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HOW I WORK

6社を起業、5社は売却。画像加工アプリPicsArtの創設者、ホブハン・アボヤンさんの仕事術

6社を起業、5社は売却。画像加工アプリPicsArtの創設者、ホブハン・アボヤンさんの仕事術

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回は画像加工アプリPicsArtの創設者であるホブハン・アボヤンさんの仕事術です。

ホブハン・アボヤン(Hovhannes Avoyan)さんは、自作のアート作品をオンラインに載せた彼の愛娘が、ネットでひどく叩かれて泣かされたことがきっかけで、PicsArt社と一連の自社アプリを作り、アートや写真の制作と発表を目的とするソーシャルネットワークもはじめました。今や、そのネットワークは毎月1億人以上の積極的なユーザーでにぎわっています。ホブヤンさんに、彼のインスピレーションや発展プロセスと会社に対してどのようにポジティブなアプローチをしているのか、聞いてみました。

居住地:サンフランシスコ

現在の職業:PicsArtのCEO兼創設者

仕事の仕方を一言で言うと:効率的

現在の携帯端末:iPhone

現在のPC:MacBook 13

── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?

私はソビエト連邦で生まれ、あるときすべてが一気に崩壊したときはショックでした。電気も暖房もなく食料も生活必需品も不足するという経済的に恵まれない状況で辛い数年を過ごしました。このような環境で成長したおかげで、私は、いつなんどき危機に直面するかわからないスタートアップの世界には不可欠なレジリエンス(困難からの回復力)を培うことができました。

私はキャリアのほとんどはシリアルアントレプレナーの道を歩んできましたが、同時にほかのスタートアップの投資家でもあります。1997年に設立したソフトウエア会社を皮切りに、長年にわたって数社を設立して、そのうちの5社は売却しました。PicsArtは私が設立した6番目の会社です。私の娘がオンラインでアート作品を公開したらネットで叩かれて辛い思いをしたことがきっかけでした。そのことがあって、すべてのクリエイティブが作品を批判されることなく自由にシェアできて、有意義な形でコラボしあえる安全なスペースを作りたいと思いました。

──最近の1日の流れを教えてください

私の朝は45分間のワークアウトではじまります。これをすると、1日分のエネルギーがわいてきます。職場では、ミーティングの時間は少なめにして、戦略的なことに投じる質の高い時間を増やすようにしています。プロダクトチームとプロダクトのアイディアを練るのは大好きです。たとえば、第四四半期には、Challengeシリーズのプロダクトをデザインし直すことに密に取り組みました。

あと、我が社の製品の使用パターンや難点を理解するために、ベータテストやPicsArt VIP(影響力の強いユーザーのことです)の皆さんのチャットに参加しています。これは、私とプロダクトチームが総合的により良いアプリ体験をユーザーに提供することに役立っています。また、私は毎日PicsArtを使ってアートを制作して、PictsArt上で他のクリエイティブたちとつながります。グローバルチームが多様な時差の国々で働いているので、私も夜中までオンラインでつながって毎日のできごとをコーディネートすることがよくあります。とはいっても、ワークライフバランスを保ち、家族と過ごす時間も大事にしています。

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

スマートフォンです(iPhonesとAndroidを何個か持っています)。いつも自社アプリをテストしているからです。私はPicsArtのとても積極的なユーザーです。今この瞬間に私のフォロワー数は4687人で、定期的に投稿するようにしています。このフォロワー数は仕事で獲得した人数だけであって、私の個人的なアカウントを他のユーザーにプロモートしたことはありません。

他には、執筆にはGoogle docsを、アイデアのスケッチには我が社のお絵かきツールでのColorを使っています。

── 仕事場はどんな感じですか?

