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仕事の9割は3分で終わる? 外資系リーゼントマネージャーが編み出した「仕事圧縮術」

仕事の9割は3分で終わる? 外資系リーゼントマネージャーが編み出した「仕事圧縮術」
Photo: 印南敦史

すべての仕事を3分で終わらせる――外資系リーゼントマネジャーの仕事圧縮術』(岡田 兵吾著、ダイヤモンド社)の著者は、マイクロソフトシンガポールシニアマネジャー。これまでにアクセンチュア(日本、アメリカ)、デロイトコンサルティング(シンガポール)、マイクロソフト(シンガポール)の3社で21年間にわたり、シンガポール・日本・アメリカをベースに活躍してきたのだそうです。

注目すべきは、そうしたなかで学び、磨いてきたことは、日本のビジネスにおける課題である「労働時間の長さ」「生産性の低さ」を解決できると確信しているという点。

そして、早ければ1週間、遅くても3ヶ月の間で成果を出さないとクビになってしまう外資系企業で生き抜くために、次の3つのことを心にとめて仕事をしてきたのだといいます。

1. すぐに動く

2. 期限を死んでも守る

3. 常にインパクトを意識する

(「はじめに」より)

日本にいるときは、この3つを死守するためにプライベートを犠牲にし、毎日午前2〜4時に帰宅して仕事をこなしていたのだとか。ところが海外は「残業をゼロにしないとクビ」の世界。部下に残業をさせるのもご法度で、自身が残業しても「仕事が遅い=仕事ができない」と判断されてクビになるので、心がけるべきこととして、上記の3つに4つ目の項目を加えたのだといいます。

4. 仕事を圧縮する

(「はじめに」より)

時間をかければ誰にでもそれなりの成果は出せるけれども、評価されるのは最小限の労力で最大の成果を出す人だということ。いいかえれば、時間あたり生産性の最大化が求められるということです。そこで著者は14年の歳月をかけ、自分なりの仕事術「仕事圧縮術」を構築したというのです。それは、次の4つのステップで実現するのだといいます。

1. 量をこなす

2. 時間を決める

3. 型をつくる

4. 型からはみ出したものは自分でやらない

(「はじめに」より)

最初に方向性を決めるために量で提案し、時間を決めて遵守。最終ゴールに向けて型をつくり、余分なものは自分でやらず、他人を巻き込むという考え方。ひとつひとつのステップは決して難しくないけれど、4つのステップ、各々の仕事量の変化を意識して仕事することにより、初めて仕事を圧縮することができるというわけです。

しかも単にスピードアップできるだけでなく、質を保って仕事をこなすことが可能になるというのですから気になるところ。

仕事の9割は3分で終わります。終わらない1割も3分で判断します。そういう仕事は、未経験か不慣れのどちらかなので、まずは3分じっくり真剣に考えれば、作業も進み、次にどのような工程が必要かわかります。

(「はじめに」より)

この考え方を意識したうえで、第2章「時間を決めると、結果もスピードもついてくる」からいくつかのポイントを抜き出してみましょう。

目の前の仕事はすばやく、正確に、大量に片っ端から片付ける

仕事があふれかえっていたころ、「どの仕事から手をつけるかを考えること」が、著者の朝一番の仕事だったのだそうです。重要度や緊急度の高いものから手をつけていくわけですが、優先順位をつける行為も時間を費やすもの。そのため現在は仕事をする際、次の4つを心がけているのだといいます。

1. すぐに終わるものは、その瞬間に終わらせる

自分だけの確認で対応できる作業は、見た瞬間に意思決定を終わらせることが可能。優先順位などを考えず、ひたすらスピーディにこなしていくべきだということです。

仕事の依頼を受けたら、その場でその瞬間に考え、OKならすぐに「OK」と回答。また自分で対応を決められるものはすぐに決断し、作業を次に進めるわけです。大切なのは、できる範囲で作業を分解し、自分ができるレベルまではその場でやり遂げること。そして上司や責任者など、相談が必要な人たちに必要な協力を確認できるように、作業を次のステップへ進めること。

