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30代から知っておきたい、わかりづらい「生命保険」の見直し方は?

30代から知っておきたい、わかりづらい「生命保険」の見直し方は?
Image: venimo/Shutterstock

こんにちは。家計再生コンサルタントの横山光昭です。

結婚、子育て、マイホーム購入とライフイベントが続く30代。家計をスリムにしてお金を貯める、いわば家計の土台づくりもしていきたい時期ですが、その際の大きなポイントとなる「生命保険」については、知らない、わからないことが意外に多いのではないでしょうか? 保険料は家計費のなかでは毎月出ていく「固定費」になり、保険料が多すぎるとなかなか貯金もできません。逆に上手に見直すことができれば、家計はグンとスリムになります。今回は30代の保険について考えてみましょう。

横山光昭(よこやま・みつあき)

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家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、これまで1万人以上の赤字家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は55万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計270万部となる。また、お金の悩みが相談できる店舗を展開するmirai talk株式会社の取締役共同代表も務める。

「貯蓄と生命保険」の両輪で将来に備えよう

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Image: Sergii Bob/Shutterstock

まずは、生命保険の大枠からお話ししましょう。

生命保険は公的な保険と民間の保険の大きく2つに分けられます。公的な生命保険は「健康保険」「年金保険」「介護保険」で、原則強制加入で、収入によって決められた保険料を国や自治体に収めます。

一方、民間の生命保険は入りたければ入る、入りたくなければ入らない、いわゆる任意加入になります。民間の生命保険は「人にすすめられて」「営業職員が知り合いだった」など「人まかせ」で加入するケースが多く、そのせいか、必要以上に入りすぎていたり、逆にまったく入っていなかったりと、目的に合った保険に、適正な保険料で入っている人が意外に少ないのです。

生命保険はひとことでいうと、「貯蓄では備えられないものを、まかなうためのもの」。小さなリスク(毎月の保険料)で、大きなリスク(死亡や病気)に備えています。つまり、将来への準備は、「貯蓄と保険の両輪」で用意しておく、と考えてください。

貯蓄と生命保険は両輪の関係ですので、どちらかに偏っては将来への準備が十分にできません。たとえば、ある新婚夫婦が毎月10万円貯蓄しているからと、生命保険に入っていない場合、子どもが生まれてすぐに夫が亡くなってしまうと、数百万円の貯金だけでは、将来に大きな不安が残ります。

逆に貯蓄性の高い生命保険に月々5万円払っているかわりに、貯蓄はごくわずか、という場合は、生命保険を解約しない限りまとまった現金がないという状況になり、マイホームの頭金が用意できない、ということにもなりかねません。

では、貯蓄と生命保険のバランスを取りながら、目的に合った生命保険に入るためにはどうすればいいのでしょうか?

生きるため、残った家族のため、貯蓄のため…生命保険には3つの役割がある

難しい、わかりにくいというイメージが強い保険ですが、「生命保険の役割」を知ると、グンとわかりやすくなります。

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Image: ライフハッカー編集部

上の図のように生命保険には、医療保険、死亡保険、貯蓄性のある保険の3つのタイプがあり、さらに3つの役割があります。

  1. 医療保険は、生きるための保障
  2. 死亡保険は、万一のときの家族の保障
  3. 貯蓄性のある保険は、貯蓄を兼ねた保険

医療保険には、病気になったときの入院費や手術代、働けなくなったときの収入などをまかなう「終身医療保険」をはじめ、保障内容は医療保険とほぼ同じですが、日本人がかかりやすい「がんや三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)に特化した医療保険」、介護が必要になったときの費用をまかなう「介護保険」などがあり、病気や要介護状態になったときに「生きるための保障」をしてくれます。

死亡保険には、「終身死亡保険」「定期死亡保険」「収入保障保険」などがあり、家計を支える人が亡くなったときなどに、「残された家族の保障」をしてくれます。また、死亡後の葬儀代をまかなうために、加入することもできます

貯蓄性のある保険には、「養老保険」「個人年金保険」「学資保険」などがあり、無事で満期を迎えた場合には、払い込んだ保険料に運用実績をプラスした分が、「解約返戻金」「年金」「一時金」として支払われ、「保障と貯蓄の両方を兼ねる」役割を果たします。

こう書くと「保障と貯蓄の両方を兼ねる」貯蓄性のある保険が一番いいような気がしてきますが、実は現在、これから入る生命保険としておすすめしづらいのが「貯蓄性のある保険」なのです。というのも、もともと保険料が高額なうえに、「ゼロ金利政策」などの影響で運用実績が落ち込み、貯蓄部分にあまりうまみがないからです。

ですので、これから入る生命保険としては「医療保険」と「死亡保険」に絞り、保険の特徴を考えながら、どの時期に、どんな保険に入ればいいかを、30代のライフステージごとに見ていきましょう。

ライフステージに合わせて生命保険を考えよう

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Image: TackTack/Shutterstock

まずは「死亡保険」を独身時代から考えてみましょう。独身のあなたが亡くなって、生活に困る人はいるでしょうか? 高齢のご両親の面倒を見ている場合など以外は、「死亡保険」は必要ないといえるでしょう。

次に、結婚して子供がまだという時期は、共働きなら不要、専業主婦(主夫)の場合は、掛け捨てタイプの「定期死亡保険」がおすすめです。そして、子供ができたタイミングで、終身や定期、収入保障の「死亡保険」に入るようにしましょう。

「死亡保険」は「残された家族の保障」をしてくれる保険なので、子供が大学を卒業するまで、妻の年金受け取りがはじまるまでは続けるようにしますが、それ以降は死亡保障は見直してもいいでしょう。

次に「医療保険」ですが、「医療保険」は「生きるための保障」をしてくれるので、独身、夫婦2人、家族3~4人というどのライフステージにおいても、加入した方が安心だといえます。

ただし、医療費については「高額療養費」「傷病手当金」などの国の保障制度や、「傷病見舞金」などの企業の制度があることと、入院日数の減少化傾向などの医療事情の変化により、たとえば30日間の入院でも、自己負担額(治療費、食事代、差額ベッド代など)は20万円程度で収まることが多いようです。この程度であれば、貯金でまかなうことも十分可能ですね。

ただし、がんなどの三大疾病にかかった場合は、入院日数が長期化しがちな脳疾患系の病気では、自己負担額が60万円を超えることもあります。三大疾病では仕事に復帰するのに時間がかかるケースも多く、収入減に陥ることもあります。そのため、独身でも、子供が独立したあとでも、「がん、三大疾病に特化した医療保険」には加入しておいたほうがいいでしょう。

このように30代の生命保険は、「一度入ったら終わり」ではなく、ライフステージの変化に合わせて柔軟に見直していくことが必要です。上手に見直すことができれば、家計がスリムになって貯金が増えますし、同時に将来の安心も手にすることができます。この機会に、引き出しのなかで眠っている生命保険の証書を取り出して、まずはご自分の保険の内容を確認してみませんか?


Image: Sergii Bob, venimo , TackTack/Shutterstock , ライフハッカー編集部

横山光昭

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