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相手のごまかしを見抜く方法

相手のごまかしを見抜く方法
Image: Dmitry Kalinovsky/Shutterstock.com

嘘には3つのタイプがあります。事実の一部をわざと言わないでおくタイプの嘘、真実でないことを言うタイプの嘘。そして、相手が誤った理解をするように事実を都合よく利用するタイプの嘘です。嘘をつかれているかどうか見抜くのは簡単ではありませんが、明らかに嘘だとわかる兆候はいくつかあります。

学術誌Journal of Personality and Social Psychologyに発表された最近の研究によると、ほとんどの人が意図的に嘘をつくのは倫理に反しており、信頼を損なうことだと感じているにも関わらず、ビジネスマンの間ではごまかし(paltering)がかなり横行。悪いことをしているという意識がまったくないように見えるということです。

しかし、ごまかしをしているのはビジネスマンだけではありません。しつこいセールスマンから中古車を買おうとしたことはありますか? がめつい上司と給与交渉をしたことは? 大統領候補の討論会を見たことはあるでしょう? そうした場面で、「ごまかし」が行なわれているのをきっとあなたも見たことがあるはずです。

たとえば、しつこい中古車のセールスマンは、あなたがお目当ての中古車の性能のことを尋ねると、「起動がすばらしいんです」とか「信頼できるモデルです」などと言うかもしれませんが、「この車はエンジンが定期的に故障するんです」という事実は黙っています。嘘は言っていないかもしれませんが、真実を言っているわけでもありません。これが英語でPalteringと言われる嘘のつき方です。

「ごまかし(Paltering)」は、とてもよく効果を発揮します。理由は、一般に考えられているやり方で「嘘をつく」わけではないので、ごまかしている人を責めるのが難しいからです。相手が事実を言っているとわかっているなら、「嘘をついているでしょ」と責めることはできません。他人を間違って嘘つきよばわりすると、こっちが悪者に見えてしまいそうです。

「ごまかし」は、相手が聞きたがっていることから気をそらすのにも効果的です。前述の中古車セールスマンは、お客に「その車を買ってもいいかな」という気分にさせるような情報を出しています。それは、お客が求めた情報ではないのですが、聞く側の脳が勝手に連想して答えをもらった気がして、「起動が良くて、一般的に信頼されているモデルなら、この車はきっと大丈夫だろう」と考えはじめてしまいます。セールスマンはお客がそう考えるような情報しか出さなかったからです。

では、どうやって、このタイプのごまかしを見抜いたらいいのでしょうか。次のようなヒントがあります。

どんなとき「ごまかし」が行われるか知っておく:あらゆるタイプのビジネスの交渉、政治や売買が行なわれる際には、「ごまかし」がよく行なわれますが、私的な関係でも、プレッシャーがかかっていると、この作戦が使われることがあります。

相手の言葉を分析しながら聞く:『欺瞞:古代ローマ帝国からインターネット時代に至るまで』という本で、著者のFrederick Shauer氏とRichard Zeckhauser氏は、誇張や曖昧な言葉に注意すべきだとしています。たとえば、不動産業者がある物件を「非常に望ましい」と言う場合、あるいは、レストランのオリジナル特製料理が「有名」だとされている場合です。それは、「非常に望ましい」物件なのかもしれませんが、では、誰がそう言っているのでしょうか? そのオリジナル特製料理は有名料理かもしれませんが、そのレストランの中でだけの話でしょう。相手の話をうのみにせず、自分が本当に知りたい情報かどうか分析しながら聞きましょう。

YesかNoで答える質問をする:YesかNoで答えさせる質問をしましょう。自由回答にすると、周辺情報を持ち出して、本題から話を逸らす余地を与えてしまいますYesかNoで答えざるを得ない質問をしても、相手がYesかNoで答えないときは、何かをごまかそうとしているのかもしれません。

逃げ場を与えないように質問をする:こちらから質問をする場合は、相手に逃げ場を与えない質問の仕方をしましょう。せっかくYesかNoで答える質問をしても、相手にごまかす余地を与えてしまうことがあります。たとえば、恋人や配偶者に浮気をしていないか聞くとしましょう。「あなた、浮気してるの?」と聞いてはいけません。質問された時点で浮気が終わっていたら、相手は、「いや、浮気なんかしてないよ」と答えれば、本当のことを言っていることになります。もっと厳密に、「浮気は今も今までもしていない?」と聞くべきです。相手はYesかNoで答えるしかありません。

もともとの質問に対する答えだけ受け付ける:他人が誰かの質問に答えるのを見ているときも自分が誰かに質問しているときも、関係のない答えは受け付けない訓練をしましょう。もともとの質問が何であったか忘れてはいけません! 質問に答えるべき人が、本題にまつわる話や長い説明をし出したり、自分の方から質問し出したりするときは、ごまかそうとしていると思ってください。

残念ながら、事実を都合よく利用すると非常に効果的にごまかせるので、ごまかしを見抜くには訓練を要します。相手が言っていることが本当であっても、必ずしもごまかしがないとは言えないのです。人の話を聞くときは、部分的な事実に惑わされず、全体として本当のことを言っているか、注意して聞きましょう。


Image: Dmitry Kalinovsky/Shutterstock.com

Source: American Psychological Association, Psychology Today, Harvard Kennedy School

Patrick Allan - Lifehacker US[原文

(訳:春野ユリ)

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