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マネー特集─今さら聞けない、お金の疑問

結局、副業っておいしいの? 副業のトレンドと、始めたら気をつけておきたいこと

結局、副業っておいしいの? 副業のトレンドと、始めたら気をつけておきたいこと
Image: Neo Tribbiani/Shutterstock.com

「働き方改革」とは言うけれど、言葉だけがひとり歩きして、いまいちピンときていない人も多いのではないかと思います。

それって「おいしい」の?

なんて言うと身も蓋もありませんが、「働き方改革」という言葉を聞いて頭に浮かぶ被雇用者は本音はこんなところではないでしょうか。

最近、その「働き方改革」の一環として、大企業が副業を容認したり、厚生労働省が「モデル就業規則」を見直して副業・兼業を容認する方針を固めたりと「副業解禁」が何かと話題になっています。自分で仕事を増やせるのだから、収入が増えて「おいしい」ともいえる訳ですが、その際には税金を払わなければいけないということも忘れてはいけません。

副業で確定申告をすることは、義務でもある一方で、権利でもあるんです。

そう話すのは、ファイナンシャル・プランナーの吉武亮さん。ビジネスパーソンの副業、納税、そして義務でもあり権利でもあるという「確定申告」について話を伺いました。

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吉武亮(よしたけりょう)ファイナンシャル・プランナーブログ 明治大学出身。学生時代、約1000人を集める学生大運動会を企画する学生団体「SWITCH」を友人と創設。卒業後、上場保険代理店で新人賞、社長賞受賞後、ファイナンシャル・プランナーとして独立。これまで約500人のライフプランニングを手掛ける。クライアントの資産設計をしながら、お金の貯め方・守り方・増やし方をアドバイスしている。出演ラジオ:Rainbow Town FM(79.2MHz)11Crystal

「副業解禁」の経緯について

そもそも、大企業が副業を解禁し始めたことには、少子高齢化による労働力人口の減少を食い止めようと、政府が推し進めている「一億総活躍社会」構想が大きく影響しています。

「50年後も人口1億人を維持し、職場・家庭・地域で誰しもが活躍できる社会」を掲げ、多様な働き方を可能にするとともに、社会基盤の保証によって経済を強化し「成長と分配の好循環」を目指す…とのことなのですが、もっと噛み砕いて言うなら?

少子高齢化で働き方が多様になったこの時代には、国からも企業からも、組織に依存しない働き方が求められます。今までの様に正社員だけを優遇している訳にはいかず、いろいろな働き方を認めていかないと国としてGDPが上がらない時に「自分で収入を増やせるなら、やっていいよ」と容認し始めた…というところでしょうか。

国や会社では個人を守りきれなくなって、個人がそれらを頼りにせずとも済むように力をつけなければいけないという方向にシフトしているのだと思います。たとえば、確定拠出年金なんかもそのひとつですよね。

副業解禁の波を活かすも殺すも、自分次第といったところ。そんな際に、税金にまつわる正しい知識はつけておくに越したことはないはずです。

会社にとっていい副業・悪い副業

これから副業を始めようとするなら、会社が後押ししてくれるようなものである必要があります。企業が推奨できる副業とはどんなものでしょうか?

企業が主体となって推進しているケースはまだ少なく、国がそうしなさいといっているから、手探りで進めているというのが正直なところだと思います。

副業容認を公言している企業でも、「副業しましょう」というよりは「どういう働き方ができると思いますか?」と社員にアイデアを求める場合が多いですね。

それでも、企業に認められる副業の条件をクリアするためには以下にようなポイントが考えられます。

本業に支障をきたさない:

どのくらいのレベル感で副業するかが重要になってきます。副業に力を入れすぎて会社に来れなかったり、業務がおろそかになるなど、本業に支障をきたすものはもってのほかです。就業時間や健康についても、自身でコントロールできる範囲が望ましいです。

競合他社にならない:

情報漏洩や利益相反とリスクとなるような競合他社での副業は、企業側からすると以ての外と言えるでしょう。

シナジー効果が生まれる:

社内では得られない知識やスキル、人脈を副業で得ることができれば事業機会の拡大が期待できます。また、優秀な人材の獲得・流出防止にもつながります。

相性のいい本業の職種と副業

本業と副業で良い関係性をつくるには、どんな組み合わせが考えられそうでしょうか? どんな人がどんな職種で副業をしているのか、具体例を聞いてみました。

業種にもよりますが、シナジーが生まれるという点では、どれだけ多くの人に会えるかがひとつのポイントとなる営業などの職種は、副業をしやすいと言えるのではないでしょうか。

具体的な名前を出すなら、リクルートやサイバーエージェントなどの企業は以前から副業がOKですが、どちらも広告代理店で、いろんな人に会うことで広告の営業に繋がっていくというところで認められています。

営業の人がwebやSEOのコンサルティングをしているという話はよく聞きます。リクルートやサイバーエージェントの強みは巨大メディアを持っているところで、そこを代替される不安はないですし。また、リクルートもそうですが、将来会社の枝葉となるような働きをしてくれるからと積極的に独立を支援している企業もありますね。

副業にもトレンドがある?

