
あまり認めたくはありませんが、結婚生活(あるいは長い同棲生活)は、ロマンチックな恋愛というより、ビジネス・パートナーシップに近いものとなります。
パートナー間で効果的な交渉術とは?
組織心理学者のAdam Grantさんと妻のAllison Sweet Grantさんが、米メディアRedbookで「結婚生活にはたくさんの妥協と交渉が必要」と話しています。
Grant夫妻は、あとで不満が残るような妥協をしないための、4つの効果的な交渉術を教えてくれています。
米Lifehackerのお気に入りは紹介されている戦術のひとつ「両者ともが、どれかの議題で勝つようにする」です。夫婦の間に意見が一致しない重要事項が複数あるときは、1つずつの議題について両者が妥協し合うのではなく、そのすべてをまとめて交渉を開始します。
そうすることで、どちらか強いこだわりを持っているほうがその議題の交渉に「勝つ」ようにするのです。
たとえば、Grant夫妻はかつて、自宅にプールをつくるか否か、子どもにどんな名前を付けるか、という議題において意見が一致していませんでした。
Adamさんは自宅にプールをつくりたいと思っていましたが、Allisonはほしくありませんでした。Allisonさんは息子に特別な名前を付けたがっていましたが、Adamさんは乗り気ではありませんでした。
それでもよく話し合ってみると、お互いにそれぞれ別の議題により強いこだわりを持っていることがわかりました。そこで、夫妻は交渉することにします。
Allisonは、プールをつくるかどうかよりも、息子に特別な名前を付けることにより強くこだわっていました。
一方Adamは、息子が名前のことで馬鹿にされないようにしたいという気持ちよりも、息子に水泳ができる場所を与えたいという気持ちをより強く持っていました。
プールも名前もどちらも重要な決断ではありますが、人生最大の決断というほどではありません。
また、AdamさんもAllisonさんも、2つの議題を重要だと考えていましたが、お互いを十分に尊重し、信頼していたので、相手の意見を受け入れることができました。
ふたりに強い信頼関係があれば、自己犠牲を払って相手の意見を受け入れることははるかに容易となります。
Grant夫妻はこのほかにも「最終提案ゲーム」や、交渉を有利にする「アンカリング」などのメソッドを紹介しています。
なかには、計算高かったり、操作的だと感じられるメソッドもありますが、どちらにも不満が残る中途半端な妥協で終わるよりは、こうしたメソッドでうまく交渉するほうがよい結果となるでしょう。
生涯にわたるパートナーシップには、お互いにうまく自己犠牲をしあうことが不可欠となります。とくに、第3のパートナー(子ども)をつくることを計画しているなら、なおさらです。
Image: Anthony van Dyck
Source: Redbook
Nick Douglas - Lifehacker US[原文]
訳:伊藤貴之
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