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搭乗回数の多い人ほど無頓着。飛行機事故から生還するために知っておいてほしいこと

搭乗回数の多い人ほど無頓着。飛行機事故から生還するために知っておいてほしいこと
Image: Giuseppe Milo/Flickr

飛行機事故で死亡する確率は1100万分の1しかないので、飛行機は極めて安全な乗り物と言えます。そうは言っても、やはり事故は発生しており、乗り合わせた乗客よって運命がわかれます。過去の飛行機事故では死ななくて済んだはずの人たちがたくさんいたかもしれません。いざというときに身を守る方法をご紹介しましょう。

最初にお断りしておきますが、飛行機事故は事故によって大変状況が異なります。ですから、常にこれをすれば絶対事故に遭わずに済むという方法も、事故に遭った際に必ず生き残れる方法もありません。たとえば、飛行機が頭から地面に突っ込んで炎上してしまうと、どうしても助かる方法はありません。しかし、ほとんどの事故はそんなふうにはならないので、アメリカ国家運輸安全委員会は飛行機事故の生存率を95%と見積もっています。航空運輸国際センターのディレクターであるJohn Hansman氏も、「旅客機に乗るときのリスクはエスカレーターの乗るときと同じぐらいだ」とABC Newsに語っています。

機体の後部3分の1にある座席を選ぶ

座席が機体のどの位置にあるかで生存率が大きく左右されることもあります。数年前、TIME誌が過去35年間の連邦航空局(FAA)の事故のデータベースと座席の位置関係を調べました。それにより、以下のことがわかっています

・ 機体を3分割した際、後部3分の1に座った場合の死亡率は32%

・ 機体を3分割した際、真ん中の3分の1に座った場合の死亡率は39%

・ 機体を3分割した際、前方の3分の1に座った場合の死亡率は38%

どうやら、機体の後部3分の1にある座席が最も安全なようです。ちょうどエコノミークラスがあるところですね。その中のさらに後ろ半分の範囲に座ると死亡率は28%になり、全座席の中で最も低くなります。逆に、最も死亡率が高かったのは、中央の3分の1の範囲にある通路側の席で、死亡率は44%でした。Popular Mechanicsも2007年に同じような研究を行い、似たような結果を出しています。その分析によると、翼より後ろに座っている乗客は前方に座っている乗客より生存率が40%も高くなりました。

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ボーイング737型の後方3分の1(緑で示した部分)
Image: United.com

しかし、正確には、座席の位置と生存率の関係に一貫性はありません。グリニッジ大学が行った別の研究では、通路側の座席の方がかなり生存率が高いという結果が出ています。ですから、正直言って、座席の位置はあまり意味が無いのかもしれません。もちろん、前述した通り、すべては、事故ごとに異なります。ユナイテッドエア232便の事故では、機体前方の方が安全でしたが、これは稀なケースです。座席の位置以上に大切なのは、大きな機体で飛ぶことです。旅客機は機体が大きいほど代理機能システムをたくさん搭載しているので、事故になる確率が低くなり、衝撃吸収力も強いからです。

出口から5列以内の座席は生存率が高い

飛行機事故で死亡する最大の原因は、機体が不時着後、乗客が脱出する前に機体が炎上してしまうことです。素早く機内から脱出するためには、グリニッジ大学Ed Galea教授が「Five Row Rule」と命名したルールを常に考慮しましょう。105件の飛行機事故を検証し、2000人以上の生存者に取材した結果、Galea教授は生存者は出口から5列以内の座席にいたことを発見しました。

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ボーイング737型の「出口から5列以内」の座席(緑で示した部分)。ほとんどの座席が該当。
Image: United.com