私のオフィスはサンフランシスコの金融街にあって、とてもオープンなスペースになっています。オフィスの中はオープンな環境にしておくのが好きなので、会議室の外にいてチームと接していることが多いです。チームのメンバーは戦略や優先事項について私とちょっと話したいときは、いつでも私のオフィスに入ってきてくれてかまいません。

もう少し砕けた感じでチームがより緊密に協力しあえるオフィススペースがほしかったので、最近新しいオフィスに引っ越しました。それから、きっちりした会議室の数を減らして、ラウンジタイプのミーティングエリアをいくつか作り、創造性やアイディアがわくようにしました。これで、メンバー間のやり取りや創造的なアイデアが増えると思います。

── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?

自分のエネルギーや成功意欲を喪失しないようにしていると、強くなれます。私はたとえ辛いときでも常にポジティブな面を見るようにしています。回復力とストレスに対する耐性がスタートアップの起業家には最も重要なハックです。自分にあったやり方でストレスを解消しましょう。私は瞑想とワークアウトを好んで取り入れています。

── どんな人たちからどのように仕事を助けてもらっていますか?

いつも周囲に頭が良くて情熱的な人たちがいてくれるので、私はとても幸せです。前のスタートアップで一緒に仕事をしたマネジメントチームから何人かPicsArtに連れてきました。その後採用した人たちも、すぐにPicsArtマネジメントファミリーの一員になりました。

リモートオフィスがいくつかあるので、スムーズで効率的に物事を進めていくために私のチームはとても高いレベルの信頼を得る必要があります。この信頼関係を作るために、仕事をするときは透明性を大切にしています。我が社のカルチャーは、「許可でなく許しを求めよ」という格言に従っています。我が社では、誰かが決めるのを待つより、自分が説明責任を取れるリスクを取って自分で決断をします。同時に、自分よりうまくできる人がいるとわかっている仕事なら、相手にそれをする時間とスキルがあるときは、頼んでやってもらいます。

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Photo: PicsArt

──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?

私用ではGoogle DriveのSheetsとDocsを使っています。会社レベルでは、チーム全体のタスク管理とプロジェクト管理にJiraを使っています。

──苦手なことは何ですか? どう対処していますか?

年に一度の人事考課です。私は他人を批判したくないですし、直属の部下にやたらとかしこまってもらいたくありません。もっと友だち関係のように思っているので、正式な人事考課はフィットしません。でも、組織がどんどん大きくなっているので、組織運営のためには形式が必要なときもあることは理解しています。

──どのように充電していますか? 仕事のことを忘れたいときはどうしますか?

料理、テニス、水泳、旅行、友人と会うことです。

──仕事の合間に何をするのが好きですか?

昨年私は健康を害したので、今年はフィットネスの努力をすることに決めて、それを1つのプロジェクトにしました。ワークアウト、食生活、瞑想、総体的にもっとポジティブに考えることを日々心掛けています。

──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?

月に2、3冊は読むようにしています。最近はAI、マシンラーニング、神経回路網に関する本を読みました。90年代に私はAI研究者でしたが、最近までその分野はほぼ停滞していた感じがします。でも、今はとてもホットな話題になったので、私はトレンドの先端にいるようにしています。PicsArtでは多くのAIツールを使っていて、膨大なデータセットがありますから、これはただの趣味に留まらず、将来の発展に重要でもあります。

──今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏に同じことを聞いてみたいです。これほど短期間にここまでの成功を成し遂げた人はほかに知りません。

──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

アリアナ・ハフィントンさんの言葉で、「失敗は成功の反対ではない。成功の一部である」です。私も自分のキャリアを通して同じことを学びました。

──ほかに何か読者に伝えたいことはありますか?

創造力を大切にしましょう。それには練習が必要です。創造力は、キャリアと人生を通して鍛えていかなければならない筋肉です。我が社は、その手始めとして、PicsArtを作りました。子供たちは創造的ですが、それは、学びの一部だからです。人は皆、学び続け、創造的でなければなりません。そうすれば、物事がうまくいかなくなったときも、状況を改善できて、総合的にはより良い人生になるからです。


Image: Lifehacker US

Source: PicsArt, Atlassian

Nick Douglas – Lifehacker US[原文

訳:春野ユリ

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