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マネー特集─今さら聞けない、お金の疑問

金銭的な格差により、女性が経済面で男性より苦労する理由

金銭的な格差により、女性が経済面で男性より苦労する理由
Image: rawpixel.com/Unsplash

女性は経済面で男性より苦労します。それは、出費をコントロールできないとか、そもそもお金に関心がないとかの話ではありません。現実問題として、男性の友人や家族に比べると、経済的自由を得たくても構造的な障壁が立ちはだかるのです。そのため、女性が経済的な自立をするには、男性よりも多くの努力を要することになります。

男女の賃金格差」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。全米平均では、男性の所得を1ドルとすると、女性は76セントです(この数値にはかなり繊細な部分がありますが、多くの専門家の意見を総合してこの値を採用しました)。でも、男女の経済格差は、賃金格差だけでは語れないのが実情です。

投資をもっと女性にわかりやすくすることに取り組む(このような枠組み自体がゲンナリなのですが、少なくとも同社は優れた仕事をしており、純粋に女性の経済的成功を援助しています)Sallie Krawcheckさんは、ロボアドバイザー「Ellevest」を立ち上げました。同社のサイトには無料のガイドがあり、「女性が知っておくべき男女の金銭的な格差」がすべて解説されています。これを見ると、賃金以外にも、出世の格差無償労働の格差商品価格の格差(別名ピンクタックス)など、たくさんの格差が存在していることがわかります。

この記事では、その中でも投資格差奨学金に注目します。

投資格差

最初に大事なことをお断りしておきます。この記事のアドバイスは、女性だけでなく男性にも効果があります。やるべきことに関しては、男女に違いはないのです。違いがあるとすれば、お金に対する考えかたと付き合いかた。この2点について、もう少し詳しく見てみましょう。

女性は投資に慎重になりがちです。その理由は、女性は一般的にリスクを避けたがる傾向があることと、男性よりも投資についての知識が浅いと思い込んでいることにあります。

Ellvestのレポートには、こう書かれています。

女性がしてしまいがちな失敗の1つは、すべてを理解してからでないと投資を始めてはいけないと思ってしまうことにあります。ところが十分に理解したと自信を持てることはほとんどないため、なかなか投資を始められないのです。

これは大きなコストです。2016年に「Blackrock」が実施した調査によると、女性が持つ資産のうち71%は現金でした。これに対して男性は60%。Ellevestによると、これが結果的に大きな差を引き起こします。

この差によって失われる金額をご存知でしょうか。たとえば年収が8万5000ドルの人が毎年その20%を貯金するとすると、今後40年間で110万ドル以上を失うことになります。

遠い先のことすぎて想像がつかないって? では、これならどうでしょう。年収8万5000ドルで20%を貯金して投資が10年遅れると、今後10年にわたって毎日100ドルを失うことになります。

また、女性は所得が低いため、老後の社会保障も少なくなります。その他の投資についても同じことがいえるでしょう。

ですから、投資について深く知ってからなんて言わずに、とにかく始めてみましょう。ある男性が投資について語っているのを耳にすると、とてもそのレベルには到達できそうもないですって? いえいえ、彼はひょっとしたら、本を読んで確定拠出年金を始めたばかりかもしれません。少なくとも彼は、ウォーレン・バフェットではありません。

それに、必ずしもすべての投資で成功しなければならないわけではないんです。Ellevestによると、こんなにシンプルでいいそうです。

  • 市場を予測できる人なんていない。だから、多種多様な資産に分散すべき。米国株、国際株、不動産など、リスクを分散すべき
  • ファンドに支払うお金はポートフォリオの0.20%以下に抑える。アドバイザーを使う場合でも、相談料は0.75%以下にする
  • どうせ失敗するので、市場の時機を見ようとしない。長く保有する
  • 定期的に投資する
  • 低コストのインデックスファンドでシンプルに

多様な資産やファンドを検討すると、組み合わせは無限に膨らみます。でも、上記の項目さえ押さえておけば、健全に運用を始めることができるでしょう。

借金格差

全米大学女性協会(AAUW)が発行した2017年次報告書によると、米国の有名な奨学金1兆3000億ドルのうち、3分の2は女性が借りているそうです。これは、女性の大卒率の高さと賃金の低さが理由です。初任給にも差があるため、卒後5年で返済する奨学金の額は男性のほうが女性より10%も高いという結果が出ています。

このような差があるため、女性のほうが返済に2年ほど長くかかる可能性があります。

奨学金の返済を抱えていることは、口座の残高以外にも影響します。AAUWのレポートにはこう書かれています。

借金返済の格差により、解消に時間がかかるリスクを取るのが難しくなります。たとえば、転職や起業などです。

では、女性ができることはないのでしょうか。確かに、前述の問題の多くは個人でどうこうできる問題ではありませんし、状況はそれぞれに違うでしょう。とはいえEllevestでは、このような方法をすすめています。

  • 返済が自動引き落としになっていることを再確認する
  • 毎回返済期限を守っているなら、3〜6カ月に1回、貸し手に電話して利率の引き下げを要請する
  • 与信が良ければ、借り換えができないか検討する

結局のところ問題の存在を認識し、重大なものから順に対策を講じるしかなさそうです。

優先順位をつける

普段の生活費を支払うだけでなく、投資をして、非常時用の口座を作り、借金をとにかく返すとなると、かなりの負担が発生します。優先順位に迷ったら、前述のレポートに掲載されているこちらのアドバイスを参考にするといいでしょう。

20代:利率の高い借金を返す。信用を築く。非常時用のお金を貯める。老後のための投資を始める。その他の目的でも投資を始める。

30代:マイホームのお金を貯める/マイホームを買う。借金を返す。退職金制度への積立を増やす。学資貯蓄制度などその他の目的の投資をする。

40代:退職金制度への積立金を最大限に増やす。借金を返す。退職後のための投資をする。生命保険に入る。その他の目的の投資をする。

50代:退職金制度への積立金を最大限に増やす。借金をしない。人生に一度の旅行に向けて投資する。介護保険に入る。その他の目的の投資をする。

60代:年金口座を整理する。借金をしない。退職金制度への積立金を最大限に増やす。その他の目的の投資を続ける。

70、80、90代:老後を楽しむ。

賃金、投資、借金の格差は、人種によっても変わります。自分の借金を返済したり投資を増やしたりしても構造的な問題は改善しないかもしれません。でも、女性が男性と同等になるには、少しだけ多くの努力が必要であることは認識しておくことが重要です。


Image: rawpixel.com/Unsplash

Source: PayScale, Nerdwallet, Ellevest, Blackrock, AAUW

Alicia Adamczyk - Lifehacker Two Cents[原文

訳:堀込泰三

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