ですから、常に出口から5列目以内の座席を選ぶようにしましょう。できたら、出口のすぐ横の座席か、1列だけ離れた座席にしてください。Galea教授は、出口から5列以上離れた座席に座ると「生存率がかなり低くなる可能性がある」としています。もちろん、あくまでも理論的にはということであって、どの座席を選んでも絶対大丈夫という保証はありません。炎上する機体の中を移動する距離が長いほど、生きて脱出する可能性は低くなります。座席の位置に関係なく、どんなになじみがある機体であっても、自分の座席が出口から何列離れているか是非数えたほうがいいと、UAの元客室乗務員Cheryl Schwartzさんは言います。必要なら出口の位置を再確認して、万が一機内に煙が充満して視界が悪くなっても、どこから脱出したらよいかわかるようにしておきましょう。

避難しやすい服装で搭乗する

前述したように、飛行機事故では墜落の衝撃自体が死亡につながることはほとんどありません。国家運輸安全委員会(NTSB)とFAAによれば飛行機事故に遭った人の68%が機体が墜落した後の炎上による火傷や煙による窒息で亡くなっています。欧州運輸安全委員会(ETSC)も同じような報告をしており、飛行機事故の90%は生存可能で、過去の事故で死亡した人の40%は実は生存可能だったと見積もっています。こうした事例の多くは炎上に関連する原因が死因になっています。

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Image: AAMS

連邦航空局民間航空医学会の人的要因に関するスペシャリスト、Cynthia Corbettさんは、一定の時間以上は炎上中の機体の中にいないようにして、重度の火傷を避けるには、機体が炎上して避難することを想定した服装で搭乗すべきだと言います。

かかとのないサンダルやハイヒールを履いていたら、うまく避難できるでしょうか。機体から滑り降りるとき、パンティストッキングは持ちこたえられるでしょうか。短パン、スカート、ハイヒールは飛行機に搭乗するときは好ましくありません。非常時に走りにくいですし、適切な服装でないと脱出しにくいからです。走っても脱げない紐のついた靴に長ズボンやジーンズがおすすめです。そういう服装は夏場はちょっと大変かもしれませんが、ミニスカートをはいていると飛行機事故が発生した場合は、本当に危険です。

長袖のTシャツかジャケットがおすすめです。炎で溶けることがないように、綿かウール100%の衣類を着るようにしましょう。合成繊維は、残念ながら、どんない着心地が良くてもダメです。それから、顔を覆う必要がある場合に備えて、ジャケットのポケットにハンカチを入れておきましょう。機内で配られる水でぬらせば、急ごしらえの呼吸マスクにできます。

客室乗務員の話をしっかり聞き、安全カードを熟読する

これを言うと、耳にタコができそうだと言われそうですが、離陸前に客室乗務員の話をしっかり聞きましょう。シートベルトの着用の仕方なんかわかっているですって? この記事の読者ならシートベルトの基本的なメカニズムを理解するだけの知性はもちろん持ち合わせていると思いますが、客室乗務員はほかにも貴重な情報を提供しています。出口の場所を示し、ライフジャケットと酸素マスク(飛行機の乗客なら素早く使用する方法を絶対に知っているべきです)の使用法のデモンストレーションもしてくれます。それから、安全カードに避難ルートが記載されているので、必ず目を通しておきましょう。

もう何度も飛行機に乗っているから、そういうことは全部暗記していると思う人こそ用心してください。FAAのレポートによると、搭乗回数の多い人ほど情報量が少なくて無頓着だそうです。客室乗務員の話やビデオをしっかり聞いて、安全カードを読み、自分や愛する人の身の安全をどうやって確保するか考えてください。そうすれば、いざというとき、すぐに行動に移せます。あとで考えようなんて思っていては手遅れになるかもしれません。

離陸後3分間と着陸前の8分間は警戒する

ほとんどの飛行機事故は離陸時や着陸時に発生していますが、離陸後3分以内あるいは着陸前の8分間にも発生しがちです。『The Survivor’s Club』の著者であるBen Sherwoodさんは、飛行機事故の80%はこの時間帯に発生していると指摘しています。

生存する確率を高くしたいなら、この時間帯には油断しないようにしましょう。眠ったり音楽を聞いたりしないこと、靴を脱がないこと、だらしなく酔っぱらったり薬物を服用したりしないこと、シートベルトも外さないことです。しっかり覚醒していて、いざというときは避難できるようにしましょう。