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Image: I000s_pixels/Shutterstock.com

副業には興味があるけれど、いざやってみたいとなると自分にはどんな副業が向いているのかわからない…なんて人も多いのではないでしょうか。最近の副業トレンドについても伺いました。

コンサルティングもそうですが、やはりweb系の副業が多いです。好きなものを情報発信することで、お金になってしまう時代ですよね。最近では、開業届の事業内容にユーチューバーと書く人が多いらしくて、税務署のおじさんにもユーチューバーと言えば伝わるくらいです(笑)。

タダで泊めてくれと依頼した米ユーチューバーとホテルとの派手な攻防も記憶に新しいところですが、YouTubeでの情報発信を始め、メルカリ、CASH、airbnbなど既存のサービスをつかった副業は参入しやすくてトレンドだとも言えるでしょう。あとは、副業ではなく投資になりますが「仮想通貨」ですね。

YouTubeを始めとして、オンラインでセンスやスキル、情報発信力がダイレクトに活かせる時代、InstagramなどのSNSで影響力を持てば様々なビジネスにピボットできそうです。それでは、情報発信力がない人にはどのようなやり方が考えられるでしょうか?

売り上げは単価×数量なので、単価を取るか数量を取るかで言うと「専門性を高めてひとりのお客さんから多く利益をいただく」か「沢山の人のカリスマになって、とにかくファンを増やす」。知識を売りにするのとコミュミケーションを駆使するのと、大きく2パターンが考えられます。

なので適性に合わせて、情報発信力に自信がない人は専門性に磨きをかけて、希少価値を高めて単価を上げるなど、前者に磨きをかけたら良いのではないでしょうか。

ものを売る時に、プロモーション能力が必要のない世界があって。古くは「せどり」もそうですし、仮想通貨もそうですが、発信力より専門性や情報察知能力が必要になってくるようなものですね。

正しくない確定申告。どんなリスクが?

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Image: Alex Leo/Shutterstock.com

それでは、記事の冒頭で吉武さんから言及があった「義務としての納税」についておさらいしたいと思います。副業の中で、事業とは言えないレベルの所得は雑所得になりますが、その雑所得が20万円以下であれば、課税されません。逆に雑所得でも20万円を超える場合には確定申告をして納税をすることが義務付けられています

確定申告をしなかった場合や、正しい知識がないままに納税した場合、どのようなリスクが考えられるのでしょうか?

副業解禁の流れで、確定申告をする人の増加が予想できます。これは、税務署のマーケットボリュームが増えるようなものなので、よくわからないまま確定申告をして脱税になっていたという人に対して、調査が入りやすくなる可能性がありますね。

「知らなかった」だとか「忘れていた」だとか「勘違いしていた」場合にも、追徴課税という形で多めに徴税されますし、意図的に脱税したと判断された場合は重加算税となり、本来の倍くらい支払わなないといけなくなる場合もあります。

せっかく副業で収入がプラスになっても、間違った知識でペナルティを課されては本も子もありません。正しくてスピーディな確定申告の仕方については、こちらをチェックしましょう。

確定申告が「権利」でもある理由

では、確定申告が権利でもあるというのはどういうことでしょうか?

これまで本業一筋で給与所得しかなかった会社員の人たちは、年末調整をすれば確定申告をする必要はありませんでした。しかし、先ほども触れたように、副業をして事業所得が増えると確定申告をする必要があります。

この事業所得は、経費を自分でコントロールできるようになります。なので、収入よりも経費のほうが多いなんてことも場合によってはありえます。「給与所得はプラスだけど、事業所得はマイナス」といったことがあると、その分税金が安くなります

確定申告が権利でもある理由は、所得の黒字と赤字を差し引く損益通算ができるからです。たとえば利益があったとしても、経費などでこれくらいかかりましたよと申告することで、所得を下げることができます。

所得が減るので、翌年の住民税が下がって会社に副業がバレる問題がこれまでもありましたが、その副業が会社に認められているものであれば問題ありませんね。

とはいえ、常に赤字が続くような事業は、そもそも事業として認められるものではありませんので、節税のために副業を始める…なんてことはもちろんできません。また、もう一点念頭に置いておきたいことがあります。

損益通算で節税することができる一方、所得が下がりすぎると、借り入れなどができなくなる場合もあるので注意です。たとえば住宅ローンを組もうとした場合に、所得額が原因で審査が通らない場合もあります。

確定申告は白色・青色どちらでも問題ありませんが、青色申告は届け出が必要など白色より手間がかかる分、最大65万円の申告特別控除が受けらたり、赤字が3年間繰り越せたりと節税面で特典があります。また、開業後に届け出がない場合には、自動的に白色申告の扱いとなります。

大副業時代の歩き方:まとめ

情報発信力を高めるにしろ、専門性を身につけるにしろ、これからの「副業解禁」時代には、ただ会社に与えられたタスクをこなすのではなく、自分自身でそれぞれの「生業」を考えることが必要になってくるのだと思います。

逆に言えば、ビジネスとして自分のできること・やりたいことがもっと自由に取り入れられるようになるチャンスだとも言えるで、自分のできること・やりたいことについて改めて考えてみても良いのではないでしょうか。

その際には、節税のためにも確定申告には気をつけて、且つ、くれぐれも脱税と考えられる行為にはお気をつけください。

Images: Shutterstock.com(1, 2, 3

(文・ライフハッカー[日本版]編集部)

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