lifehacker

特集
カテゴリー
タグ
メディア

書評

仕事でイライラしないために意識しておきたいこと

仕事でイライラしないために意識しておきたいこと
Photo: 印南敦史

世の中には多くのライフハックがありますが、怒りの感情のマネジメントについても知っておくと便利なものが多数存在します。そのひとつが、イライラしてしまう悪い習慣を知り、それをやめて、よい習慣を持つこと。

そう主張するのは、

(安藤俊介著、大和書房)の著者。一般社団法人日本アンガーマネジメメント協会代表理事として、企業、教育委員会、医療機関などで数多くの講演や研修を行なっているという人物です。

本書で紹介しているイライラしない習慣術のベースにあるのは、1970年代にアメリカで生まれたアンガーマネジメントという心理トレーニングです。

アンガーマネジメントの目的は、怒らなくなることや、イライラしなくなることではありません。怒る必要のあることに対しては上手に怒れて、怒る必要のないことに対しては怒らなくて済むようになることです。(「まえがき」より)

そこで本書においても、アンガーマネジメントの理論や技術を紹介しつつ、日常のなかで取り組めるものを続けることによって、無駄にイライラしない方法を紹介しているというわけです。

たとえば「信号で走らない」「毎朝同じ電車に乗らない」「セールでモノを買わない」「ワイドショーを見ない」など、誰もが普段の生活のなかで何気なくやっていることをやめてみるだけで、イライラしない習慣が簡単に見につくといいます。

なぜなら、私たちが普段、とくに気にせずやっていることの多くは、じつはわざわざ自分をイライラさせることだからです。自ら率先して悪い習慣を続けているようなものなので、まずはそれをやめるだけでいいのです。(「まえがき」より)

そんな本書のChapter 3「仕事でイライラしない習慣」から、いくつかをピックアップしてみたいと思います。

月曜日が憂鬱にならない過ごし方

イライラしない人は、平日、休日にかかわらず、自分の思考、感情を区別なく自由に行き来させているもの。それどころか、無理に区切るのは逆効果。なぜなら、仕事を切り離すことに意識を向けると、仕事をすることに意識を向けてしまうことになるという逆説が起こるから。著者はそう記しています。

そして「きちんと公私を分けなければならない」という気持ちが強い人は、この逆説が起こる可能性が高いのだそうです。しかし、公私の区別をつけられないことにストレスを感じてしまうのであれば本末転倒。そして、無理に切り替えようとするから、仕事の始まりを過度に意識してしまい、月曜日が憂鬱になるというのです。

大切なのは、「休日は仕事のことは考えない」と頑なに区別することではないのだといいます。たとえば休日中に仕事のアイデアや心配事などが頭に浮かんだとしても、そのまま受け流せばいいということ。無理に打ち消そうとすると、その行為がストレスになってしまうからです。(74ページより)

先送りしない「2分ルール」を徹底する

イライラしてしまうとき、しなければいけないことを先送りにしてしまうことはあるもの。いつか済ませなければならないけれど、腰を上げるまでにやたらと時間がかかってしまったりするわけです。

いうまでもなく、先送りするのは、嫌いだったり、苦手だったり、面倒だったりするために「考えたくない」「触りたくない」というネガティブな思いが大きくなってしまうから。

しかし物事を先送りするということは、考える助走期間を長くとるということ。先送りすればするほど、それに関わらなければいけない時間が伸びてしまい、つらく苦手なことを長いあいだ考え続けることになります。そればかりか、罪悪感も生まれることも。これこそが、「なんだかイライラする」の大きな要因のひとつ。

そんな「先送りしたくなる気持ち」に負けず、やらなければならないことを

すぐやるために、著者は「2分ルール」というものを習慣にしているのだそうです。

これは生産性向上コンサルタントのデビッド・アレン氏が提唱する仕事術の一つで、2分で片づくものはその場でやってしまおうというシンプルなルールです。1ふんではちょっと足りないけれど、3分もかからないことは意外にたくさんあります。

