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HOW I WORK

音楽のキャリアに人種は関係ない。ポッドキャスト「Song Exploder」のホスト、フリシケシュ・ハーウェイさんの仕事術

音楽のキャリアに人種は関係ない。ポッドキャスト「Song Exploder」のホスト、フリシケシュ・ハーウェイさんの仕事術
Image: Lifehacker US

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回はミュージシャンが自分の曲について語るポッドキャスト「Song Exploder」のホストを務めるフリシケシュ・ハーウェイさんの仕事術です。

フリシケシュ・ハーウェイ(Hrishikesh Hirway)さんは、ポッドキャスト「Song Exploder」のホストとして、ソランジュ、イギー・ポップ、ナラ・ジョーンズ、ビョーク、アーケイド・ファイアといった有名ミュージシャンたちに、曲の作り方やレコーディングとミキシングのプロセスについてインタビューしています。

また、テレビ番組『Atlanta』のLakeith Stanfieldさんと、「Moors」というバンドを結成していて、テレビや映画の楽曲の制作も手掛けています。

さらに、テレビドラマ『West Wing』に出演していた俳優のJoshua Malinaさんと共に「The West Wing Weekly」というポッドキャストの共同ホストもしています。

そんなハーウェイさんに複数のアーティスティックな仕事を同時にこなす方法や「Song Exploder」のエピソードの制作プロセスについてお話を伺いました。

居住地:ロサンゼルス

現在の職業:Song Exploder(ポッドキャスト)、The West Wing Weekly(ポッドキャスト)、Moors(音楽)のホスト

仕事の仕方を一言で言うと:入念に

現在の携帯端末:iPhone X

現在のPC: iMac Pro

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── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?

私は、ロサンゼルスに引っ越して、レコードと映画音楽を作るミュージシャンを数年していましたが、その間に蓄積した経験、ツール、コネクションを利用して「Song Exploder」というポッドキャストをはじめました。

ポッドキャストの制作がとても気に入ったので、2年後には「The West Wing Weekly」と言うポッドキャストを友人のJoshua Malinaさんと一緒にはじめました。彼は『The West Wing』という私が大好きなテレビ番組に出演していた俳優です。

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バンドMoorsとして演奏するハーウェイさんとラキース・スタンフィールドさん
Photo: Hrishikesh Hirway

──最近の1日の流れを教えてください

起床するとメールの処理です。ほとんどのメールは将来の「Song Exploder」のゲストを決めるためのもので、広報担当者が私にアーティストを売り込んでくるか、私が広報担当者に「Song Exploder」を売り込んでいるかです。ポッドキャスト用に送付された音楽を聴きながら朝食を食べます。

Joshさんに「West Wing Weekly」のレコーディングスケジュールについてテキストを送信。休憩してからジムへ。帰宅してランチを作りました。

スタジオに入り、「Song Exploder」のスポンサーのコマーシャル枠をいくつか録音しました。この番組のアシスタント・エディターのChristian Koonsさんに次のエピソード用のカットについて相談。夕方には、ピアノのレッスンに行きました。

合間合間に、TwitterとInstagramをちらちら見ています。Carlos Lermaさんから「Song Exploder」のイラストを受け取り、私がInstagramのページ用に作ったグラフィックのテンプレート入るようにフォーマットしました。

その後スタジオの片づけをして、犬を散歩に連れて行きました。妻と夕食をして、合間に仕事で「The West Wing」を1話、娯楽で「The Americans」を数話みました。再びメールの処理。午前1時半ごろ、携帯電話の電源を切り、眠りにつきました。

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

Song Exploderの録音と編集はすべてPro Toolsを使って行います。曲を作るときは、Pro Tools以外にAbleton Liveも使っています。

1日1度は鍵がどこにいったかわからなくなるのでTileをつけていて、見つけるのが楽になりました。Google Sheetを共有して仕事のことも生活のこともすべてトラッキングしています。

「Song Exploder」で将来使うエピソード、制作中の曲のToDoリスト、今年鑑賞した作品リスト、家計簿、外食して最高だと思った料理などのスプレッドシートがあります。

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Photo: Jake Michaels

── 仕事場はどんな感じですか?

ガレージの半分をオフィスにして、音楽やポッドキャストを作るスタジオとして使っています。アップライトピアノ、エレキギター、アコースティックギター、ベース、チェロ、マンダリン、サクソフォンといった楽器が置いてあります。

イケアのデスクのラミネート加工のテーブルトップを取り外して、代わりに部屋にマッチするようにステインを施した木製のトップをつけて使っています。

デスクの上には、2つ目のモニターにつなげたiMac Pro、マイクとヘッドフォンがついた音声インターフェースとそれに接続したThunderboltハブ、Zoom recorderとマイクがあります。

デスクの後ろの壁際には、ゲストが来たときに座るソファがあり、そこでインタビューをして録音します。部屋の散らかりをなるべく隠したくて、イケアの収納家具が結構置いてあります。

