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ムダな仕事を可視化して、残業を減らす3つの方法

ムダな仕事を可視化して、残業を減らす3つの方法
Image: Cube29/Shutterstock

働き方改革などを受けて、残業を抑制する要望は増すばかり。しかし、いくらタスクの処理速度を速くしても、限界があるのも事実です。もし、なかなか仕事が終わらないことがあるなら、「タスクの量を減らす」ことを最優先に考えてみてはいかがでしょうか。

ムリ・ムラ・ムダを徹底的に排除したトヨタの生産方式を開発したトヨタ自動車の元副社長、大野耐一氏の言葉はその本質を言い当ててくれています。

「ムダなことを努力することほど、ムダな事は無い」。まさにそうです。そこで今回は、日常のタスクの中にある隠れたムダを探し、どのようにして「ムダを捨てる」のか、その方法を紹介します。

伊庭正康(いば・まさやす) (株)らしさラボ 代表取締役

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リクルートグループ入社。残業レスで営業とマネジャーの両部門で累計40回以上の表彰を受賞。その後、部長、社内ベンチャーの代表を歴任。2011年(株)らしさラボ設立。リーダー、営業力、時間管理など、年間200回以上の研修に登壇。リピート率は9割以上。近著に、『面倒なやりとりがシンプルになる、仕事のコツ48(かんき出版)』がある。「無料メールセミナー」も好評。公式サイト

3つの観点でチェックすれば、ムダが見える

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Image: cifotart/Shutterstock

ムダなことは捨てるべき、とよく言われますが、実際に業務を抱えている立場からすると、ムダの判断は難しいものです。それをやめると、どんな影響が出るのか不安もあり、なかなか勇気がわかないのも事実です。

しかし、たった3つの観点で自問自答するだけで、隠れたムダが見えるようになります。その質問が次の3つ。

質問1:やめることで、「お客様の満足」が低下するか?

質問2:やめることで、「従業員の満足」が低下するか?

質問3:やめることで、「リスクマネジメント」上の問題があるか?

もし、1つでも当てはまるようであれば、やめる対象ではないでしょう。

しかし、これら3つの質問(全項目)に当てはまらないようなら、やめても影響は無いはずです。もし続けているならば、やめる勇気がないのか、そこに問題を感じていなかったのかといったことでしかありません。

まず、あなたの1週間の仕事を振り返ってみて、この3つの観点で診断をしてみてはいかがでしょう。意外と、あのミーティングや会議、あの資料の作成など、当たり前のようにやっている仕事が、誰のためにもなっていない仕事なら改善のチャンスです

1回で済ませて、一石α鳥に

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Image: Jiw Ingka/Shutterstock

前職のリクルートグループに勤めていた時に“なるほど”と思ったことがありました。創業者の江副浩正氏が従業員に伝えた「仕事の進め方(手紙)」の1つに“時間を最大限に使うために、1回で済ませられることは済ませる”といったようなメッセージが残っていました。私が入社した時には、既に江副氏は退任していたのですが、その考え方を実践してみると、シンプルながら、その効果を実感したものです。

たとえば、営業職としましょう。1回の訪問で担当者と会うだけではなく、ついでにその担当者の上司に挨拶をし、さらには現場を訪問して、納品した商品の使い勝手もヒアリングする。さらには、担当者に今年の計画だけではなく、来年の計画も聞いておく、といったように、「一石α鳥」で用事を済ませることをデフォルト(標準)で考えます。

しかし、一度に済ませると言っても、何をしてよいのかわからないもの。そこで、次の観点で整理をしてみると良いでしょう。メインの用事を済ませる際に以下の4つの切り口で考えてみてください。

1. 過去の視点:ついでに、「アフターフォロー」はできないか?

納品後のアフターフォロー、過去1年の状況確認、など

2. 未来の視点:ついでに、「この先の用事」も済ませられないか?

次のステップを同時にやってしまう、 1カ月以内の用事を済ませる、など

3. 関係者の視点:担当者以外への用事をつくれないか?

他部署の紹介をいただく、担当者の上司に会う、現場責任者に会う、など

4. お礼の視点:お礼を言っておくべき人はいないだろうか?

伝えるべきお礼を言えない場合、お礼を伝える

この4つの「ついでに」を切り口にして考えると、「一石α鳥」で済ませられることも多いものです。

やめる不安は「リーンスタートアップ」で乗り越える

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Image: : blocberry/Shutterstock

ムダがわかったとしても、やめる勇気を持てないこともあります。時には、周囲の反対を受けることもあるでしょう。そんな時、オススメの方法が「リーンスタートアップ」です。

アメリカのシリコンバレーではスタンダードとされる、イノベーションを開発するためのマネジメントモデルのこと。これを、日々のリストラに応用します。リーンスタートアップの流れは次の通り。

1. まず、いくつかのアイデアを出す。

2. アイデアをスクリーニング(選択)する。

3. リスクのない範囲で実験(時期、範囲を決める)をする。

4. 検証を行い、次のアクションを決める。

「これを進める」「即刻やめる」「別の方法で試してみる」

このように、ムダなタスクをやめるアイデアがあるなら、リスクのない範囲で、やるべき範囲と時期を特定し、小さく実験してみてください。

私もリーンスタートアップで、数十年間も当たり前のように実施されていた朝礼をなくしたり、直行直帰を推奨したり、当たり前の習慣にメスを入れることができました。

ぜひ、トライしてみてください。

さて、今回は、「ムダな仕事」をなくす方法を紹介しました。残業を無くし、成果を出し続けるためには、「速く」する工夫より、「何を捨てるか」を考える方が、よほど賢明です。ぜひ、今回のノウハウを活かして、さらに生産性のアップにお役立てください。


Image: Cube29 , cifotart , Jiw Ingka , blocberry/Shutterstock


伊庭正康

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