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「宿題をやりなさい」と言う代わりに、「コンサルティング時間」を決めよう

「宿題をやりなさい」と言う代わりに、「コンサルティング時間」を決めよう
Image: antoniodiaz/Shutterstock.com

学校に通う子どもがいる家庭では、平日夜の「宿題戦争」はおなじみの光景です。そして、負けるのは決まって親側です。我が家では今年、娘が幼稚園に入ったのですが、私は今から戦々恐々としています。ケンカがはじまるのですから。娘が嫌がったら、私たち親は彼女に宿題をやらせる方法を考え出さなければなりません。何もかもが大変なことは目に見えています。もう今から私は心の準備をしています。

そんな私ですが、先日発売された『The Self-Driven Child: The Science and Sense of Giving Your Kids More Control Over Their Lives(自律的な子ども:子どもに自分の生活を自分で管理させることの科学と意味)』を読んだことで、開戦前にこの戦争を回避できるかもしれないと思うようになりました。

同書の中で、著者のWilliam Stixrud氏とNed Johnson氏は、宿題をめぐる子どもとの争いは家族に大きなストレスをもたらすだけでなく、結局は子どものためにもならないと述べています。子どもに宿題をさせること(あるいは、ピアノの練習をさせたり、学校で行われる劇の台詞を覚えさせたりすることなど)は親の役目であるかのようにふるまうと、「自分の行動の責任者はほかの誰かである」というシグナルを子どもたちに送ることになるのです。そうなると子どもは、意思決定を行ってその結果を受け止め、今のやり方が正しいのかを自問する機会を失ってしまいます。

また、これも同じぐらい大切なことですが、このようにふるまうことで私たちは、家庭が本来そうあるべき場所、つまり「安全な基地」であることを妨げています。Johnson氏はScientific Americanにこう語っています。

(家庭は)つかの間の解放を求めて帰れる場所、安心と無償の愛を肌で感じ、心からくつろげる場所であるべきです。エネルギーを蓄え、また外の世界に戻っていけるように。

そこでStixrud氏とJohnson氏は、思い切った方針転換を提案しています。私にとっては、刺激的であると同時に不安にも思える方針転換です。ようするに、親である自分を、子どものマネジャーではなく、コンサルタントとして考えようというのです。つまり、子どもの宿題やピアノの練習といった問題に直面した際には、「コンサルタントだったら、どうするだろう?」と自分に問いかけるのです。子どものやる気を高め、アドバイスを与え、質問に答え、そばで見守るのはかまいませんが、一歩引いて、子どもに自分の人生を歩んでゆく権限を与えてあげなければなりません。

これは、自由放任主義スタイルの子育てというわけではない、とStixrud氏とJohnson氏は言っています。つまり、制限を設け、あなたが何を心配しているのかを子どもに伝え、さらに、「途中のあらゆる段階で救命ボートを差し出して」あげるべきです。ただし、「ボートの操縦者はあなたではありません」と両氏はクギをさしています。

こうした「コンサルタントとしての親」モデルを確立するための方法の1つは、宿題の相談を受ける「営業時間」を決めることだ、とStixrud氏は語っています

私が親御さんたちに言ってきたのは、もう宿題のことでケンカしたくないのであれば、子どもに対して、「私が何か手伝えることはある?」と声をかけようということです。自分自身をコンサルタントと考え、それは子どもの宿題なんだと認識し、それを尊重するのです。子どもに宿題をさせようとしても無理です。あなたにできるのは、手伝いたいと申し出ることなのです。

「営業時間」を(例えば)午後6時半~7時半に設定したら、こう言ってください。「あなたとケンカするつもりはない。あなたことをとても愛しているから、あなたといがみ合いたくない。これはあなたの宿題。あなたはそれを理解できるはずだと信じている。手助けならするからね」と言いましょう。ある家族が、おかげで家の中の気温が5度は下がったと言ってくれました。

『The Self-Driven Child』の中で両氏は、営業時間を明確にすべきだと述べています。子どもがそれをうまく活用できる、できないにかかわらずです。もし子どもが午後9時半にやってきて、手伝ってほしいと言ってきたら、「宿題の時間はもう過ぎました。明日また6時半~7時半に相談を受けます」と言います。スケジュールの厳格さを理解すれば、子どもの集中力も高まるはずです。ただし、たとえば大きな課題に取り組んでいる時や、宿題の難易度が高い時などは、必要に応じて例外を認めてあげてください。

とはいえ、私の中の教育ママが、このアドバイスを聞いて過呼吸を起こしていることも事実です(価値のあるアドバイスであることはわかっているのですが…)。娘には自分の人生に責任感を持ってほしいと思っています。でも同時に、それが宿題であるならば、すべての惑星にきちんと色を塗ってほしいとも思っています。娘が宿題をしなかったらどうしよう? やらないのが当たり前になってしまったらどうしよう? 娘に宿題をやらせるように先生から言われたらどうしよう? 私にも両親にやらされたことがいくつかありますが、そうしてくれてよかったと今は思っています。

Stixrud氏とJohnson氏は、『The Self-Driven Child』の中でこうした疑問や懸念に回答していますが、そのほとんどは、子どもに「こうしてほしい」や「こうなってほしい」を強要できないという事実を、私たち親が受け入れるしかないという結論に行き着いています。もちろん、子育ては容易ではありません。これまでお尻を拭いてあげてきた我が子に、「ママ・ザ・コンサルタント」と書かれた新しい名刺を渡すなんて簡単にはできません。でもまずは、我が子は頭が良くて有能だという前提からはじめるといいのではないでしょうか。

こうしたいろいろなことが、今も私の頭の中を駆けめぐっています。一方には懐疑的な自分が今もいます。でも、現実を理解できるようになれば、子どもの行動を逐一管理する責任から解放され、子育てを純粋に楽しめるようになる、と両氏は言っています。そして子どものほうも、自分の道を自分で選ぶ能力を次第に身につけていくのです。


Image: antoniodiaz/Shutterstock.com

Source: Amazon, Scientific American, NPR

Michelle Woo - Lifehacker US[原文

訳:阪本博希/ガリレオ

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