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バラエティ番組にあふれている“おもしろいフレーズ”を英語にしたらどうなる?

バラエティ番組にあふれている“おもしろいフレーズ”を英語にしたらどうなる?

ご存知の方も多いと思いますが、『英会話 ウケる例文練習帳』(デイビッド・セイン、近藤祐次著、アスコム)の著者のひとりであるデイビッド・セイン氏は、英語に関する多くのベストセラー本を生み出してきた人物。日本で30年近く英語を教えてきた実績の持ち主でもあり、日本人に合った日本人のための英語マスター術を多数開発しています。

しかし新刊である今作は、ちょっと変わった内容でもあります。というのも、放送作家であるもうひとりの著者、近藤祐次氏のアイデアに基づいているから。

A: お元気ですか?

How are you?

B: はい、元気です。あなたはどうですか?

I am fine, thank you. And you?

(「はじめに」より)

英語の勉強本によくあるこうした例文は、「かなりつまらない」と感じたことがそもそもの発端。そこでデイビッド・セイン氏の力を借りて、「バラエティ番組にあふれている“おもしろいフレーズ”を英語にしたら楽しいんじゃないかな」と考えて例文をつくったというのです。

たとえば「寝てる間に金降ってこねーかなぁ」「明日から本気出す。明日から」など、教科書には絶対に出てこない例文ばかりが並んでいるということ。しかも単におもしろいフレーズを英語にしただけではなく、その英語から、知っておきたい言い回しなどをマスターできるようになっているというのです。

つまり、

1. 例文がおもしろいから楽しい

2. おもしろい例文から英語の基本が学べる

3. 記憶に定着しやすい

4. 人に話したくなるので、さらに定着しやすい

5. 何度でも読み返したくなる

6. 外国人とのコミュニケーションのツールにも使える

7. スキマ時間にいつでも読める

というメリットがあるということ。果たしてどんな例文が登場するのでしょうか? CHAPTER 3「正直すぎる英語」のなかから、いくつかをピックアップしてみましょう。

ここだけの話はすぐ広まる

Nothing spreads quicker than a secret.

この例文が教えてくれること

Nothing…比較級 than~

「~ほど…なものはない」

これはネイティブがよく使う表現で、たとえば、以下のようにも使えるそうです。

Nothing is better than a cold beer in summer. 夏のビールに勝るものはない。

Nothing is heavier than a box of books. 本の箱ほど重いものってないよな。

Nothing spreads quickerは「より早く広がるものはなにもない」、than a secretは「ここだけの話より」の意味で比較級の文。つまり「ここだけの話」a secretがいちばん早く広まるという最上級の文を比較級で表しているということです。(106ページより)

Twitterやる暇あったら、なんかやろうよ

If you have time for Twitter, let’s do something real.

この例文が教えてくれること

If you have time for…, let’s~

「…している暇があったら~しよう」

これはネイティブがよく使う表現で、たとえば、以下のようにも使えるそうです。

If you have time for drinking, let’s work some more. 飲んでる暇があったら、もっと働けよ。

If you have time for watching TV, let’s take out the trash. テレビ見ている暇があったら、ゴミ出してよ。

Have time to…で「…する時間がある」。<let’s + 動詞の原型>で「~しよう」という意味の文になるため、let’s do somethingで「なにかしよう」という意味。Realは「実際の」という意味なので、「口だけじゃなくて、実際にやろう」というニュアンスになるのだといいます。(112ページより)

気が小さいやつほど態度がでかい

↓ Only the weak have to boast.

この例文が教えてくれること

Only the…~

「…なほど…」

これはネイティブがよく使う表現で、たとえば、以下のようにも使えるそうです。

Only the rich are so stingy

お金持ちほどケチだ。

Only the good die young.

いい人ほど早死にするものよね。

<the + 形容詞>は「集合名詞」を表し、the weakであれば「弱い人、弱者」の意味。Only…have toは「…だけがしなければならない」の意味。Boastは「豪語する」という意味なので、「(強い人は豪語したりする必要はないが)弱い者だけが豪語しなければならない」すなわち「気の小さいものほど態度がでかい」ということになるというわけです。(116ページより)

今日やれないヤツは明日もやれない

↓ If you say you can’t do it today, you won’t do it tomorrow either.

この例文が教えてくれること

If you say you can’t…,~

「もし君が…できないというなら~」

これはネイティブがよく使う表現で、たとえば、以下のようにも使えるそうです。

If you say you can’t decide yet, you won’t decide anytime soon.

まだ決められないなら、この先すぐには決められないだろう。

If you say you can’t do it, it won’t get any easier.

できないというなら、やりやすくはならないよ。

Won’tはwill notの否定。ここでは「未来」ではなく、主語の「意思」を表しているといいます。「~するつもりはない」「~したがっていない」というニュアンスが含まれるのだとか。

(LINEの)スタンプ送って話終わらそうとしてるのに気づいてよ!

↓ Why don’t people see that I’m trying to end the conversation by sending a LINE stamp?

この例文が教えてくれること

Why don’t people see…

「なぜ…に気づかないの?」

これはネイティブがよく使う表現で、たとえば、以下のようにも使えるそうです。

Why don’t people see that I am trying to walk past them?

なんで人が追い抜こうとしているのに気づかないの?

Why don’t people see how hard I am working?

なんで私がこんなに働いているのを気づいてくれないの?

Why don’t people see…?「人はなぜ…がわからないの?」が直訳。That以下がseeの目的語になっているということ。目的語になるのは「名詞」なので、that以下は「名詞節」になるのだといいます(節とは「主語+動詞)。




他の章も「キザすぎる英語」「ダメすぎる英語」「キレすぎる英語」「エロすぎる英語」と、それぞれ切り口のユルさがポイント。それでいて実用的なことを学べるのですから、なかなか使い勝手がよさそうです。

Photo: 印南敦史

印南敦史

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