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HOW I WORK

ホワイトハウスがクライアント。膨大なデータ分析に基づいて未来予測する、未来学者エイミー・ウェブさんの仕事術

ホワイトハウスがクライアント。膨大なデータ分析に基づいて未来予測する、未来学者エイミー・ウェブさんの仕事術
Image: Amy Web/Lifehacker US

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回は膨大なデータの分析に基づいて未来を予測する未来学者、エイミー・ウェブさんの仕事術です。

未来学者のエイミー・ウェブ(Amy Webb)さんが2006年に設立したFuture Today Instituteは、Microsoft、 American Express、Univision(Lifehackerの現在の親会社)、ホワイトハウス、アメリカ連邦制度などをクライアントとして、文化やテクノロジーのトレンドを分析してきました。

ウェブさんは本も2冊出版しており、“How I Hacked Dating.”というTED talkもしています。そんな彼女に、完璧なキャリーバッグ、世界中のメディアテクノロジーの差異、職場の効率的な時間配分の仕方について聞いてみました。

居住地:ニューヨーク市

現在の職業:量的データに基づく未来学者、ニューヨーク大学スタン・ビジネス・スクールの戦略的未来予知の教授、Future Today Institute創立者

仕事の仕方を一言で言うと:系統的に

現在の携帯端末:Samsung S9

現在のPC: Mac Pro

── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?

私は中学生になると、学校にあったFuture Problem Solvers of America teamに入り、11歳にして無意識に未来学者の仕事をはじめていました。大学では学際的な研究コースを取り、経済学、ゲーム理論、政治学、コンピューターサイエンス、音楽を勉強しました。

卒業後は、中国と日本で外国特派員として働き、スマートフォンやタッチスクリーンのような新しいテクノロジーの発信地で20代を過ごしました。

そのため、マシンラーニングの初期段階の成功は早くからわかっていました。アメリカに戻ると、従来のニュース編集室の雰囲気に馴染むのに苦労しました。

ジャーナリズムのクオリティを維持するには、ニュースのビジネスモデルを根本的に変える必要があると確信したのですが、新たなテクノロジーに対する周囲の無関心に嫌気がさして、退職しました。

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ニュースとメディアの研究開発ラボを始める開業資金を確保したのですが、私が専念したかったのは、新しいデジタル配信テクノロジーを見つけて構築することでした。

私のチームが新しいプロトタイプをいろいろ試してみたのですが、「第三世代のコンピューターであるAIは日常のあらゆる側面にどのような影響を与えるか」「私たちのデータがどのようにして経済の主要な牽引力になるか」というようなジャーナリズムの域を超えたもっと幅広いことに私は興味が出てきました。

現在は、ニューヨーク市立大学スターン・ビジネススクールで未来予測を教えています。私の学生たちは信じられないぐらい聡明でクリエイティブです。あと、文章も書いています。

今は、3冊目の本を執筆中で、これはテクノロジーの「9人の巨人」(Google、 Amazon、 IBM、 Microsoft、Apple、 Facebook、 Baidu、 Tencent、Alibaba)がAIの未来をどのように形づくるかに関するマニフェストです。

直近に出版した『The Signals Are Talking』は、予測方法論と未来を見るための未来学者のツールの使い方について説明しています。

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WDETPでマイクに向かうウェブさん
Image: Amy Web/Lifehacker US

──最近の1日の流れを教えてください

仕事の日は毎日違います。オフィスで仕事をする日もあれば、出張する日もあるので、両方をご紹介します。

出張の日:クライアントの1つに世界的な石油会社があるのですが、その会社を訪問して、15人のチームと一緒に近未来のリスクとチャンスのシナリオを書きました。

まず、Future Today Instituteの未来予測方法とさまざまな次元での混乱に関して深掘りするセッションをはじめました。次に、未来に起こる変化を見つけるのに役立つ弱点のシグナルを解読しました。このセッションは7時間も続きました。

オフィスで働く日:今度出版する本を書いています。本を書く日は、朝7時までにオフィスに行き4時まで一切休憩しないで書きます。そして4時から7時までは会議やメールの返信に追われます。

──どうやって休憩なしで9時間も集中できるのですか?

そこまで長く集中力が続くのは、集中力強化の効果があるブラウンノイズ、イヤフォン、普通の椅子の代わりに座っているエクササイズボールを組み合わせて使っているからだと思います。もちろんトイレに行くために立ち上がりますし、ナッツやドライフルーツをスナックにしています。

スマホの電源を切り、ソーシャルメディアとメールを遠ざけると、生産性が急上昇します。マルチタスキングはいいと思いません。私の場合、一度に複数のことをしようとすると、仕事の質が低くなります。

Twitter、テキスト、Slackなどで外部から中断されることがないとわかっていると、1つの作業にありったけの集中力を注ぐことができます。

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

Spotifyでブラウンノイズを聞いています。いろいろな音や音楽を試してみましたが、私は周波数が高いほど気が散るので、ブラウンノイズは深く集中したいとき驚くほど効果的で助かっています。

Jabra Elite 65tブルートゥースのノイズキャンセリング耳栓を使っています。書き物をしているときは、Desktop Curtainを使って気が散らないようにしています。

スケジュールに大変出張が多いので、何年もかけて完璧なカバンを探しました。私の荷物全部と、予備の靴や水のボトルも入るカバンです。

私の場合は、Tumi Sheppard Deluxe Brief Packが最適です。スーツケースにしっかり留められるようになっているので、もう背中に重い物を背負わなくてよくなりました。

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ウェブさんの大小2つのモニター
Image: Amy Web/Lifehacker US

── 仕事場はどんな感じですか?

