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コツコツやるよりコツをつかめ。偏差値35の壁を乗り越えた東大生が明かす「合格のためのテクニック」

コツコツやるよりコツをつかめ。偏差値35の壁を乗り越えた東大生が明かす「合格のためのテクニック」

「普段からコツコツとしっかり勉強する」とか、「ひたすら暗記する」とか、あるいは「とことん問題を解きまくる」とか。

「試験に合格する方法」としてすぐに思い浮かぶこれらは、手段としてはすべて「NO」だと断言するのは、『読むだけで点数が上がる! 東大生が教えるずるいテスト術――どんな試験でもすぐに使えるテストの裏技34』(西岡壱誠著、ダイヤモンド社)の著者。だとすれば気になるのは「どうすれば合格できるのか」ですが、その問いに対する答えは「たくさん点をとる」ことだけだというのです。

どんな勉強をしても、どんな努力をしても、「点」を取らなければ、「合格」の2文字は得られない。

本書は、勉強の仕方・やり方ではなく、「点の取り方」だけに絞って、そのテクニックを徹底的に紹介したものです。

試験一週間前でも、前日でも、本番当日1時間前でも、この「点を取るテクニック」を身につければ、確実に点を稼げる。

そんな、とても合理的で、即効性があり、ある意味「ズルい」テクニックを、これでもか! と、とことん紹介していきます。(「はじめに」より)

偏差値35の状態から東大合格を目指した著者は、2浪が決定した時点で「点を取るテクニック」を身につけたのだそうです。以後、東大の問題を全科目30年分以上解き、東大模試で全国4位に入り、最終的には東大に合格することに。つまり本書では、そんな経験から導き出された「点を取るテクニック」を明かしているわけです。PART3「点数に結びつくテストの裏ワザ5」から、いくつかを抜き出してみましょう。

テストで点を稼げる暗記術「超効率的暗記術」

試験中、「覚えたはずなのに答えがわからない」と思い悩んだ。または試験後に、「これが正解だったのか。この単語は知ってたのに、答えられなかった」と悔しい思いをした。そんなことは、決して少なくないはずです。でも、なぜそういうことになってしまうのでしょうか? 著者によればそれは、「暗記した知識」と「試験で答えられる知識」は違うから。

たとえば、次のような問題があったとします。

「次の文章の空欄に当てはまる英単語を、次の4つの英単語の中から選びなさい」

(177ページより)

このとき、英単語の意味を覚えていたとしても、その単語が使われるタイミングや文脈を理解していないと、問題には答えられないわけです。同じように同義語や反対語にしても、英単語の意味だけを丸暗記したのでは答えられないということ。大切なのは、きちんと「この単語と同じ意味の単語はなんだろう?」「この単語と反対の意味の単語はどんなものかな?」と考えること。だから、「暗記した知識」だけでは試験で得点できないということなのです。

だとすれば、「どうすれば『試験で答えられる知識』を得ることができるのか」を知りたいところですが、それは決して難しいことではないといいます。つまり、「試験でどう問われるか」を考えながら暗記すればいいということ。「この単語は、どういう問題で答えになるのかな?」と常に意識し、「この単語の同義語として問われるかも」「こういう使い方を聞かれるかも」と考えながら暗記すればいいのです。

例を挙げましょう。「END」という英単語を暗記する場合、多くの人は「終わり」という意味だけを覚えるはず。しかし、それだけでは不十分。「『END』が答えになる問題」を考えることができてはじめて、「END」を「試験で答えられる知識」にかえることができるというのです。たとえば考えられるのは、次のような問題。

・「終わり」という意味の英語の名詞は?

または、「END」は動詞の意味もありますから、

・「終わる」という意味の英語の動詞は?

という問題も考えられます。

さらに、単語帳で調べると「END」には「目的」という意味もありますから、

・可算名詞で「目的」を表す、eから始まる英単語は?

という問題も考えられます。

それら以外にも、end up withで「最後は〜で終わる」という意味の熟語も存在するので、

・「 」up with〜「最後は〜で終わる」

「 」に入る英単語は?

という問題も考えられます。そこから派生させて、

・The concert「 」up with a Bach piece.「コンサートはバッハの作品で幕を閉じた」「 」に当てはまるのは?

という問題も考えられます。そして「END」には「端」という意味もあるので、

・「 」of a table「テーブルの端」

「 」に入る英単語は?

