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私が勇気を出して賃金交渉をする理由

私が勇気を出して賃金交渉をする理由
Image: Vladyslav Starozhylov/Shutterstock.com

男女間の賃金格差は、間違いなく存在します。

こちらをご覧になればわかる通り、男性の平均賃金と女性の平均賃金には差があります。あなたが信じようと信じまいと、その差は存在するのです。

男女間に賃金格差はないとする否定派は、差そのものを否定しているわけではありません。その重大さを否定しているのです。「女性は家で育児をしているのだから、差があるのは当然だ」とか「差があるのは女性が昇給交渉しないからだ」と言うのです。

否定派が格差の理由として挙げていることは、それ以外の人たちの目には問題として映っています。たとえば、女性は男性ほど昇給交渉しないというのは事実かもしれません。でも、女性がいざ交渉しても、社会的ハンディが立ちはだかるのもまた事実です。ハーバード大学の研究によれば、賃金アップを求める場合、女性は男性よりも手厳しく、好ましからざる交渉相手だと受け取られるのだそうです。

だからこそ私は、たいていの場合において、勇気を出して賃金アップを求めるようにしています。

人と対決するのを嫌う私にとって、交渉は苦手意識を持つ行為の1つです。私は親に、あれこれ要求を突きつけるよう躾けられたことはありません。母は働き者で、何の権利も求めない、移民のお手本のような人でしたから、私はいつも「目立つようなことはせず、何も要求せず、自分が持っているものをありがたく思いなさい」と教えられてきました。

母も私も、自分が持っているものに感謝しつつ、もっと要求しても良いのだと悟るまでには長い時間がかかりました(実は、現状に感謝するという姿勢は、賃上げ要求をする上では理想的な出発点なのです。なぜなら、要望が通らなかったとしても、今あるものですでに満足できているからです)。

それにもかかわらず、母と私は何年もの間、礼儀正しくて穏やかな労働者の立場に甘んじて、文句を言わずに生きてきました(女性の上司が私を呼んで「もっと自分のために声を上げていいのよ」と言ってくれたことがあったほどです)。2015年に発表された研究が示す通り、母と私は多くの女性たちと同様、「特定の状況下では、交渉は女性の役割と一致しない」という考えに感化されていたのです。でもあるとき、私は気づきました。自分に期待される役割を演じることで、その役割がますます強化されてしまうのだ、と。

それからは、どんなときでも、より高い賃金を要求することに決めました。新規でフリーの仕事を受けたときは、勇気を出してもっと高い報酬を求めました。クライアントとのつき合いが長くなってきたら、毎年のように賃上げを求めるようにしました。気まずくなることもあります。新しいクライアントが妥当なレートを提示してきているのに、私がそれより少しだけ高い額を求めたときは、5秒くらい沈黙が続いたあとに渋々こう言われました。

「まあ、いいでしょう」

そのあとの会話は、かなり冷めたものになってしまいました。

断られることもあります。心から一緒に仕事をしたいと思っていたクライアントには、こう言われました。

「残念ながら、今のうちの予算では無理です。この件はまた改めて相談しましょう」

でも二度と相談されることはありませんでした。私の目的の半分は「もっとお金を稼ぐこと」にありますが、残りの半分は、「率直に話せるようになること」にあります。率直に話せるようになれば私の稼ぐ力が上がり、男性との収入格差が少しだけ縮まるかもしれません。たとえ断られても、「女性はもっと高い賃金を要求しても良い」というメッセージを私が働く業界に対して送ることにもなります。

私がめざしているのは、女性がもう少し普通に「私の能力に見合うように、レートを見直してもらえませんか」と交渉できる環境づくりに貢献することです。けれども、良くも悪くも、そんな風には受け取られていないようです。

価値とは結局、「それは何か」に尽きます。お金はただのお金であり、それに意味を付加するのは私たちです。お金は私たちの仕事や技術、経験を象徴しています。ということは、賃金格差が存在する理由を釈明しようとするとき、私たちは同時に「女性の仕事における価値が男性の仕事における価値よりも低いのは(何でもいいから適当な理由を入れてください)だからだ」という考え方を受け入れていることにもなるのです。すべての女性が交渉できるわけではありませんし、「女性は何が何でも交渉するべきだ」という無条件のアドバイスを戒める専門家もいます。社会的リスクが高すぎる場合もあるからです。

もちろん、むしろ構造的な問題だと言えるこうした事態には、より包括的に取り組める解決策があります。それに、問題を正す責任が私たち女性だけにあるわけではありません。でもおそらく、ミクロなレベルで取り組む方法はあるでしょう。女性にとっては、交渉すべきは賃金を上げることだけではありません。女性に期待されている役割を広げることも必要です。

こちらの2005年の研究から、「女性は、自分自身のためだけではなく、ほかの人のために主張していると感じると、よりうまく交渉ができる」こともわかりました。言い換えれば、女性は誰かのためだと思うと、交渉がよりラクになるのです。ですから、交渉したいけれどまだその勇気がないという人は、それがほかの人のためになるのだと考えましょう。交渉しやすくなりますよ。


Image: Vladyslav Starozhylov/Shutterstock.com

Source: PayScale, The Washington Post, Harvard University, Forbes, The Atlantic, APA Psyc Net

Kristin Wong - Lifehacker US[原文

訳:浅野美抄子/ガリレオ

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