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1810年に出版された「旅行用心集」に学ぶ、現代人が忘れかけている「旅のマナー」とは?

1810年に出版された「旅行用心集」に学ぶ、現代人が忘れかけている「旅のマナー」とは?
Image: Balazs Szanto/Flickr

YouTuberのLogan Paul氏が、日本を訪問中に問題を起こしたのは記憶に新しいところ。まだよく知らない場所を訪れるときは、その土地ですべきこと、すべきでないことがあるのを覚えておいてください。

日本人は何百年も前からそうしたルールを理解していました。

さかのぼること1810年。八隅 蘆庵(やすみろあん)が、旅行者のためのガイドブック『旅行用心集』を発表。このガイドには、旅行者や過去の出版物から長年に渡って集められたヒント、アドバイス、マナーが記載されていました。当時も大ヒットしましたが、William A. Scott Wilson氏が翻訳した英語バージョンの『Afoot In Japan』を含めて、今日でも広く出版されています。蘆庵は、道中の心得をはじめ、地元を遠く離れた土地で旅人となるときに、どう振る舞うべきかをよくわかっていました。

道端の家や畑で作られている梨、柿、柚、蜜柑など果実類は、どんなにみごとに実っていても、いたずらにも手を出してはいけない。また、村の中で五穀はもちろん、庭に干してあるものは間違っても踏んではいけない。知らぬ土地で文句をつけられるようなことがあっては、こちらが正しくても勝ち目がないと思っていたほうが間違いない。

他人の家の食べ物を勝手に食べたり、踏みつけたりしてはいけないことは明らかですが、この項の教訓は、たんに果物や穀物に関する注意ではありません。最後の行に注目してください。旅をしているときは、他人を怒らせないように注意する必要があるということです。

現地の人があなたの振る舞いを咎めたとしたら、あなたが正しくても間違っていても、どのみちあなたが悪く見えるものです。ですのでくれぐれも、人気取りのために、ふざけて走り回ったり、死んだ魚やタコの足を人の顔の前に突き出したりすることのないようにしてください。

山中や野道などで若い女性、女連れでお参りに出かける一行などとすれ違ったときには、ひと通り挨拶をするほうがいい。それ以上のいらぬ話をしたり、または相手の田舎言葉をむやみに笑ったりしてはいけない。もめごとは、ささいなことから起こると覚えておくこと。

繰り返しますが、この項の本当の教訓は、女性をどう扱うべきかということではありません。限度を知るということです。自分が何を言い、何を笑うかに注意深くなってください。とくに、自分とは違うからといって笑ったりしないように。長居をしたり、失礼な質問をしたり、批判めいたことを口にしたり、自分とは違う(違うことをしている)人を指差して笑ったりしてはいけません。

だれでも知らないところへ行けば、言葉や風俗はいろいろに変わり、自分の住んでいるところの言葉と違うから聞き慣れず、また見慣れないうちは変だと思うのだが、向こうもまたこっちのことを変だと思っているに違いない。それを知らずに、よその土地の風俗や言葉を笑ったりするのは間違いである。他人の言葉を笑ったりさげすんだりすると、口論のもとになる。

慣れない食べ物や慣習を変だと思ったり、訪れた国の人びとを変だと思うことがあるかもしれませんが、おそらく、相手もあなたのことを同じように変だと思っていいます。よその国の人びとや慣習を笑ったり、見下したりするのは、最もトラブルになりやすいことの1つです。

そして、あなたがそうしたトラブルを起こせば、ほかの旅行者も悪く見えてしまいます。旅行中のあなたは、自分の国の非公式の使者であることを、忘れないでください。

途中で立ち寄って見たりしないほうがよいものは、けんか、口論、ばくち、碁、将棋、村の踊り、村の相撲、変死人、殺しの場面など。これは、人だかりがしているところは、物騒なことと、見当をつけて素通りしたほうがよい。

わざわざこんなことを言う必要があるとは思いませんが、事故やけんか、口論、遺体をじっと眺めたり(録画したり)するのは、そこがどこであれ失礼なことであり、敬意を欠くことです。

あなたが客人の立場ならなおさらです。何かが起きて人が集まっていても、あなたには関係のないことです。あなたは起きていることの当事者でもなければ、関心を持つ権利がある市民でもありません。必要があれば当局に連絡をし、そうでなければ立ち去りましょう。

蘆庵は、ゲームやダンス、相撲も立ち止まって見るべきではないと言っていますが、現在では、こうしたものは観光用のアトラクションとみなされていますので、見に行ってもよいでしょう。状況に応じて判断してください。何か居心地の悪さを感じたり、見ていいのか確信が持てないときは、むやみに近寄ったりしないこと。ましてや撮影するなんて言語道断です。


Image: Balazs Szanto/Flickr

Source: Amazon(1, 2), Kotaku

Patrick Allan - Lifehacker US[原文

(訳:伊藤貴之)

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