縦長と横長のモニターが1個ずつあります。オフィスやコミュニケーションに関するもの(Slack、カレンダー、メール)は、すべて縦長のモニターのほうにいき、処理されます。文筆はすべて横長のモニターでしています。

私のオフィスの壁はIdea Paintで覆われています。壁の1つは天井から床まで表面をすっかりホワイトボードにしています。残りの壁の多くは、ガラスでできていて、窓にもテーブルにもいすにも、必要なときはホワイトボード用のマーカーで、書けるようになっています。

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── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?

ベンジャミン・フランクリンから学んだ「重要な仕事を真っ先にしなさい。フルチャージされたばかりの頭を使えるから」です。

──仕事場で採用しているプロセスで、興味深いもの、珍しいもの、こだわりがあるものがあれば教えてください

私の職場では、20分を1単位にしていて、スケジュールを決めるときに活用しています。電話やビデオ会議は1単位、ほとんどの社内会議は2単位です。戦略的な仕事には12単位充当します。1日を20分ずつの単位で押さえていくと、現実的な時間管理がずっとうまくできます。

20分を1単位にするシステムは私が大学時代に考案したものです。私は2つの仕事を兼業していて、専攻を5つも持とうとしていたので、毎日1分1秒を大切にしなければなりませんでした(睡眠時間が4時間しかとれないこともありました)。

そのころ、1日を1時間、2時間という単位で区切っても、すべてを片づけることはできないことに気づきました。期待値の設定が高すぎたり低すぎたりしてしまうからで、生産性の観点からみると良くないと思います。

たとえば、ある作業を完了するのに1時間でなく40分しかないとしたら、私はもっと集中してもっと一生懸命働くでしょう。会議が1時間で予定されていると、無駄なことや、非生産的な瞬間がたくさん出てくる傾向があります。私と一緒に働く人たちには、この20分1単位のシステムにあわせてもらっています。

── どんな人たちからどのように仕事を助けてもらっていますか?

私たちのチームは分散型です。オフィスを出てあちこちの都市で仕事をしていて中心となる物理的なハブを持ちません。

組織としての観点から言えば、業務ディレクターのCheryl Cooneyさんがいないと仕事になりません。彼女は私とFuture Today Instituteを稼働させるエンジンの役目を果たしており、私の直接の指示が必要でない決定はすべて管理、実行しています。

──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?

私たちは、「即時」、「2、3日中に」、「長期的」という3つの段階を設けていて、こうした作業をすべて完了するために必要な時間単位数を予め配分します。

TrelloやAsanaのようなタスク管理のソフトウエアをさまざま試してみましたが、結局Slack、 Google docs、物理的なノートを組み合わせることが私には一番向いていることがわかりました。

──どのように充電したり休憩したりしていますか?

毎日自転車をこいだりジョギングして汗をかくことで休憩しています。矛盾するようですが、エクササイズで疲れることが一番の充電方法です。あとは、仕事中、どこかの時点で屋外に出て、数分間散歩して太陽の光を浴びるようにしています。

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ウェブさんのTumi Sheppard Deluxe backpack
Image: Amy Web/Lifehacker US

──仕事の合間に何をするのが好きですか?

私は、才能あるショーランナー、ライター、プロデューサー、制作スタッフの将来を予測することで、テレビ番組や映画に関わっています。

Beau Willimon氏と彼のチームと一緒に『The First,』という番組を制作しました。この番組はHuluでもうじき放映されるシリーズで、宇宙飛行士のチームのメンバーを火星を初めて訪れた人類として描いています。

設定は2031年で、Sean PennとNatascha McElhoneが主演しています。

──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?

Jeff VanderMeer著『Borne』を読み終えたところで、今は、Naomi Alderman著『The Power』を読んでいます。どちらも素晴らしいです。

──今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

理論物理学の加來道雄さんです。

──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

私のメンターのMJ Ryanさんは、漸増的(次第に増えること)なやり方で仕事をすることを教えてくれました。山に登るときは、一歩一歩の連続です。

どのプロジェクトも、まず踏むべきステップをすべて考える必要があります。同時に頂上も見失わないようにしていなければなりません。彼女は、現在と未来を同時に考えるように私を訓練してくれました。

私の目標は、未来学者のツールを普及させて、決定権のある人全員にもっと先の未来のことを考えてもらうことです。アメリカは「現在主義者」の国なので、その点が私の解決すべき課題です。

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Image: Amy Web/Lifehacker US

Source: Future Today, Ted, Amazon(1, 2, 3, 4, 5), Many Tricks, Idea Paint, Maku

Nick Douglas – Lifehacker US[原文

訳:春野ユリ

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