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マネー特集─今さら聞けない、お金の疑問

投資デビューはいつがチャンスか、今はベストタイミングなのか〜マネーハック心理学

投資デビューはいつがチャンスか、今はベストタイミングなのか〜マネーハック心理学
Image: Jacob_09/Shutterstock

昨年の夏ごろから先月くらいまでのあいだは、「今度こそ投資デビューしよう」と考える人が駆け込み、かなりの証券口座が新規開設されたようです。証券業界は株価が上がっている時期には新規口座開設ラッシュになり、株価が下がっているときには口座開設希望は閑古鳥になるのが通例です。

投資デビューに「今の株価はいいか悪いか」は愚問

そろそろ投資デビューをしてみたい、と考える人が悩むことのひとつは「いつが投資デビューに最適か」でしょう。しかも現状のように、一番値上がりした時期からはがくんと値下がりしてしまった時期は「やっぱりまた様子をみようかな」と考えてしまいがちです。

お金とココロの関係を考えるマネーハック心理学、今回は投資デビューのベストタイミングを探ってみます。投資デビューのベストタイミングも、「株価」よりあなたの「ココロ」の中にあるかもしれません。

投資デビューのベストは「株価が下がりまくったとき」だがなかなかデビューは難しい

もし、投資デビューのベストタイミングはどこか、あえて限定するとしたら「株価が下がりまくっているとき」です。なぜなら、株価が回復に転じることで、普通に銘柄選択をしていても、大きなリターンを得ることができるからです。

ここ数年でいえばアベノミクス前夜、日経平均株価が10000円を割っていたころに投資デビューをしていれば、そのころに買っていた銘柄はおそらく何を買っても大きなプラスとなっているでしょう。最近のように数日で日経平均株価が数千円下がろうとも焦る必要はまったくありません。

しかし、心理的にはこの時期のデビューはなかなか困難です。株価が下がり続けている時期には「もっと下がるのではないか」と考えるので投資デビューを見送ってしまいます。

少し株価が戻り始めた時期も、「少し戻っているようだがやっぱりまた下がるのではないか」と考えてしまうので、やっぱり投資デビューを見送ってしまいます。

株価がぐんぐん上昇しているときは、投資デビューの絶好のタイミングをすでに逃している、というのが本当のところなのですが、少し早く動くというのはなかなか難しいものです。

確実にカモにされる「退職金で投資デビュー」

逆に、最悪のデビュータイミングをあげるとすれば「退職金をもらったので投資デビュー」でしょう。これは何重の意味でも最悪です。

まず銀行などはあなたの退職金をねらっています。最初は「退職金を定期預金にしませんか?」「年金受取口座はぜひ当行で」と話をもってきますが、最近の超低金利を引き合いにして投資信託の購入を売り込んできます。投資信託を一定額買えば定期預金の金利もキャンペーンでアップする、とさえ誘惑してきます。

冷静に考えると高金利は最初の数カ月だけ適用されるものが一般的です。仮に「4%」と書いてあってもこれは年率なので、3カ月定期で3カ月後に受け取るのは年1%分でしかありません(金利は原則年利で表記するので違法ではない)。500万円預けても4%の20万円ではなく、5万円を一度もらったらその後は超々低金利に戻ります(さらに税金が2割引かれる)。

キャンペーンでは定期預金と同額の投資信託を購入するよう求められるのが一般的です。もし同額の500万円投資信託を買ったとします。仮に販売手数料として2%の手数料を払ってしまえばそれだけで10万円を渡すことになりますし、年1.5%の運用手数料を払う投資信託であれば、1年のあいだに7.5万円の運用手数料を支払うことになります。

さて、キャンペーン金利で得したはずのものはどこに消えていってしまったのでしょうか。投資デビューを退職時にしてしまうと、こういう簡単な計算にも気がつかず、「カモ」になるだけだったりします。

しかも、退職金は大きく減らしたくないという制約があるお金であり、あまりリスクを取れないはずです。また大きく値下がりしたとき、回復を待つ心理的余裕も時間的余裕もありません。

まとまったお金が手に入ったら投資デビューと考えるのは、実は最悪のタイミングなのです(実は投資デビューは100円から可能です)。

「知識が貯まってから」はあまり考えなくてもいい

投資をするのはもうちょっと勉強してから」と考えるマジメな人もいます。実はこれも、投資デビューを考えるにはあまりうまくありません。

投資の知識には、「デビュー前に持っておくべき必須リスト」がありません。自動車免許の仮免試験のようなものもないわけです。そうすると、マジメな人ほどいつまでたっても投資デビューできなくなります。

投資にライセンスはありませんから、むしろサクッと始めてしまうほうが実はよかったりします。投資金額を少なくして、借金では投資しないことだけ守ればいいのです。1万円で投資デビューしてしまえば、どんなに損をしても1万円以上は損しません(実際にはマイナス数千円で下げ止まるでしょう)。しかし生きた経験を得られます。

実体験はむしろ知識を呼び寄せてくれます。実際にお金を投資に回したほうが、経済情報や投資知識を習得する意欲が高まるからです。

個人投資家の分析には、むしろさっさと投資の実経験をしてしまったほうが、結果として投資知識も深まるという研究が実際にあるそうです。

投資デビューの正解は「思い立ったが吉日」すぐに口座開設手続きをしよう

そうすると、投資デビューに最適なタイミングはいつか、結論は、

「今日」つまり「思い立ったが吉日」

ということになります。

長い目でみれば株価は下がったのちに再び上昇に転じますし(経済が基本的には成長するから)、毎月一定額の積立投資を行なうと、最安値から半分程度戻っただけで投資資金としてはプラスに転じます(値下がり時期にたくさん購入することになるため)。「今は株価が下がっているから」という言い訳はむしろせず、さっさと投資デビューをしてしまうほうがいいはずです。

むしろ、投資デビューをしてもよい、と決心した人が、そのために証券会社の口座開設ページまでアクセスして必要事項を記入することのほうが大きな最後のハードルです。

こればかりはどんなライフハックでもクリアすることができません。ぜひ、「必要事項を記入して送信ボタンを押す」というところまでアクションしてみてください。

投資デビューに最適なタイミングを探し続けて、気がついたら60歳になっていた、なんてことのないようにしてください。


Image: Jacob_09/Shutterstock

山崎俊輔

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