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HOW I WORK

夜型から朝型に。ニューヨークのIT企業で働くウェブ開発者デヴィッド・リヴェラさんの仕事術

夜型から朝型に。ニューヨークのIT企業で働くウェブ開発者デヴィッド・リヴェラさんの仕事術
Photo: 安部かすみ

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回は、(株)ヌーラボで働く、デヴィッド・リヴェラ(David Rivera)さんの仕事術を紹介します。

ヌーラボ(Nulab)は、日本をはじめ世界各地で、チーム内のコラボレーションツールの開発と提供を行なっている、福岡発のグローバルIT企業です。ウェブ開発者のデヴィッドさんは、ヌーラボのニューヨーク支社で働いて2年半になります。仕事の合間にはクラブでDJプレーをしたり、サッカーやバレーボールなどエクササイズも楽しむなど、かなりのアクティブ派。仕事と趣味をどのように両立させ生活を楽しんでいるのか、聞いてみました。

居住地:ニューヨーク・ブルックリン

職業:ヌーラボのウェブ開発者(フロントエンド・エンジニア。担当はNulab、Cacoo、Backlogのウェブサイト)

仕事の仕方を一言で言うと:ハモニアス(協和的)

携帯端末:iPhone X

コンピュータ:MacBook Pro 13"(職場)、iMac 27"(自宅)

── まず略歴から教えていただけますか?

私はホンジュラス共和国出身です。私立のキリスト教ミッション系のバイリンガルスクールとアメリカンスクールに通ったので、小さいころからスペイン語と英語の2ヵ国語環境で育ちました。母親とはスペイン語で、妹とはスパングリッシュ(英語とスペイン語がミックスした造語)で話していましたが、父親にはよく「どちらかの言語できちんと話しなさい」と注意されたものです。

ノースカロライナ大学グリーンズボロ校に留学するために、1996年に渡米し、在学中に知り合った女性と卒業後に結婚して現在に至ります。アメリカでの生活がホンジュラスにいたころよりも長くなったので、今はどちらかというと英語の方が得意です。

── 現在の仕事に至るまでの経緯を教えてください

リクルーター(人材派遣会社)を通して、ヌーラボの求人を見つけて応募しました。それまではフリーランスでウェブ開発のコンサルティングを5~6年、自宅オフィスで行っていました。心地良すぎてつまらなく、何かにチャレンジしたいと感じ始めていたころに出合ったのがヌーラボです。現在は同僚らと切磋琢磨し、自分のスキルを上達させることができ、毎日がとても充実しています。

── 1日の流れを教えてください

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Photo: 安部かすみ

最近は午前8時半ごろ、オフィスで一番に出社しています。もともとは夜型人間だったのですが、朝は効率的に仕事ができることがわかったので、朝型のスケジュールを気に入っています。

朝一番にするのは、前日に取り組んだことや今日の予定などを、オンライン上のHackMDにアップデートすること。そして、メールチェックしたり、Typetalk(ヌーラボが開発しているチャットツール)やBacklog(同プロジェクト管理ツール)で、自分への新たな課題(プロジェクト)や取り組みをチェックします。

午前10時15分から、朝の日課、開発チームの「デイリー・スタンドアップ・ミーティング」がスタート。現在取り組んでいることや困っていることなどを同僚に報告します。

ミーティング後は、社内ブログをチェックしたり、ソフトウェアやセキュリティ関連などの業界ニュースが掲載されたテックニュースをチェックします。それらを済ませて、自分のウェブ開発作業を始めます。

基本的に午前8時半に出社したら午後4時半には退社できるのですが、その日の課題が終わらなければ残業することもあります。

── 「これがないと生きられない」というアプリや、ソフトウェア、ガジェットなどを教えてください。

必須アプリは代表的なもので、Instagram, Netflix, Apple Musicなど。

仕事に必要なソフトウェアは、ウェブ開発に必要なTerminalと、コードを書くためのSublime Textなど。

ガジェットはiPhone、iPad、そして、趣味の音楽プロデュースのために必要なインストルメンタルのためのシンセサイザーTeenage Engineering Pocket Operatorは欠かせません。

携帯は現在iPhone Xを使っていますが、機能もサイズも、これまでのiPhoneで一番素晴らしいと思います。以前の指紋認証も満足していました。顔認証なんて動きが遅いのでは? と当初心配していましたが、使い始めてみるととても動きが早く、非常に気に入っています。

── 仕事場はどんな感じですか?

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Photo: 安部かすみ

ニューヨーク支社は、マンハッタンのダウンタウン、ノリータ地区のバワリー通りにあるビルの3階です。13~14人が働いていて、開発チームはバックエンド・エンジニアも含めて全部で6人。フロントエンド開発チームはマーケティングチームの3人と密にやりとりすることが多いです。ヌーラボは日本に3都市とシンガポール、アムステルダムにもオフィスがあり、たまに日本のスタッフとやりとりすることもあります。

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Photo: 安部かすみ

オフィスには卓球テーブルが置かれていて、スナックもペットボトルのお茶も豊富にそろっています。仕事の効率を上げるためなら何でも整備してくれる、すばらしい職場環境です。オフィス周辺にはおいしいレストランがたくさんあって、まったく飽きません。交通の便もよく自宅から地下鉄で20分という近さも気に入っています。

── お気に入りのライフハックを教えてください

好奇心を持って、新しいアイデアに常に前向きでオープンでいることだと思います。音楽、食べ物、ファッション、交友関係、すべてにおいて新しいことをするのが好きです。

── 同僚からどのように仕事を助けてもらっていますか?

