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海外育ちの子どもの英語力を維持するために行っている、コスパが高い在宅英語勉強法

海外育ちの子どもの英語力を維持するために行っている、コスパが高い在宅英語勉強法
Photo: 中川真知子

日本に帰国して3カ月。生活の8割を英語で過ごしていた5歳の息子もすっかり日本語と日本の生活に慣れました。むしろ親である私の方がいろいろと戸惑っています。

帰国直後、私との会話は英語、同居の祖父とは日本語で話していた息子も2カ月が経つ頃にはすっかりと日本語中心の生活に。「英語スキルより競争心が無くなったことのほうが心配」なんて言っていた私も、本格的に息子の英語力低下が不安になってきたので行動に出ることにしました。

そこで今回は、子どもの教育のために日々の生活で無理なく英語を取り入れられるかなりコストパフォーマンスの高いメソッドをご紹介します。

5歳の息子の英語レベル

まず、どんなことをしているか触れる前に、息子の英語のレベルについて書きます。

息子は生後7カ月でマレーシアに渡り、当時から私との会話はほぼ英語、夫との会話は日本語という生活をしていました。7カ月から幼稚園入園までの2年間はジンボリーに毎日通っていたので、遊びやコミュニケーションを通して身につけたプレイグラウンド・イングリッシュ(お友達と遊ぶための手段としての英語)を話します。

また、マレーシアのローカル幼稚園では授業はすべて英語でしたし、アルファベットやフォネティックス(英語のスペルに規則性を見つけ発音や読み方を勉強する方法)、数字、単語の書き取りをしていました。しかし、この程度だとすぐに英語を忘れてしまいます。

そこで帰国した現在は、以下のことを行っています。

利用している動画コンテンツとポイント

私たちは帰国するまでテレビを見ない生活を送っていました。私は仕事がら、映画だけは山ほど見ていましたが、息子に見せるのは1日1本と決めていました。でも帰国を境に、英語でみるという条件で『ディズニーチャンネル』を入れました。

これはアメリカで英語、スペイン語、韓国語の3カ国語教育をしている知人のアドバイスを取り入れたものです。その人はテレビを見るならスペイン語限定と決めていて、それ以外で見ることを許可しないそうです。ケーブルテレビなど、子どもが喜びそうなコンテンツを入れるタイミングでこういったルールを作ると良いかもしれません。

ただ、契約して気づきましたが、『ディズニーチャンネル』はかなりCMが多く、CMに切り替わると自動的に日本語になります。また、英語の勉強に最も最適な英語リスニングと英語字幕の同時表記ほとんどの番組でできません。ここには大きな不満を持っていますが、英語環境が無いよりマシと割り切っています。

また、親子で動物が好きなので、YouTubeではおもに『ナショナルジオグラフィック』や『ディスカバリーチャンネル』、『アニマルプラネット』などの動物動画を英語で見せています。中でも親子揃ってお気に入りなのは、『Brave Wildness』。コヨーテ・ピーターソンさんの話すスピードとトーンが心地いいし、情報量が多く大満足。さらに、ほとんどの回で英語キャプションが出るので耳と目で単語を追えるのが嬉しいです。番組のファンに子供が多いということもあって、子どもを意識した番組構成になっているのも飽きさせないポイントかもしれません。

フィリピンの先生によるオンライン英会話スクールの良いところ

ディズニーチャンネルで英語のインプットはしていますが、アウトプットをしないと英会話力は身につきません。星の数ほど英会話教室がありますが、教室に通うタイプは週に1回1時間以下というのが多く時間的に物足りない気がしました。そこで選んだのがフィリピンの英語の先生とオンラインで会話するオンライン英会話スクールです。

利点1)レッスン料がとにかく安いのにマンツーマン

息子は「キーアイ」というオンライン英会話スクールに入会しました。ポイントレッスン制になっていて、必要に応じてコースを選ぶことができます。1回のレッスン時間は25分マンツーマン、人と話すのが好きな息子は毎日朝と夕方の2回受けています。現在、1カ月9800円(税別)のコースを取っていますが、1日2回で約1時間、毎日受けてこの値段というのは破格だと思います。

利点2)時間とカリキュラムの融通がきく

息子は幼稚園のバスの時間が9時半なので、7時に起きてご飯を食べたら時間を持て余してしまいます。この時間を有効活用しようと思い、朝7時半からレッスンを入れています。

この時のレッスンでは勉強らしいことはせず、下の写真のように25分間仲良しの先生と好きな話をしたりゲームをしたりしています。

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「xx色のアイテムをどっちが早く持ってこれるか」ゲームをしようと誘い、どちらが先に指示を出すかジャンケンしているところ
Photo: 中川真知子
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ゲームに勝った方が負けた方をナーフ銃で撃つのがふたりのルール。柔軟性の高さもマンツーマンだからこそ
Photo: 中川真知子

