」と訴えるタイトルをつけました。

ただしこれは、私たちの文化に深く根ざした問題です。女性は、雑務を率先して引き受けることを「期待されている」ということなのです。

ある程度の相互理解がないかぎり、こうした場面で自ら雑務を引き受けないタイプの女性は、「一緒に働きにくい人」と思われるなど、さまざまな逆風に直面することが多いはずです。

また、今回の研究では4人目のメンバーとして管理職の役を演じる被験者を追加し、3人1組のグループの中から「雑務を引き受けてくれる人」を選ばせるテストも行っています。ここまで来ると予想がつくと思いますが、多くのケースで選ばれたのは女性でした

ここでも、動機付けにはお金が使われました。管理職役の人物には、グループの各メンバーの写真を示されます。その中から引き受けてくれそうな人を選んだら、画面上のボタンをクリックします。

依頼した相手が頼みを引き受けると、管理職役の人も含め、引き受けた人以外の参加者が、誰も引き受けなかった時(1ドル)に比べて多くのお金(2ドル)をもらえるというものです。

男女混合のグループでは、女性が依頼を受ける回数は男性より44%多いという結果が出ました。

興味深いのは、管理職役の人の性別は、この結果に特に影響を及ぼさなかったという点です。

管理職役になった人は、男女を問わず、女性を指名する確率が高くなりました。しかもこれは、理にかなった判断だったようです。

女性のほうが、承諾する割合が高かったからです。要請を承諾した男性の割合は51%だったのに対し、女性の場合は76%に達しました。

部下に指示をする立場にある人たちは、こうした根強い偏見を利用して、女性が「キャリアアップに役立たない雑務」を断わりにくくなる環境を作っています。

管理職にある人は(男女関係なく)、雑務を引き受けてくれる人を選ぶ際に女性を選びがちな傾向にあります。つまりこれは、私たちの誰もが意識して改善しなければならない問題なのです。

考えうる解決策

今回の研究チームは解決策として、こうしたタスクを持ち回り制にすることを提案しています。「リフレッシュルームでの社員の誕生パーティーを取り仕切ったことがない? それはよかった! 今日やればきっと覚えられるよ!」というわけですね。

持ち回り制にすれば、今まで当たり前のように雑務を引き受けていた人も、本来の業務に役立つスキルを身につける時間が得られるわけですから、これは会社にとってもメリットがあります。

とはいえ、社員それぞれの自覚も大切です。雑務を引き受けたことがないという男性は、なぜそうなっているのかを考え、自分から取り組むようにしましょう。

会合の企画や、社内行事の集金、詳細のフォローといった雑務が生じたら、率先して名乗り出ることです。そうした時に、「面倒だ、こんなことをしても誰にも評価されない」といった気分になるかもしれません

――でもそれは、世の働く女性の誰もが感じていることなのです。

Image: De Repente/Shutterstock.com

Source: American Economic Review, ハーバード・ビジネス・レビュー, Wiley Online LIbrary

Aimee Lutkin - Lifehacker US[原文

訳:長谷 睦/ガリレオ

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