墜落の衝撃に耐える姿勢を学ぶ

さあ、異常事態発生です。機体がぐんぐん下降して、客室乗務員が衝撃に耐える姿勢を取るように警告しました。そんなときはどうしたらいいのでしょうか。時間があるなら、ポケットからペン、鉛筆、鍵などの尖った物を出して、前の座席の下に機内に持ち込んだ手荷物を押し込むことをCorbettさんは提唱しています。これで周囲に物がなくなり、墜落の衝撃のあと、他の乗客が歩きやすくなりますし、前の座席の下まで足を伸ばせなくなるので、衝撃で足を骨折して避難できなくなるリスクが減ります。

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準備ができたら、衝撃に耐える姿勢を取りましょう。まず、シートベルトを着けます。次に、衝撃に耐える姿勢を取りますが、それは座席の位置によって異なります。

・ 前に座席があるとき:前の座席の上に両手を交差させて、その上に額を置きます。これによりむち打ち症や頭部外傷の確率が低くなります。

・ 前に座席が無い場合:できるだけ身をかがめて膝のあたりをつかみます。そして、機体が停止したと感じるまで、頭を低くした姿勢を保ちましょう。両手は利き手を下にして、頭の後ろにやります

自分の座席がどれに該当するかわからないときは、離陸前に安全カードを見直してください。搭乗している機体に合わせた指示が記載されているはずです。それから、シートベルトは必ずきつくしめましょう。シートベルトが緩いと、衝撃に耐える間、重力が身体に強くかかってしまいます。

一刻も早く機体から脱出する

不時着時の衝撃を無事にやり過ごすと、人々が叫び声を上げながら先を争って脱出しようとしています。Schwartzさんいわく、墜落後も生存していることに驚いて座ったまま救助を待つ人たちがいますが、茫然と座っていてはいけません。

墜落自体はほとんどの場合、生存可能です。しかし、かすり傷ひとつない乗客がシートベルトを着けたまま死亡しているのが、事故現場調査官に発見されています。

とにかく一刻も早く機体から脱出してください。必ず炎と煙が発生します。Sherwoodさんが『The Survivor’s Club』で説明しているように、炎がアルミニウムの機体を駆け抜けて乗客のところに至るのは不時着から90秒後ぐらいです。衝撃を受ける前に、動きやすい靴を履き、熱で溶けて肌にしみ込むことが無い衣類を身につけ、煙が充満しても呼吸ができるようにハンカチを濡らしておけたら理想的です。さあ、指定された避難経路をたどってください。予定通り出口近くの座席に座っていたなら、幸いです。そうでない場合は、ジムで体を鍛えてきたことを祈ります。FAAは、高齢者や体重の重い乗客より若くて体を鍛えている乗客の方がうまく避難して生存する傾向にあると指摘しています(避難に要する時間が最大31%も異なります)。

その理由は、素早く動けること、狭い通路を通り抜け、散らばった破片や荷物をよけ、避難経路の障害物を物理的に動かす必要もあり得るからです。座席をよじ登って出口に行くと、出口がさらに混雑するので良くありませんが、そうするしかないときは、やってください。機体の外に出たら、できるだけ早く機体から遠く離れましょう。せっかく墜落の衝撃から生き延びて何とか外に脱出したのに、機体の爆発で破片が飛んできて死んでしまったら意味がありません。

無事に助かったら、深呼吸して、正しい対処の仕方を知っていた幸運に感謝しましょう。


Image: Flickr, United Airlines, AAMS, FAA

Source: NTSB(1, 2), ABC News, Time, Popular Mechanics, Fire Safety Engineering Group(1, 2), Google, Wikipedia(1, 2, 3), USA Today, Quora, Webmd, FAA, Amazon(1, 2), Travel Leisure

Patrick Allan - Lifehacker US[原文

(訳:春野ユリ)

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