夕方のレッスンでは、おもに英単語フォネティックス数字書き取りの勉強をしています。朝のレッスンで勉強らしい勉強をしないのは、午後のレッスンとメリハリをつけるためと、英語に楽しさを感じて欲しいからです。

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Photo: 中川真知子

午後のレッスンでは読み書き練習。この日は先生とスクリーンシェアで一緒にお絵かきした後、ゴジラ(Godzilla)のつづりを教えてもらいました。

このルーチンは、息子の性格や集中力、興味ある分野を伸ばすために、1カ月弱の試行錯誤と日本語サポートコンシェルジュとの密なやりとりを経た上で見つけました。試して数日なので数カ月後にどんな結果に繋がるかわかりませんが、手応えを感じられそうな気がしています。

利点3)とにかく明るくて大らかでいい人が多い

東南アジア人の多くがそうですが、明るくて優しくて、何より子ども好きな先生が多いです。過去の記事で「5歳までマレーシアで子育てできて嬉しい」と書いてきましたが、それは見ず知らずのマレー人(旅行先の東南アジアならほとんど)から、子どもに数え切れないほどの優しさをもらったからです。

好感度の高さもメリット

また、利点とは別に好感度が高いと思ったことをふたつほど。

先生方が親日なのは大前提ですが、日本の情報に詳しいので、生徒が話しやすい話題を振ってくれるので会話が続けやすいです。サポートコンシェルジェによると、先生のサービス提供者としてのプロ意識向上を目的に実施しているプログラムの成果なんだとか。具体的には、先生を対象として週7でJapanese Immersion Programという独自の先生育成プログラムを通して、日本の言語、文化、人、食べ物など、日本に関するあれこれを学んでもらっているのだそうです。

それと、ネイティブレベルではないにせよ日本語を話す先生も数多く在籍しているのだとか。これはいざという時に力強いのではないでしょうか。

褒めてばかりだとスクールの回し者かと思われそうですし、次は欠点、というか気になるかもしれない点を書きたいと思います。

フィリピンの先生によるオンライン英会話スクールで注意しておきたいところ

1)ミスコミュニケーション

先生方がフィリピンに住んでいるということで、時に通信状況が悪くなる時があります。また、基本はスカイプでのビデオチャットなので、イヤホンやマイクをつけていないとお互いに聞き取りミスが発生することも。

大人ならタイピングしてカバーすることができますが、単語のつづりも覚えていないような子どもなので、発生する小さな行き違いを修正できずに「先生はわかってくれない」とつまらなく感じてしまう可能性があります。なので、授業の間は私が息子の側にいて常にコミュニケーションが取れているか確認しています。先生に馴染みのない生き物の固有名詞を息子が口にしたときに、私が横からタイプしてサポートするなんてこともあります。

2)フィリピン訛りの英語

私個人としては、フィリピン人の英語は聞き取りやすく訛りも少ない方だと思います。私は全く気にしませんが、気にする人はするでしょう。

ただ、外国人と話すとわかりますが、誰もが何かしらの訛りを持っているので、訛りありきの英語に慣れていた方が実用的というのも事実。実際、私はある会社で通訳業務についたとき「相手はアメリカ英語じゃなくてインド訛り、中国語訛り、韓国語訛りの場合がありますが耐性はありますか」と聞かれましたから。

3)先生が辞めてしまう

これは、東南アジアの人と仕事したことがある人なら「うんうん」とうなずいてもらえるでしょう。日本には「石の上にも三年」という言葉がありますが、海外では通用しません。

特に東南アジアの人は、欧米と比較しても簡単に仕事を離れる傾向があると思います。もちろん責任感があり、長く教えている熱心な先生もいますが、自己都合でスパッと辞めてしまう先生がいるのも事実です。

実は息子が入会してすぐ、若いけれど天才的に教え方のうまい素晴らしい先生に出会いました。

親子揃って惚れ込み、レッスンを心から楽しみにしていましたが、7月初めに事情があって辞めてしまいました。無責任な形で去られたわけではないので、わだかまりは一切ありませんが、レッスンに対するモチベーションが一時的に下がったのはいうまでもありません。幸い、他の先生と新たにいい関係を築けたので、現在息子は楽しんでいますが、先生が急に辞めてしまうリスクは今後もあるでしょう。

この経験から、なるべくひとりの先生に担当してもらうのではなく、お気に入りの先生を何人も作ってローテーションでスケジュールを構成するのがいいと感じました。

トータルでみて、私も息子も現時点でオンライン英会話レッスンに大満足しています。対して、夫は決して安くない額を払って日本とオーストラリアで超大手英会話教室に通ったことがありますが、金額と得たものを考えると満足度はそこまで高くなかったようです。もちろん、これは個人の感想であって一概にこうとは言い切れません。

