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「スポーツ+IT」でテニスが変わる? 最新のトレーニング法を体験してみた

「スポーツ+IT」でテニスが変わる? 最新のトレーニング法を体験してみた
▲ショットの種類、インパクトの位置、ボール回転、スイング速度、打ったボールの速度が撮影した映像と合わせて確認できます。
Image: ルネサンス/ソニー

「練習はウソをつかない」ってホントかな?

スポーツの世界でよく言われるこのフレーズ。文字通り、ウソではないものの、実際は練習の中身と本人次第ですよね。

でも今、その練習方法に変革が訪れようとしています。しかも、メダル候補のアスリートではなく、スポーツを楽しむ人たちが手軽に利用できる方法として…

そこで、スポーツにIT技術を取り入れた練習方法が最も進んでいる、テニスのレッスンを、ライフハッカーを運営する弊社メディアジーン(会社の補助を受けた課外活動がある)のテニス部2名、松葉と長島が実際に体験してみました。

プレーをまるごと撮影してデータ解析するので、あらゆる課題や弱点が一目瞭然

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▲コートの両サイドにある〇印のカメラが撮影したすべてのプレーをデータ分析する「PlaySight」
Photo: 香川博人

最初に訪れたのは、プロテニス選手のジョコビッチも利用している、プレー中の映像を基にデータ分析する『PlaySight』を国内でいち早く導入した吉田記念テニス研修センターです。14面あるコートでは国際大会も開催され、プロ選手やプロを目指すジュニア世代の指導が行なわれていますが、テニスを楽しむ人たちも『PlaySight』を活用したレッスンを受けることができます。

さて、『PlaySight』のシステムですが、とてもシンプルでした。コートの両サイドに設置された計6台のカメラがプレーを撮影し、選手やボールの動きを追跡(トラッキング)。打ったボールの球速や回転数、選手の動きとボールの落下地点などがコートサイドにあるKIOSK端末にリアルタイムで送信され、画面上に映像や記録を表示します。また同時に、クラウドにも保存されるので、レッスン終了直後でも、海外にいても、PCやタブレット、スマホなどで分析された映像とデータを確認することができます・

では実際に、松葉と長島のプレーを分析した画面を見ながら、どんなことができるのかを確認してみましょう。

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▲端末に送られた映像とデータは、ストロークやサーブなどプレーごとに見たいシーンを選んでプレビューができ、球速や回転数も確認できます。
Image: 吉田記念テニス研修センター

サーブ練習では、何本か打った後にKIOSK端末でプレビュー。映像に線を描くこともできるので、打った瞬間の映像から、フォームや重心、打点などを確認して、「実際に打ったサーブの動き(黄色い線)よりも、赤い線のように少し左に重心を持っていくことでコースが狙いやすく球速も速くなる」と修正点を的確に教えてもらいました

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▲ボールを打ち合うラリーでは、ボールの落下地点と2名の動きが可視化されます。
Image: 吉田記念テニス研修センター

ラリー形式の練習では、フォアハンド(ブルー)とバックハンド(ピンク)で打ったボールの落下したエリアと着地点、2人の動きが表示された画面を見ながらアドバイスを受けました。

左側の松葉はポジションが前に出すぎていること。右側の長島は後ろに下がって守備的なので、前に出て相手コートの深い場所に打ち込むべきと指導を受けました。1画面で多くの情報が可視化されているので、アドバイスも的確で、しっかり理解することができました。

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▲ラリー形式の練習で2人のストロークデータを分析した画面。
Image: 吉田記念テニス研修センター

最後に2人のストロークを分析したデータを見ながら、それぞれのフォームや打ち方の傾向、課題を教えてもらいました。では、『PlaySight』を活用するメリットをコーチの稲葉さんはどのように感じているのでしょうか。

稲葉氏:教える立場としては、映像とデータでわかりやすく分析してくれるので、フォームやカラダの使い方、フットワークなど言葉だけでは伝えづらい部分がアドバイスしやすいですね。また、レッスンを受ける人も、客観的なデータ結果からブレークダウンして課題がすぐに理解できるので、個人的に練習するときにも役立つと思います。

では、実際に体験した2名の印象は...

松葉:サーブをプレビューしたときに、コーチから「軸足が左足から右足に移動してしまうので、スピードが出ないんですよ」と指摘されました。自分でもうすうす感じていたことですが、映像とデータを確認しながら教えてもらったので、何をどうすべきかがわかりやすかったですね。最近惜しまれながら連載が終了してしまったテニスマンガ『ベイビーステップ』の主人公が、ノートにとったメモをもとに戦略を立てていくキャラクターだったのですが、それを映像や数値を組み合わせて実践しているような感覚でした。

長島自分と相手の動きを分析してすぐに課題を見つけられるので、試合に向けて実践的な練習ができそうです。クラウドに映像とデータが保存されているので、場所や時間を関係なくいつでも確認できるのはとても便利ですね。

ラケットにセンサーを取り付けるだけ。課題の見える化とコーチングで上達スピードを加速させる!

