
年も明けてしばらく経ち、寒い日が続いています。新年会での食べすぎ飲みすぎ、風邪をひいてしまったなど、そろそろカラダに疲れを感じている方も多いと思います。
そんなときは、温かい飲みものでひと息ついてみてはいかがでしょう。お腹が休まり、気分も穏やかになって、きっと元気が取り戻せるはず。
ミルクティーというと通常は紅茶で作るものですが、「ほかのお茶はどうなんだろう」と考えたことがある方もいるのでは?
そこで今回は、紅茶以外でミルクティーにするとおいしいお茶を探してみました。結果は「おいしくないもの」「普通なもの」「おいしいもの」に分けて発表します。

緑茶・玄米茶・ほうじ茶(伊藤園)
はと麦茶・ジャスミン茶(明和)
烏龍茶(ひしわ)
アップルティー・ローズヒップティー・ペパーミントティー・カモミールティー(日東紅茶)
ルイボスティー(リプトン)
試したお茶は以上の11種類。スーパーで買えるものに限定し、お茶のタイプはティーバッグで統一。作り方は、お茶の味を最大限に生かせるロイヤルミルクティー製法にしました。
ロイヤルミルクティー製法とは、鍋に50mlの水を入れて沸騰させ、ティーバッグを入れて2分ほど煮出すか蒸らし、小さじ1の砂糖と150mlの牛乳を入れて火にかけて沸騰直前まで温めるという作り方。
普通にいれたお茶にミルクを入れるやり方だと、ぬるくなるし味がぼやけるので、この作り方がお勧めです。
今回の選定員は料理研究家のオガワチエコ、料理カメラマンの大崎えりや、アシスタントの千葉あゆみの3名。はたして、30代の女性たちの疲れた心を癒すおいしいミルクティーはどれか!
ペパーミントティー

ミントの爽やかな香りによるリフレッシュ効果に期待が高まりましたが、そこまでのスッキリ感はありませんでした。
オガワ:「ミルクが入ったせいか、ミントが弱くなってあまり存在が感じられない」
大崎:「ミントが鼻に抜けていく感じがなくて清涼感に欠ける。ちょっと物足りないかな……」
千葉:「味が薄い。まったく期待しないで飲めば、ほのかにミントが利いてていいかも」
緑茶

一見すると無難な仕上がりになりそうですが、まさかの低評価。カフェにあるような緑茶ラテとは程遠い味になりました。不評の原因はパンチの弱さか……。
千葉:「カップに飲み残しのお茶が入っていて、そこに間違えて牛乳を入れちゃったような味。薄い」
大崎:「飲んで、ん、なんか入ってる……? となるぐらい。言われなければ緑茶の味に気付かないかも」
オガワ:「薄めた牛乳のよう。苦味やパンチがないので甘さだけが際立って、イマイチ」
アップルティー

こちらも期待は大きかったものの、蓋を開けてお湯を注いでみれば最下位に挙げる声多し。期待度の高さゆえ、その落差が響いたか……。
オガワ:「もともとフレーバーティーは人工的な味がして好きじゃないんだけど、ミルクが入ると余計それが強くなったように感じる」
千葉:「アップルティーとミルクがうまく溶けあっていない。別々になってる」
大崎:「アップルの香りが先に来て、ミルクが後から来る。結局追い付いていない感じ」
以上が、残念ながら「おいしくないもの」でした。
とはいえ飲めないわけではありませんし、私たち3人の評価は低かったものの、興味本位で試してみる価値はあると思います。
続いて、おいしくもなくマズくもない「普通なもの」の発表です。
ローズヒップティー

ミルクと混ぜることで、灰色っぽいような紫色のような不気味な色に変化。見た目の悪さが、評価の伸び悩みにつながってしまいました。
オガワ:「ローズヒップの味はほとんどない。やや酸味のある牛乳といった感じ」
千葉:「ブルーベーリーヨーグルト風っていう感じもする。まずくはないけどね……」
はと麦茶

麦の香ばしさが漂う、はと麦茶。ミルクと混ぜてもその香りは失われませんでしたが、見事な融合とはならず。
オガワ:「ミルクと混ぜると麦感が際立ってしまう。焦げが混じっているような味になる」
大崎:「麦茶を意識して飲むと違和感があるけど、こういう飲みものがもともとあると思って飲むと意外といける」
玄米茶

