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デジタル時代に子どもの集中力を高める5つのコツ

デジタル時代に子どもの集中力を高める5つのコツ
Image : Elena Scotti/GMG via Lifehacker US

私がウエストバージニア州の小さな街で子ども時代を過ごしていたころ、放課後や週末のエンターテイメントはとても限られていました。友人の家に遊びにいくか、テレビを見るか、本を読むことぐらいしかありません。

私はいつも本を読んでいました。何時間も、ときには一日中、何の邪魔も入らずに、読書に没頭したものです。本に集中すること以外に、選択肢はなかったのです。

一方、現代の子どもたちは、注意を奪うものに取り囲まれています。自ら望んで注意を向けるもの(テレビ、ビデオゲーム、友人からのテキストメッセージなど)もあれば、望まないのに注意を奪われてしまうもの(アプリの通知、隣の部屋で電話をする母親の声、家族からのテキストメッセージ)もあります。あのころのように、何からも邪魔されずに何時間も読書に没頭する子どもなど、もはや別世界の話のように思えます。

最近、ブルッキングス研究所の研究チームが、頻繁に邪魔が入ると、子どもの実行機能が阻害されることを明らかにしました。実行機能とは、ハーバード大学 Center on the Developing Childの定義によれば、「計画、注意の集中、指示の記憶、複数のタスクの遂行を可能にする心理作用」のことです。

今回私たちは子どもたちの実行機能を向上させたり、集中力を高めたりする方法を知るために、この論文の執筆者でもあるブルッキングス研究所のKathy Hirsh-Pasek氏とClaire Cameron氏にお話を伺いました。

1. スクリーンを見る時間を制限する

米国小児科学会は、2歳から5歳の子どもにとっては、”高品質”の番組でも、1日1時間以上見ることは望ましくないとしています。「子ども向け番組に関するまともな研究は、PBS(公共放送サービス)に関するものしか存在しない」とバッファロー大学院教育大学の幼児教育専門家であり、近刊の『Hands On, Minds On』の著者でもあるCameron博士は言っています。

同じ時間だけスクリーンを見ていても、内容によってその影響は異なります。ある研究で、スポンジ・ボブを見ていた未就学児は(ゆったりとしたペースの番組を見て、絵を描いて過ごした子どもに比べて)注意力が散漫になっていることがわかりました。

子ども向けアニメ番組の多くがそうであるように、スクリーンのめまぐるしい変化が子どもたちの集中力を阻害します。ですので、子どもに見せるなら、セサミストリートやミスターロジャーズのような番組にすべきです。

一方、年長の子どもに、テキストやブラウジング、チャット、ゲームを制限させるのは簡単なことではありません。とくに、子どもが自分のスマートフォンを持っているならさらに困難となります。それでも、保護者が子どもに制限を課すことは可能です。

テンプル大学の心理学教授であるHirsh-Pasek氏は、夕食時などに、親と子どもの両方がスクリーンを見ることを禁止する時間を設け、子どもが宿題に取り組む時間はスマートフォンを遠ざけておくことをすすめています。また、米国小児科学会は、家の中に(たとえばベッドルーム)、「メディア禁止区域」をつくることを提案しています。

10代の子どもに関していえば、自分たちでルールを決めることを奨励すべきだとCameron博士は言っています。

親と子の相互の合意にもとづいたルールをつくるようにします。親から一方的に押し付けるものではなく、対話によってつくりあげるルールです。スクリーンを見てはいけない時間を設定すべきですが、どの時間が都合がいいかについては、子どもたちの希望を聞いてあげてください。

また、年長の子どもには、少なくとも集中すべきときには通知やアラートをミュートするように指導すべきです。「ノイズを遮断するために」とHirsh-Pasek博士。

2. マルチタスキングに関して話し合う

現代の子どもたちのようなデジタル・ネイティブ世代なら、自然とマルチタスクができるようになっていると思うかもしれませんが、実際、98%の子どもはそうではありません。子どもたちに、ほとんどの人がマルチタスクが苦手であることを示す研究を教えてあげましょう。