読み聞かせにオススメな本

帰国にあたり私は英語の本を買いあさりました。特にUsborneのブックコレクションは見れば条件反射的に買っていたといっても過言ではありません。数ある出版社の中から、なぜUsborneなのかというと、友人のアメリカ人が3人の子どもをホームスクーリングで教えているのですが、彼女がUsborneの教材をべた褒めしていたからです。教育熱心で真面目な彼女がFacebookで「惚れ込んでる」と書いていたので盲目的に購入しましたが、非常に満足しています。

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Photo: 中川真知子

中でも1番のお気に入りはこれ。段階別に英語が学習できる50冊の本がセットになったボックスです。

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Photo: 中川真知子

レベルは背表紙の色でわかります。左から、ピンクが初級、グリーンが中級、赤が上級

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Photo: 中川真知子

試しに1冊ずつ取り出して違いを紹介します。左からそのまま、初級、中級、上級です。

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Photo: 中川真知子

初級だと、この物語の登場人物が紹介されています。

「この物語は、サム、羊、村人、(多分)狼に関する物語です」

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Photo: 中川真知子

中級だと、その人物説明が省略されてすぐに物語に入ります。

「あるところにゴールディロックスという少女がいました。彼女はまるで金のような美しい黄金の髪をもっていました」

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Photo: 中川真知子

上級はチャプターに分かれています。

「チャプター1 雪のように白く、チャプター2 死の計画etc」

これを1カ月くらい前から毎日寝る前に最低1冊、平均3冊読み聞かせています。どれもこれも有名な物語なので、日本語で読み比べすることもできます。『一寸法師』が海外アレンジされて、一寸法師は略して「イッシー」、おじいさんとおばあさんが「ピン夫妻」になっているなど、面白くて新たな発見もできます。

即興で物語を作れば、表現力や想像力も

そのほかには、幼稚園の送り迎えの時に英単語を3つ選ばせて、それを元に即興で英語の物語を作って話して聞かせています。これは読み聞かせの応用で、上で紹介した初級本の登場人物紹介からヒントを得た遊びです。初級の本は展開がパターン化されていたり、簡単な単語が繰り返し使われているので、少しアレンジを加えるだけで物語を作れるようになります。

今では、息子から「好きな言葉を3つ選んで」と率先してこの遊びをしようと誘ってきます。私が3つの名詞を選ぶと、息子は私からの日々の読み聞かせを通して学んだ物語作りのイロハを駆使して、それっぽい内容の話を作って聞かせてくれます。かつては物語の締めくくりが「xxxは〇〇に食べられちゃいました」ばかりでしたが、今ではバリエーションが増えました。

あくまで遊びとして始めたことでしたが、息子が実際にどれくらいの語彙力や表現力を持っているのかを知れるので、やっていることの成果も知れる利点があります。それに、単語力や表現力だけでなく、想像力も育めるだろうと期待しています。

モチベーションを保つために目標を作ろう

明確な目標がなければ勉強を続けるのは難しいです。まして日本だと、親が意識して英語環境を整えないと自然と完全な日本語環境になってしまうでしょう。

なので、定期的に海外に遊びに行く、もしくは海外の友達に積極的に我が家に遊びに来てもらうことにしました。まずは夏休みを利用して友人宅に母子2週間のホームステイ、その間は以前のローカル幼稚園に通うことになっています。豪華な旅行は息子が大人になったときと割り切り、今は手頃な旅行先を探しています。

小学校に行き始める前に帰国した6歳以下の子どもの英語力維持は、親の根気惜しみない金銭サポートに大きく左右されると言われています。

私もインターナショナルスクールやアメリカンスクール、地元の英会話教室や帰国子女サポートなど、いろいろな可能性を調べてみました。しかし金銭面や息子の英語スキル、私たちのライフスタイルを総合して考えてみたら、今回ご紹介してきたことが最もコストパフォーマンスが高い方法だと思ったのです。

まずは今月末のマレーシア旅行で、かつての友人たちと以前と変わらず会話できるかどうか確かめてみます。さて、どうなっているでしょうか。

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中川真知子 | Twitter

1981年、神奈川県生まれ。サンタモニカカレッジ映画学部卒業。評論家を目指していたが、とある映画関係者から「作る苦労を知らずに映画の良し悪しを語るな」とアドバイスされ、帰国後はアニメ会社GONZOで制作進行を務める。結婚を機にカナダに引っ越し、オーストラリアではVFXスタジオのAnimal Logicでプロダクションアシスタントを経験。その後、オーストラリアでソーシャルワーカーと日本語チューター、Kotaku Japan翻訳ライターの三足のわらじを履き、夫の仕事に合わせてフロリダに引っ越す。現在はマレーシアでゆったり子育てを楽しみつつ、GIZMODO JAPANとライフハッカー[日本版]、金融サイトのZuu Onlineで執筆中。好きな動物はヒグマ、爬虫類(ワニ、コモドドラゴン)、両生類。好きな映画ジャンルはホラー。

Photo: 中川真知子

Reference: Gymboree, Brave Wilderness / YouTube, キーアイ

中川真知子

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