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ライフハッカー[日本版]の書評家が選ぶ、2017年の名著10選

ライフハッカー[日本版]の書評家が選ぶ、2017年の名著10選
Image: George Rudy/shutterstock

さて、2017年ももうすぐ終わりです。

僕がライフハッカー[日本版]で書評を書きはじめたのは2012年8月のことなので、もう5年半が経過したことになります。早いなぁ。そして今年も、280冊以上の新刊をご紹介してきました。

そこで、年末の恒例となったこの企画では、特に気になった2017年の本ベスト10をチョイスしてみたいと思います。

10位『家庭の事情』(源氏鶏太著、ちくま文庫)

ビジネス書が中心であるこの連載で、初めて取り上げた小説。映像化された作品が80本にもおよぶという昭和のモンスター作家、源氏鶏太によるファミリー小説です。シンプルで痛快なストーリー展開は、娯楽小説の王道というべき楽しさ。復刊の際に解説を書かせていただけたことも、源氏ファンを自称する僕にはうれしい出来事でした。

9位『注文をまちがえる料理店』(小国士朗著、あさ出版)

働くスタッフ全員が認知症の状態にあるため、日常的にトラブルが頻発するレストランを紹介したドキュメンタリー。ありえないことばかりだけれど、ハンバーグを頼んだら餃子が出てくるような状況を楽しんでしまうことこそ、私たちに求められる姿勢なのではないか? そのような観点に基づき、少子高齢化との向き合い方を示しています。

8位『いきたい場所で生きる 僕らの時代の移住地図』(米田智彦著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

「ライフハッカー [日本版]」前編集長である著者が、国内外に移住した人たちへの取材をもとに、デメリットをも含む「移住のリアル」を描いた作品。すぐ近くにある未来と、“居場所”との関係が明らかにされています。「東京オリンピック・パリンピックが開催される2020年にはどこに住んでいるか」という視点も興味深く感じました。

7位『日本3.0 2020年の人生戦略』(佐々木紀彦著、幻冬舎)

経済ニュース共有サービス「NewsPicks」編集長による著作。2020年前後からは、「日本近代の第3ステージ」である通称「日本3.0」がスタートしますが、その状況下においては、これまでとはまったく異なる思想、システム、人が必要とされるはず。そのとき、どんなことが起こるのか、ひいてはどう対応すべきかを具体的に解説しています。

6位『「週刊文春」編集長の仕事術』(新谷 学著、ダイヤモンド社)

「文春砲」でおなじみ「週刊文春」の編集長が、「情報/人脈」「企画/発想」「依頼/交渉」「組織/統率」「決断/覚悟」「戦略/本質」というテーマごとに考え方を明らかにした著作。強烈な印象を残すのが、なにごとにも物怖じしないそのパワフルで痛快なスタンスです。そのため、多くの気づきを得ることができるはず。そして、とても楽しめる内容でもあります。

5位『世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと』(クリス・ベイリー著、服部京子訳、TAC出版)

大学卒業直後に「生産性の一年(A Year Of Procutivity)」、略してAYOPというプロジェクトをスタートさせたという著者は、自他共に認める「生産性オタク」。そうした立場から、ここでは「時間」「集中力」「活力」の3つの要素から成り立つという生産性とのつきあい方を明らかにしています。実体験に基づいているからこそ、とても説得力に満ちた内容であるといえます。

4位『Hygge(ヒュッゲ) 北欧生まれの「世界一幸せなライフスタイル」実践法』(ピア・エドバーグ著、永峯 涼訳、サンマーク出版)

「Hygge(ヒュッゲ)」とは、北欧デンマークで古くから大切にされてきたという「心地よさ」の概念。物理的な居心地のよさ、精神的な幸福感、まわりとの一体感などをも含むため、なかなか説明が難しいのだとか。本書ではその本質を明らかにし、僕たちのライフスタイルにも取り入れられそうなアイデアを紹介しているわけです。

3位『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(山口謠司著、ワニブックス)

実際のところ、語彙について考える機会は決して多くないかもしれません。しかし現実的には、語彙が欠けていると、ビジネスパーソンとしての評価を下げることにもなりかねません。そこで、「社会人としての知性と教養を感じさせる語彙」を身につけることを目的として書かれたのが本書。わかりやすく、とても実用的な内容だと感じました。

2位『行こう、どこにもなかった方法で』(寺尾 玄著、新潮社)

高校を中退し、単独でスペインを放浪。帰国後は、ロックスターを本気で目指すも挫折。そののち、「創造的な発信をしたい」という思いを胸に起業…と、文字どおり山あり谷ありな人生を歩んできた著者は、家電メーカー「バルミューダ」の代表取締役。ベタなくらいにストレートな生き方は、若い世代にも大きく訴えかけることでしょう。

1位『OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び』(シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント著、櫻井祐子訳、日本経済新聞出版社)

フェイスブックCOO(最高執行責任者)である著者が、最愛の夫を突然失ったショックから立ち直るべく、友人の心理学者から教わった「人生を打ち砕く経験から回復するための、具体的なステップ」について説いた作品。自分自身の状況を前向きに受け止め、不安に負けることなく生きていくための概念である「レジリエンス」がベースになっており、とても勇気づけられる内容です。

【番外編】

僕は今年も2冊の自著を発行しました。そこで番外編として、そちらも紹介させてください。

『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(印南敦史著、大和書房)

「本を読みたいというきもちはあるけれど、なかなか進まない…」「そもそも、読書の習慣自体が身につけられない…」、そんな悩みを抱える“消極的読者”に向けて、「読みたくなるコツ」「読み進めるコツ」「習慣づけるコツ」を解説した書籍。読書は決して難しいことではないということを、理解していただけるはずです。

『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(印南敦史著、日本実業出版社)

自分は「コミュ障」だと考えている人は、決して少なくないはず。しかし実際のところ、多かれ少なかれ誰もがコミュ障的な側面を持っているものです。だからこそ大切なのは、いまあるそんな自分を「受け入れる」こと。そこをスタートラインにすれば、無理なくコミュニケーション能力を高めていけるという考え方です。実体験に基づいた、独自のメソッド。




当然ではありますが、280冊あまりから10冊を選ぶという作業は、そもそも無謀であり、とても難しいことです。そのため毎年大いに悩まされるのですが、その悩みが、今年は特に大きかったように思います。つまり、心に残ったレベルの高い作品が、とても多かったということ。ですから、この記事でご紹介できなかったもののなかにも、読むべき書籍はたくさんあるはずです。よろしければ、アーカイブをチェックしてみてください。

さて、来年はどのような本が登場してくるのでしょうか? 「読むべき」と感じた作品は積極的にご紹介しようと思っていますので、来年もよろしくお願いします。

Image: George Rudy/shutterstock

印南敦史

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