モバイルデバイス、タブレット、コンピュータ…と、さまざまなデバイスのスクリーンサイズがありますが、それぞれのデバイスできちんとウェブサイトを稼働させることは、いつもチャレンジングです。

ソフトウェアのバグでうまく機能していないときは原因を探り、どうしてもわからないときは同僚に助けを求めます。同僚が別の解決策を知っていたり、以前同様のトラブルシューティングをした人もいるかもしれないので、問題解決が早くできることが多いです。

私たちは常に新しいことを学んでいて、より良い方向に向かおうとしているのですから、同僚とコミュニケーションを密にとり、問題の解決法や新しいアイデアをシェアし合えるのはすばらしいことだと思います。私たちのモットーは円滑にコラボレートする環境作りであり、私たちが作っているツールはそれを可能にするもの。コラボレートなくしてより良くしたいというのは、難しいですね。

── ToDoはどうやってトラッキングしていますか?

新たなアサインメントや取り組むべき課題、その期日などは、自社ツールのBacklogで管理しています。また、デイリーミーティングでシェアする内容はHackMDで管理しています。

── 苦手なことは何ですか? どう対処していますか?

うまくコラボレーションしていない状況というのがどうも苦手です。例えば、2~3のアイデアが強過ぎて独占状態の場合、誰もほかの新しいアイデアを出すことができなくなります。そのような状況に対処するのは難しく、フラストレーションや時間の浪費を感じます。

対処法として、私はできるだけ中立の立場で妥協案を探そうとします。すべてのよいアイデアが共有され、同じ方向に向かってみんながコラボレートするべきだと思うので、そこにいるすべての人が参加して貢献できる方法を見つけ出そうと努力します。

── どのように充電していますか? 仕事のことを忘れたいときはどうしますか?

私たちは、1日中ずっとコンピュータの前に座っています。だから体を動かして気分転換するのは必要です。オフィスが今の場所に移った1年半前、このエリアに精通しているスタッフは誰もいませんでした。引っ越し以来、同僚とこの界隈を探索していい店を見つけようということになりました。

近所においしいバブルティー(タピオカティー)のお店が何軒かあるので、毎週火曜日はランチ後に、有志だけでバブルティーを買いに行くのがちょっとしたお楽しみです。毎週水曜日も有志が集まってランチに出かけます。ポイントは毎回違うお店を試して、おいしいものを探し出すこと!

また、毎週火曜日と木曜日は午後3時にオフィスでヨガやストレッチをします。インターネットを見ながら、見様見真似でやるのです。同じビルにはヨガスタジオもあり、同僚と一緒に参加したこともあります。また、仕事上がりのハッピーアワー(飲み会)もたまにしますよ。

── 仕事をしていないときは何をするのが好きですか?

キャレスタティクス(ボディウェイトのエクササイズ)、サッカー、バレーボールで体を動かしています。サッカーはチームに所属していて、毎週木曜日の午後7時はサッカーの時間です。今日は水曜日ですが、プレイヤーが足りないと駆り出されたので、今週は2晩連続でサッカーをします。

エクササイズやインスタグラムをしていない時間は、たいてい音楽関係のことをしていますね。曲を聴いて購入したり、友人とシェアしたり、ラジオを聴いたり。

月2、3回の頻度で週末にDJもしています。Spotifyなどストリーミングサービスが台頭し、ラップトップさえあれば、スキルなしで誰でも簡単にDJができる時代になりました。

求められているのは集客力のあるDJで、スキルは重要視されません。でも私のこだわりは、ターンテーブルでレコードをまわす、フィジカルなアナログスタイルです。これには育った環境が影響しています。父が趣味でギターを弾き、ターンテーブルやミキサーなどが実家にあり、音楽は身近な存在でした。私の家にも買い集めたレコード、DJ設備、コントローラー、シンセサイザーなどがあり「自分のビート」をプロデュースしています。アナログな世界はスキルが必要ですから、練習は欠かせません。

また私はミクソロジー(新感覚でカクテルを作る手法)も、よく知っています。いろんなスピリッツの歴史や製造法、産地などを調べて、試し、新しいカクテルを作り出すのは本当に楽しいんです。

── 今、どんな本を読んでいますか?

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Photo: 安部かすみ

David McCullough著『The Great Bridge: The Epic Story of the Building of the Brooklyn Bridge』をちょうど読み始めたところです。家の近所にある大好きなブルックリン橋についての本です。橋の歴史やニューヨークのことについて、より掘り下げて書かれています。建造されたのは1883年、この橋は当時の最先端でした。美しい姿をそのまま残し、未だ現役です。橋を歩いて渡るとき、私はいつも楽しい気分になります。

── 同じ質問ができるとしたら、誰に聞いてみたいですか?

ありふれた答えかもしれませんが、もしまだ生きていたらスティーブ・ジョブズに質問してみたいですね。

── これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

Amor Fati(アモーファティ:ラテンのフレーズ)です。「起こることすべてを受け入れ、愛しなさい」という意味です。

── ほかに何か読者に伝えたいことはありますか?

私たちは得てして、大企業、ビッグブランド、有名人、名声などに支配され、目の前のものが見えなくなることがあります。でもどんな有名人だって下積みがあります。それを乗り越えての今なのです。

ですから、あなたの周りで無名だけど、すばらしいことを生み出そうとしているミュージシャン、クリエーター、アーティスト、かっこいいプロダクトを作りだそうとしているプログラマーがいたら、ぜひ注目しサポートしてあげてください。彼らこそが、すべてのスタート地点なのです。

取材・文・写真: 安部かすみ

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