「結論を言えば、『スーパータスカー』は私たちのたった2%しかいません」とHirsh-Pasek氏。

残りの人たちはマルチタスクをすると能力が低下してしまいます。生産性が30%も落ちるのです。

ですので、子どもたちに読書をするときには、スマートフォンやテレビ、ビデオゲームを遠ざけておくほうが早く読めることを教えてあげてください(マルチタスクのコストについてはPsychology Todayがうまく概説しています)。

3. 計画(および再計画)

無分別な衝動は実行機能の大敵です。「大人も衝動的です」とHirsh-Pasek氏。

私たちは、ただ気になるからという理由で、メールが届くそばから返信しようとします。

しかし、子ども(大人も)は、立ち止まって今何をすべきかを考えることで、よりよい結果を出せるようになります。それは、短期的にも長期的にも当てはまります。「2歳になる孫娘がいますが、まず考え、3つ数えてから行動に移すように言い聞かせています」とHirsh-Pasek氏は言います。

これは実行機能の「セルフコントロール」に関する部分であり、社会的および学術的な意味合いを持っています。年長の子どもには、「運動場でボール遊びをしたい? では、どうすれば参加できるか少し考えてみよう。思い通りにいかないときは心を落ち着けて深呼吸をしてから、どうすればいいか考えるようにして」と話すとHirsh-Pasek氏は言っています。

そうすることで、子どもたちは、外部からの刺激に突き動かされて行動するかわりに、自分の意志で行動できるようになります。また、計画が狂った際にも、柔軟な思考が可能となります。

4. 実践、実践、実践

ハーバード大学のThe Center on the Developing Childが、保護者が一緒になって子どもたちの実行機能を育成するための活動を紹介しています。赤ちゃんから十代の子どもまで、年齢層ごとに推奨する遊びが載っていて、たとえば小さな子どもが情報を記憶したり、次のステップをプランしたりするのに役立つ、Simon SaysやGo Fishといった遊びが紹介されています。単純なクラッピングゲームやライミングゲームも、記憶力や実行機能を育てるのに役立つでしょう。

研究者やハーバード大学は、年長の子どもたちには集中力の持続を必要とする「昔ながらのアナログな活動」「武道やダンス」「楽器演奏」「演劇」などを推奨しています。

「放課後に演劇に取り組めば、その時間はスマートフォンを触らずに過ごすことになります。それは、次々とやってくるテキストメッセージを無視する能力を鍛えていることでもあります」とCameron氏。

十代の子どもは自分自身にこう尋ねるべきです。

私がこのデバイスを使っているのか、デバイスが私を使っているのか?

「誰かがテキストメッセージを送ってきたからといって、今すぐ見なければいけないわけではありません」とCameron氏。

しばらくの間でもスマートフォンを見ないでおけたら、その時間にもっと楽しくてもっと有益なことに取り組めます。

スクリーンから音が鳴るたびに集中力を切らしてしまうのではなく、決められた時間にテキストメッセージをまとめてチェックすることを教えれば、子どもたちが自己管理能力を高めるのを手助けできます。

5. 親自身がロールモデルになる

「夕食のときは保護者もスマートフォンを手放してください」とHirsh-Pasek氏。その場の会話に集中してください。あなた自身が長時間スマートフォンをいじらず、読書や仕事、個人プロジェクトに没頭する姿を見せてあげて’ください。くれぐれも、テキストメッセージにかまけたりしないように。

デジタルな誘惑に満ちた世界は、親であるあなたにとっても新しいものです。ただでさえ持続が難しい注意力を維持したり、ソーシャルメディア中毒に陥らないようにしたりするのは、けっして簡単なことではありません。

「デジタルな誘惑を衛生問題の一種と考えるとうまくゆく」とHirsh-Pasek氏は言っています。

保護者としての私たちの仕事は、ノイズを取り除いてあげることです。子ども部屋に入って、足の踏み場もないほど散らかっていたら、片付けるのを手伝ってあげるはずです。汚れ一つ無い部屋にする必要はありませんが、清潔な部屋にする必要はあります。この散らかった世界で成功するために必要な道具を、子どもたちに与えてあげてください。


Image : Elena Scotti/GMG via Lifehacker US

Leigh Anderson- Lifehacker US[原文

訳:伊藤貴之

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