──「Song Exploder」のエピソード制作の流れを教えてください

インタビューの録音はアーティストの都合の応じて、直接会ってすることもあればリモートですることもあります。リモートの場合は、電話かPCを使って会話し、アーティスト側で性能の良いマイクでインタビューを録音して、後日私にオーディオファイルを送ってきます。

その後、ChristianさんとインターンのOliviaさんがインタビューの文字起こしをして、共有Google Docsとして保存します。今は私以外にも「Song Exploder」の仕事をしている人たちがいるので、ドキュメントを共有できると便利です。

「Suggested Edits(編集案)」の機能は特に便利で、私がノートやリマインダーを使ってセクションに注釈をつけることができます(Google Docs導入以前に私が全部自分で編集していたころはこんな感じでした)。

次に、エピソードに出てくるインタビューをパーツに分けて新しいGoogleドキュメントを作成し、どこでどの音楽がかかるようにするか注意しながら、話の筋が通るように並べます。完成形がどうなるかわからずに、ジグゾーパズルをしているような感じです。

それからその紙の上の編集をテストします。クリスチャンさんが脚本を作り、Pro Toolsを使ってエピソードをドラフトします。

私はGoogle docで変更や注に全て目を通します。セクションをカットし、文章を推敲し、自分の耳で聞きながら音楽がかかるタイミングを図ります。さまざまな変更を5回から8回重ねながら、このプロセスを2、3回繰り返します。

完成間近になってきたら、最後は私一人でPro Toolsを使用してカットや音楽の最終チェックをします。ここは相当入念な作業になるので、他人とコミュニケーションを取りながらやるのは無理なんです。

私の主観で、ポーズの長さを変えたり、音楽のフェードアウトを変えたりするからです。

こうした作業をしながら、音楽のレーベルや版元とやり取りして著作権問題をクリアし、イラストレーターの Carlos Lerma さんが、エピソードに登場するアーティストのオリジナルポートレートを作成します。

──映画用の楽曲を作曲するときと自分の音楽を作曲するときではかなりの違いがありますか?

私は、映画やテレビの音楽を作っているときは生産性がはるかに高くなります。依頼されたプロジェクトの締切に間に合わせて音楽を作るためなら、必要なことは何でもします。でも、自分の曲を作るとなるとそこまで必死になりませんね。

── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?

携帯電話にメールアドレスのような長めの入力をするとき、キーボードに自動修正入力のショートカットキーを設定しておくととても便利です。

たとえば、私のiPhoneのキーボードは、「eml」とタイプすると私のメールアドレスがフルで出てくるように設定してあります。

自宅の住所も同じように3文字タイプするだけで、郵便番号を含む住所が全部出てくるのでとても便利です。

──仕事場で採用しているプロセスで、興味深いもの、珍しいもの、こだわりがあるものがあれば教えてください

「Song Exploder」の制作に関わることはすべて、かなりのこだわりをもってやっています。インタビューから私の質問を取り除き、あたかもゲストが独白しているようかのような流れで、しかも内容がわかりやすくなるようにつなげていかなければなりません。

そうした努力が、視聴者に気づかれないようにするところに一番気をつかいます。ミュージシャンが、理論的で雄弁に話しているように視聴者が感じたら成功です。時間をかけて言葉の間の取り方が完璧になるようにしています。

── どんな人たちからどのように仕事を助けてもらっていますか?

「Song Exploder」に関しては、アシスタントエディターのChristian Koonsさんです。彼はインタビューを脚本にしてくれて、エピソードの編集からネットへの投稿まで、諸々のことに尽力してくれます。

「The West Wing Weekly」に関してはMargaret Millerさんが会話を編集してフィルターにかけた後で、それをミクサー兼オーディオエディターのZach McNeesさんに回します。

──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?

Google Docs、Google/iPhoneカレンダー、iPhoneのリマインダーです。

──どのように充電や休憩をしていますか?

裏庭をゆっくり散歩します。

──仕事の合間に何をするのが好きですか?

私の場合、生活全体が複数のサイドプロジェクトで、全部あわせて生計を立てています。

──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?

Michael Ondaatje著『Warlight』を読み終えたばかりです。大好きな作家です。

──今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

コメディアンのDavid Wainさんです。

──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

音楽のキャリアを歩むとき、「人種は関係ない」です。

──「Song Exploder」のゲストから得たライフハックでベストなものを教えてください

iPhone にVoice Memosというアプリを入れておけば、常に録音できます。

──改善しようとしていることはありますか

どうしたらもっと少ない睡眠時間でやっていけるかですね。


Image: Hrishikesh Hirway

Source: Song Exploder, Moors, The West Wing Weekly, Pro Tools, Ableton Live, Tile, Zoom, Twitter, Instagram, Christian Koons, Twitter, Zach McNees, Amazon

Nick Douglas – Lifehacker US[原文

訳:春野ユリ

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