という問題も考えられます。

(179ページより)

こう考えることによって、「END」という英単語を丸暗記するよりもはるかに多い情報量を得られるということ。「どう問われるか」を考えて暗記すれば、「試験で答えられる知識」を身につけることができるというわけです。(176ページより)

ド忘れをなくして点数アップ!「記憶フック暗記テクニック」

受験生時代に苦労を重ねてきた著者は、試験における最大の敵は「ド忘れ」だと主張します。たしかに、直前まで覚えていたはずの言葉が本番では出てこなかったというような経験は、少なからず誰にでもあるものです。しかし「ド忘れ」は、本番の緊張感や焦りから起こってしまう、避けられない現象。本番で忘れてしまったとしても、しかたがないことだというわけです。

だとすれば「ド忘れ」した場合のリカバーが重要な意味を持つことになります。いいかえれば、「ド忘れ」しても大丈夫なように、記憶にフックをつけておけばいいということ。

わかりやすい例として、アメリカ大陸を新大陸だと明らかにした「アメリゴ・ヴェスプッチ」という人名をど忘れした場合のことが引き合いに出されています。

その際、「アメリカ大陸は、『アメリゴ』の名に由来する」と知っていたら、「アメリカ」から「アメリゴ」という名前を引っ張ってこられるはず。こうして「アメリゴ」に記憶のフックをつけておけば、「アメリゴ」の名前をド忘れしても思い出すことができるというわけです。

同じように、語呂合わせもド忘れ対策にはとても有効。エジプト・シリア地域のイスラーム王朝は「ファーティマ朝」「アイユーブ朝」「マムルーク朝」の順番で成立していますが、最初の1文字ずつを取って【「フ」「ァ」—「マ」—】だと覚えておけば、ひとつひとつの王朝の名前をド忘れしても対処できるということ。

また字面だけでなく、文字数でもOK。アステカ帝国を侵略した探検家はコルテスで、インカ帝国を侵略した探検家はピサロですが、これをド忘れしないためには、「探検家の文字数は、侵略した帝国と同じ」と覚えておけばいいという考え方。そうすれば、「インカ帝国を侵略した探検家を、次の選択肢の中から選びなさい」などと問われた場合でも、「3文字の探検家だ!」と考えることができるわけです。

さらにいえば、こうして「その場で再現できるようにしておく」という方法が、思わぬ効果を発揮することも。たとえば数学の公式は、「どうやってその公式が作られているのか」を理解しておけば、なにも見なくてもその場で組み立てられるようになるはず。

このようにド忘れ対策で記憶にフックをつけておくことで、得点の大幅なアップが望めるということです。(182ページより)

試験場でパニックにならずにすむ「ハーフタイムテクニック」

試験にアクシデントはつきもの。しかし、なにがあってもパニック状態に陥らないようにするための方法があるのだそうです。会社などの「防災訓練」と同じことを、試験でもしておけばいいというのです。具体的には、試験前に一度、与えられた試験時間の半分で試験問題を解く訓練をしておくということ。

もちろん大変なことではありますが、「時間が半分になる」という最悪に近い状況を経験しておくことで、予想外の事態が起こって試験時間を大幅にロスしてしまったとしても、動じることなく合格点を取ることができるようになるということ。

事実、著者も二浪後の東大受験前日は一睡もできず、当日の朝はお腹も痛くなってトイレで吐いてしまい、てんてこ舞いの状態だったといいます。それでもなんとかがんばれたのは、そういったアクシデントも想定していたから。「試験時間が半分になったって合格できる訓練をしたから、自分は大丈夫!」と思えたというのです。するとお腹の痛みも消え、普段どおりに問題を解くことができたのだそうです。

何事においても、「ちゃんと準備している」というのは大事なことです。本当にそうなってしまった場合の役に立つのはもちろん、そうでない場合においても気持ちに余裕が出てきます。(196ページより)

些細なことではありますが、たしかに大きな効果が期待できそうではあります。(193ページより)




先述したとおり、ここで明らかにされているテクニックは、著者が大学受験を通じて身につけたもの。しかし当然ながら、その多くは資格試験に臨もうとしているビジネスパーソンにも応用できるはずです。読んでみれば、さまざまな試験に合格するためのポイントを身につけられることでしょう。

印南敦史

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