自分で判断できない内容は、解決策や今後の進め方など、自分ができるレベルまで整理。そして、自分のところに仕事を長く留めないように気をつけることが重要。ひとりが仕事を滞らせると、まわりの関係者の時間(=コスト)も奪ってしまうからです。

2. ミーティング中に仕上げる。決して持ち帰らない

著者によれば、議事録をミーティング中につくるのは「マスト」。たとえミーティング中に確認したいことが発生したとしても、電話やチャットを使ってその場で確認すべき。議事録はミーティング時に作成できるレベルで十分で、「後日、確認しましょう」などと持ち帰っては絶対にいけないそうです。

どうしても持ち帰る必要がある場合は、資料のアウトラインやおもなメッセージ、目的を確認し、ドラフト案だけでも打ち合わせ中に作成すること。そして、この合意されたドラフト案を少し修正し、ミーティング後、できるだけ早く確認してもらうべき。

ミーティング中は参加者の熱がいちばん高まっているので、アイデアも出やすいとき。逆にミーティングから時間がたてば経つほど、熱が冷めて質とスピードも落ちるわけです。だからこそ、持ち帰らずにすべてを決めることが大切だということ。どうしても持ち帰らなければならなかったとしても、後日早めに確認できるように、最大限の努力をする必要があるわけです。

3. 検討案でアウトプットイメージを共有し、正確に仕事を進める

すばやく大量に仕事をすると、当然のことながらミスが出やすくなるものです。しかし、ミスが出ないように仕事をしようとすると、作業が遅くなり、時間をとられることになります。

ちなみにここでいう「正確さ」とは、方向性やアウトラインのずれをなくすという意味においての正確さ。結果としてムダに工数がかかるのは、アウトプットが目的とずれてしまうから。そこで大事なのは、目的、アウトライン、成果物イメージを改めて確認したうえで検討案をつくり、アウトプットイメージを共有して、目で見えるかたちで意識を合わせること。

「ここが違う」とか、「そうそう、こんな感じ」という感触をつかむことで、その後、やりなおしを命じられたり、ムダな仕事をすることもなく、最短で仕事を進めることができるということです。

4. 仕事は短く区切り、密度を高く集中して行う

著者は「仕事の密度」にこだわるため、資料の用意や、次の企画についてのアイデア出し、メール処理などを並行して行わず、作業を一点に絞り、集中して処理するように心がけているといいます。仕事には集中力が求められ、特に大切なのは「最初の3分の猛ダッシュ」。集中力を持続させるのにも限界はあるので、「3分」「30分」を区切りとするなど、とにかく集中し、熱量高く仕事を進めることが重要だといいます。(86ページより)

仕事の9割は3分で終わる

著者はかつての上司からもらったアドバイスのなかでも、「5分の猛ダッシュ」「仕事をまずは5分間やり切る」ということが特に印象的だったそうです。この2つを徹底するだけで、いままではダラダラと対応していた仕事もスピーディに進められるようになったというのです。

ちなみに著者自身は、「せっかちだ」という理由から、最近では「5分」の基準を「3分」にしているのだといいます。「仕事は3分で終わる」をモットーとして、まずは仕事に取りかかるということ。

3分じっくり真剣に考えると、作業も進み、「次にどのような工程が必要か」がわかるというのです。なお3分で終わらない仕事も、いったん3分で終わらせるべき。それは、3分で仕事が十分にはかどることを体感してほしいからなのだといいます。(90ページより)




仕事の効率的な進め方をさまざまな角度から掘り下げた、とてもわかりやすい内容。外資系企業に勤める人のみならず、すべてのビジネスパーソンが活かすことのできるヒントがぎっしりと詰まっています。ぜひ、手にとってみてください。

Photo: 印南敦史

印南敦史

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