こちらも玄米の香ばしさが特徴。こんがりと米を炒った香りにはどこか懐かしさが感じられるものの、評価はあくまで普通でした。
オガワ:「ミルクのまろやかさのなかに香ばしさが感じられる。おせんべいのような風味だけど、これはこれで飲めなくはない」
大崎:「夜店で売ってるミルクせんべいの味がするなぁ。子どものころを思い出す」
カモミールティー

ほんのり甘い香りのするカモミールティー。今回使用した商品はペパーミントがブレンドされており、飲みやすさが増していましたが、普通の域を出ませんでした。
千葉:「爽やかな香りが鼻に抜けていく感じがいい。でも、やっぱり味は薄く感じる」
大崎:「薄味のなかにカモミールが感じられる上品な味。個人的には可もなく不可もないかな」
ほうじ茶

香ばしさのなかにも、深みの感じられるほうじ茶。ミルクとの相性も悪くはなく、かなりおいしいに近い評価でした。
千葉:「苦みもなくあっさりして飲みやすい。ミルクと合わせるとコクが増したような気もする」
オガワ:「ほうじ茶だけだと和菓子向きだけど、ミルクと混ぜると洋菓子にも合う飲みものになる」
以上が「普通なもの」でした。
お客様用には厳しいかもしれませんが、自分だけで楽しむぶんには問題ない気がします。人によってはすごく好みというのもありそう。ぜひ、お試しあれ。
それでは今回のベスト3となった、「おいしいもの」の発表です!
ジャスミン茶

独特なジャスミンの香りがどのように作用するのか心配されましたが、見事跳ねのけて高い評価を獲得しました。
オガワ:「ほかのどのミルクティーよりもさっぱりしていて、後味が爽やかでいい」
大崎:「ミルクティーをあまり飲まない人も、これなら抵抗はないと思う」
千葉:「ジャスミンの香りとミルクの風味のバランスがいい。すごく飲みやすい」
烏龍茶

茶葉がカラスの羽のように黒褐色なところからその名が付いた烏龍茶。ミルクと合わさり、黒と白のハーモニーが高評価へと導きました。
千葉:「まろやかな味のなかに烏龍茶独特のコクがあって、味わい深い」
オガワ:「砂糖は入れないほうが好みかな。そうするとより洋菓子に合うと思う」
大崎:「ミルクとの相性抜群! 私はこれが1番ですね」
ルイボスティー

ハーブティーのなかでも、クセがなくて飲みやすいことで知られるルイボスティー。ルイボスの甘く優しい香りが広く受け入れられ、全員から「おいしい」の声が上がりました。
大崎:「あとに残る香りがいい。余韻に浸れる」
千葉:「熱いときよりちょっと冷めたぐらいのほうが、風味が落ち着いておいしいかも」
オガワ:「ノンカフェインの割に刺激がある。ちょっといいお茶で作ったみたいでおいしい」
以上が、「紅茶以外でおいしいミルクティーができるお茶」の検証結果。「おいしかったもの」のなかでも、『ルイボスティー』が一番人気でした。TIGER, Inc.によるとルイボスティーは花粉症などのアレルギーに効くとも言われているので、これからの季節に向けてもオススメ。
ミルクとの相性の良し悪しが、大きく結果を左右したように感じます。今回は分量を固定しましたが、調節すればもっとおいしくなるものもあるでしょう。いろいろ試して、可能性を追求してみてもいいかもしれませんね。
せわしない日常生活のなかでは、ホッとひと息つく時間も必要です。そんなとき、ミルクティーをお供にしてはいかがでしょうか。心とカラダを癒し、気持ちをいったんリセットして新たなスタートを切れば、きっといい結果につながるはずです。
レシピ・文/オガワチエコ
料理研究家。ル・コルドン・ブルー、東京會舘クッキングスクールで料理と製菓を学ぶ。著書に『彼の家に作りに行きたい!純愛ごはん』(セブン&アイ出版)、『おにぎらずの本』(泰文堂)など。道具も調味料もない彼の家で、いかに間単に失敗なく美味しい料理を振舞うかに特化したレシピ本になっている。2015年9月11日には新刊『スティックオープンサンドの本』を出版。
Photo: 大崎えりや
Source: TIGER, Inc.
オガワチエコ
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