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あなたの体はあなただけのもの。子どもの性教育の第一歩

あなたの体はあなただけのもの。子どもの性教育の第一歩
Image: anna.danilkova / Shutterstock.com

マレーシアに住んでいた頃、当時4歳だった息子が、友達のお兄ちゃんから教わったといって「ケツに火をつけチンチンロケット噴射(超意訳)」という下品なジョークを口にするようになりました。

これをきっかけに「ちんちん」というワードがちょっとしたブームに。私としては「男子あるある」でスルーしていましたが、ある日、幼稚園の先生が真剣な顔で「気になることがあります」と言いました。

今回お話ししたいのは、トピックにしにくいけれど、とっても大事な性教育について。たわいもない子どもの下品なジョークが笑えなくなるかもしれません。

下品な言葉はおふざけでは済まないリスクがある

「息子さんがペニスという単語を口にすることはご存知ですか?」

先生は、教室内で男子生徒がふざけて下品な言葉を口にすることを心配していました。

そのとき、私は「この年齢の男子にはよくあることですね。通過儀礼なのかなと思っています。時期がくればおさまるでしょう」と答えたと思います。

すると先生は、続けて以下のようにおっしゃいました。

「こういった単語を口にしているところをペドフェリア (幼児と一般に10歳以下の小児を対象とした性愛・性的嗜好を持つ人)に見られたらどうなるでしょうか。

子どもは意味もわからず無邪気に言っているだけですが、歪んだ考えを持つ大人にとっては違います。そういうことに興味があると思ってさそってきたり、触ってきたりするかもしれません。

息子さんが友達とそういうことを話していれば、友達も危険にさらすことになります。どうか話しあってやめさせてください。ペドフェリアに付け入る隙を与えてはいけません。単なるおふざけでは済まないんです」

初めての性教育はどうするべきか

想像してみました。

例えば息子が「チンチンロケット〜」と言いながら歩いているとします。そこに悪意ある大人がやってきて、「見せて」と言ってきたり「自分のも見て、触って」と言ってきたりしたら? そして、人気のないところに連れていかれたら? 性犯罪の被害者は女性に限ったことではなく、男子も女子も等しくリスクがあります。

ということで、幼稚園の先生に言われたことをきっかけに子ども向け性教育の方法を調べてみました。Parentingにいい方法が書かれていたので、私の考えや経験を交えながら紹介します。

1. 子どもはこの手の話題を茶化すと理解して

非常に真面目なトピックですが、子どもにとっては笑いの対象でしかありません。「真面目に聞いて」としかっても、子どもは茶化したりふざけたりするものです。なので、最初はそういうものだと理解して挑んだ方がいいでしょう。

多くの方がそうしていると思いますが、私は自分の話を聞いてほしい時は息子の目線までしゃがんで目を見据えるようにしています。こうすることで真剣度が少し伝わるような気がします。まあ、「ペニスは〜」といった時点で茶化されてしまうのですが…。

2. 説明はシンプルに

どう話せばいいのか。考えれば考えるほど説明することが多くて悩みますよね。

でも、多くを語ると印象に残りません。なので限りなくシンプルにいきましょう。大切なのは「プライベートなパーツはとても大事な部分だから守らないといけない、ふざけていい場所じゃない」「あなたの体はあなただけのものであって誰かが自由にしていいものではない」ということです。

我が家の場合、知りたがりの時期とぶつかったので、体のしくみをざっくばらんに説明しました。細かく理解していなくても、なぜ大切かは理解してもらえたようです。

3. 記憶に残るように

子どもに何かを教えるのに絵本ほど役立つものはありません。例えば「My Underpants Rule!」はどうでしょう。この本に書いてあるのは次のような内容です。

「パンツの中は自分だけのもの。誰も触っちゃいけないし、見せてと訪ねてもいけない。でも具合が悪い時は、信頼できる大人やお医者さんが見てもいい。パンツの中は自分だけのもの。誰も触っちゃいけないよ」

4. もし魔の手が忍び寄ってきたら

調査によると、被害に会った子どものリアクションの多くが「硬直」だったそうです。それはなぜか。自分の身に何が起こっているのか理解できず混乱しているからです。なので最悪の事態を避けるためにも「もしこういうシチュエーションになったら」をゲーム感覚で教えておいた方がいいでしょう。

そして忘れてはいけないのが、「万が一何かあった時にはただちに信頼できる大人に伝える重要性」を教えること。誰かに体を触られた、個人的な場所を何かされたということを秘密にしてはいけない、ということも理解させる必要があります。

5. 「こういうことはまだ早い」と思わないで

教えるのに早すぎることはありません。むしろ、性的虐待を受けた子どもの多くが3歳から8歳の時に被害に遭っているという事実を考えれば、早ければ早い方がいいと言えるでしょう。

子どもは幼稚園や保育園で社会性を学び始めます。他の子どもと付き合うようになれば、それだけ他の子どもにも影響を与えるし、反対に与えられて帰ってきます。私が幼稚園の先生に「息子に性教育を」と伝えられたとき、はっきりと「他の子どものことも危険にさらすことになる」と言われました。この言葉を言われて以来、「ちんちん」は決して単なる下品なおふざけ言葉ではなくなりました。

6. 月に1回は話す機会を

アメリカでは5人に1人が18歳までに何らかの形で性的虐待を受けているそうです。最近は日本だって安全とは言えないでしょう。親が教えることで少しでも子どもを守れるのなら、それに越したことはありません。

1月に1回のペースで「あなたの体はあなただけのもの」ということを話したら、子どもにもその重要性が伝わるはず。これですべて解決とはもちろん言えませんが、危険を回避する確率は上がると思います。

教育は日進月歩、でも続けることが大事

我が家の性教育は日進月歩です。「チンチンロケット」が治ったと思えば、いつのまにか「ちんちんぶらぶらソーセージ」(このフレーズは普遍的!)を教えられて思い出したように口にするようになりました。

こういうネタは面白いので、しょうがないのかもしれません。

でも、オフザケが重大な事件につながることもあります。なので、諦めずに「あなたの体はあなたのもの。守るためには大切な部分をジョークにしない」を念仏のように唱え続け、教えていこうと思います。


Image: anna.danilkova / Shutterstock.com

Source: Parenting, My Underpants Rule!

文: 中川真知子

中川真知子

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