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▲ラケットのグリップに装着したセンサー(写真右)と、ネットの両側にあるカメラ(写真左)が連動してプレイヤーのデータを分析。練習の合間に、コートサイドにあるタブレットでコーチングを行なう「スマートテニスレッスン」。
Photo :香川博人

次に訪ねたのは、スポーツクラブ&スパ ルネサンス稲毛。ソニーが開発した「スマートテニスセンサー」を活用した独自のメソッド「スマートテニスレッスン」を全国の直営店でスタートさせたということで、どのようなレッスンなのか、実際に体験しながら聞いてみました。

「スマートテニスレッスン」のシステムは、ラケットのグリップ部に取り付けたセンサーが、スイング速度やボール速度、ボールの回転、インパクトの位置(ボールを打ったラケットの場所)などのデータを集積。ネットの両サイドにあるカメラで撮影した映像と紐付けて分析した結果をタブレットの画面に可視化することで、課題が視覚的に理解でき、次のプレーから改善を意識した練習ができるのが特長です。

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▲ショットの種類、インパクトの位置、ボール回転、スイング速度、打ったボールの速度が撮影した映像と合わせて確認できます。
Image: ルネサンス/ソニー

ルネサンスの「スマートテニスレッスン」は、上達のカギとなる正しいフォームをしっかり身につけることからはじまり、サーブやストロークの弱点を克服して精度を高めるなど、初級・中級・上級とレベル別に分けられたクラスごと、そして個人ごとに目標を設定。練習中の映像と分析データを基に、コーチと一緒に「見て・聞いて・試して」を繰り返し複数回できるので、上達スピードが速いそうです。

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▲映像と分析データを合わせて確認することで課題が明確になり、納得して修正ができる。
Photo: 香川博人

では、このシステムを導入したことで、どのようなメリットが生まれたのでしょうか。ルネサンスでレッスンプログラムを開発している舘内さんに聞いてみました。

舘内氏:私たち教える側とお客さま(生徒)との双方向性が高まったことが一番大きいですね。今までは、伝えたことがしっかりお客様に届いたのかがわかりづらく、プレーの変化で上達度を測るしかありませんでした。しかし、今では課題や目標が可視化されお互いに共有できるので、改善や修正のポイントについてコミュニケーションが円滑にできます。その結果、お客様の満足度も上がり、何をどうすべきかを納得して練習ができるので、成長の度合いを自分で確認しながら技術が身につき、レッスン以外でテニスを楽しむときでもしっかり実力を発揮できます。

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▲レッスン後、すぐに今日のレッスンのショット種類ごとの各種データをスマホで確認できます。
Image: ルネサンス/ソニー

「スマートテニスレッスン」は、各クラス週1回のペースで開かれているそうですが、スマホを活用して振り返りができるのも、上達スピードを高める要因の1つです。こうした取り組みは今後どのように進化していくのでしょうか。商品企画担当であるソニーの中西さんに聞いてみました。

中西氏:レッスンでは、コーチのアドバイスが一番大事ですが、たとえば、お客様(生徒)の個別の課題をコーチが設定しておくと、レッスン以外での時間でも何をどうすべきかアドバイスがもらえるとか、蓄積されたデータを活用してさらに詳細な分析を可能にするなど、効率と効果の両面で生かされる技術の開発やエンターテインメント要素の入った体験へと進化させていきたいと考えています。

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▲左:ショットの種類別にインパクトの位置を時系列で確認。右:動画データも定期的に配信。スマホでチェックできます。
Image: ルネサンス/ソニー

では、短時間でしたが「スマートテニスレッスン」を体験した2人は、どのような印象を持ったのでしょうか。

松葉:たとえば、「膝の高さに気をつけてください」と、自分のプレーをプレイバックしながら言われると、これまで曖昧だった最適な高さが理解でき、何度か試していると修正できていることが実感できたので、能動的にレッスンを受けることができました

長島:取り付けるセンサーが多くのテニスラケットに対応しているので、買い替えたときも安心。手軽にデータを計測でき、瞬時に映像でフォームの確認や的確なアドバイスがもらえるのがよかったです。個人的には、2週間に1回程度しか練習ができないので、少ない時間で密度の高い練習をしたい人、効率的に上達したい人にはおすすめですね。

「スマートテニスレッスン」の取材当日、ソニーの開発スタッフが別のコートでプレーしながら実証実験を行なっていました。その内容は教えてもらえませんでしたが、テクノロジーが積極的にテニスのレッスンに介入することで、コーチングがさらに高度化し、その結果、個々のレベルが効率的に向上していく。スポーツとテクノロジーの融合がつくり出す好循環は今後どのように進化していくのか、楽しみですね。

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Source: 吉田記念テニス研修センター,ルネサンス,ソニー

香川博人

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