伝統技法やものづくりの精神が凝縮された「日本のジュエリー」が目指すものとは?
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ジュエリーと聞くと、西洋のものというイメージがあります。しかし、日本のジュエリーの歴史を紐解いてみると、江戸時代以前から受け継がれてきた装剣金工師や飾り職人の仕事と、西洋の技術が融合してできあがったものなのです。
IBMが運営するWebメディアMugendai(無限大)では、日本のアイデンティティをジュエリーに乗せて世界に発信している、シンコーストゥディオ株式会社代表でありジュエリー・アーティスト・ジャパン代表である米井亜紀子さんに、インタビューを行っています。
ジュエリーの持つ意味を伝えていきたい
大学卒業後はコンピューター関連の会社で営業をしていたという米井さん。しかし、結婚・出産を経て、実家の時計・宝石店を手伝うようになります。そこで、日本のジュエリーは西洋の借り物ではなく、日本のものづくり技法、伝統技法に基づいていることに気づきました。
打ち出し、和彫り、七宝など、日本古来の技術をジュエリーに盛り込んでいくことで、日本独自のジュエリーが確立され、日本人でもジュエリーを身につける意味がある。そして、ジュエリーを身につける意味自体を伝えていきたいと、米井さんは考えています。
米井さんが目指しているのは、「日々の生活をひたむきに生きている人に向けた」ジュエリー。これは、単純に安価なジュエリーというものではありません。
「打ちひしがれるようなことがあったときや、困ったことが起きたときにこそ、ジュエリーは傍らに寄り添ってくれるもの」ととらえ、さまざまなご提案をしています。常に最も身近に寄り添うもの、それがジュエリーの本来の役割ではないかというふうに考えているのです。
今、求められているジュエリーはどんなものか。そこから職人、ジュエリーアーティスト、エングレーバー(彫金師)とともに作り上げていく。それが米井さんが目指す日本のジュエリーなのです。

コミュニティ運営はビジネスの重要な要素
米井さんは、若手ジュエリー・クリエイターのためのコミュニティ、「ジュエリー・アーティスト・ジャパン」の代表としても活動しています。これは、「自分のアイデンティティを見つめ直し、社会に必要とされるものづくりをしよう」というコンセプトのもと、若手の勉強になるようなイベントを開催する団体です。

最近では、ジュエリーアーティストと実際にジュエリーを身につける人々を結びつける「クリエイターズセッションナイト」というイベントを開催したり、2017年に開催された三越伊勢丹グループのキャンペーン「JAPAN SENSES」に合わせ、伊勢丹新宿店で「JEWELRY & LIFE」というプロジェクトに企画段階から参画したりするなど、さまざまな活動を行っています。
ジュエリー・アーティスト・ジャパンはボランティアで活動を続けていて偉いね、とよく言われます。でも、私としてはけっこう下心を持って活動しているんですよ(笑)。現時点では、まだビジネスになっていませんが、これからはコミュニティや、人と人がつながっていることが、ビジネス上も重要な要素になるだろうと信じているのです。

ジュエリーは、富の消費や象徴として語られることが多いものですが、もっと生活に根ざし、我々の心のよりどころになり得るもの。そんな「日本のジュエリー」の確立を目指す米井さんの想いは、Mugendai(無限大)のインタビューでお楽しみください。
Image: Mugendai(無限大)
Source: Mugendai(無限大)
三浦一紀
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