・メールの返信

・名刺の整理

・デスク周りの片づけ

・経費請求の計算

・会議や打ち合わせ日程の確認

・ゴミ捨てなど

(79ページより)

気がついたときにちょっと腰を上げて動けば片づき、ムダにイライラしなくて済むという考え方です。(78ページより)

やりたくないことは「10分ルール」で片づける

著者によれば問題は、2分以上かかることをどうするかということ。そこでもうひとつ、「10分ルール」というものをつくっているのだといいます。10分だけ集中すると決め、苦手なことや嫌いなことにも向き合うという方法です。

苦手なことをつい先送りしてしまうのは、「よほど集中しないと理解できない」という思い込みがあるから。しかしそうやって先送りしていると、いつまでもそのことが頭のなかから消えず、なんとなく鬱陶しい状態が続いてしまうもの。そこで、10分だけ集中することが大きな意味を持つわけです。

たとえ10分だけでも集中して取り組めば、大抵のことはある程度片づき、そこまでいかなかったとしても糸口や手がかりはつかめるものです。

やりたくないことだからこそ、短く済ませる。

これをルール化すれば、「ああ、イヤだな」「どうしようかな」などと悶々と考え続ける必要がなくなることに。気持ちもさっぱりして、ムダにイライラすることが減るそうです。

アンガーマネジメントには、行動のコントロールがあります。自分でコントロールできて、変えることができるのであれば、それは今すぐに積極的に関わるという選択をすることです。(81ページより)

人は、本当は変えられることなのに「変えられない」と決めつけてはイライラし、逆に変えられないことを変えようとしてはイライラするもの。だからこそ、ほんの少しの挑戦で変えられることは、積極的に変えていくべきだという考え方。(80ページより)

「どうしたらできるのか」だけを考える

ビジネスの現場ではさまざまな問題が起こるものですが、問題解決の方法には「原因志向」「解決志向」の2つがあるのだそうです。

原因志向とは、問題の原因を突き詰めていき、「その原因をつぶせば同じことが起こらない」という前提に立つ考え方。一方の解決志向は、問題が起きた原因はとりあえず置いておき、「これからどうすればいいか」を中心に考える方法。これらは、どちらが正しくて、どちらが間違っているというものではなく、それぞれに得意分野、不得意分野があるのだそうです。

原因志向に合っている問題は、因果関係が明確なもの。「Aという問題があったら、必ずBという結果になる」ということがわかっているのであれば、原因をつぶせば問題は解決することになります。対して、解決志向のほうが合っているのは、人間関係、考え方、感情の問題。この場合Aという原因があったからといって、必ずしもBの結果になるとは限らないといいます。

たとえば、あなたが高校のテニス部のコーチだったとして、ある有望な部員がインターハイに行くためには何かが足りないと分析をしていたとします。その結果、「中学のときに指導していたコーチの教えかたが悪かった」という原因が見つかったとしても、それはもうどうすることもできません。原因志向では解決できない問題です。(97ページより)

私たちは問題を解決しようとする際、つい原因を聞きがち。それは、原因志向で考えることが正しいのだと、子どものころから教わっているから。ただしこの例のように、原因を特定できたとしても解決につながらないことは少なくないわけです。

そこで著者は、過去にこだわってイライラするのではなく、「この先どうすればいいのか」を優先して考えるべきだと主張しています。そこから理想と現場との間にあるギャップを埋めていくほうが、お互いに精神衛生上メリットがあるということ。

そのため、まずは「なぜできないのか?」を、「どうしたらできるのか?」という口癖に置き換えることを勧めています。たしかに原因を追求するよりも、未来の理想を考えるほうが、イライラを遠ざけられそうです。(96ページより)




本書では、イライラしなくなる82の方法が紹介されていますが、すべて試す必要はないそうです。自分が気軽にできそうなものだけをピックアップし、試してみればいいということ。それだけでストレスフルな日常を改善できるのなら、ぜひとも活用してみたいところです。

【アンケートに答える】(別ページでアンケートが開きます)

Photo: 印南敦史

印南敦史

swiper-button-prev
swiper-button-next