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VIP向け執事サービスを運営する著者が明かす、豊かな未来をつくる手帳・ノート術

VIP向け執事サービスを運営する著者が明かす、豊かな未来をつくる手帳・ノート術
Photo: 印南敦史

世界のVIPが指名する 執事の手帳・ノート術』(新井直之著、文響社)の著者は、日本バトラー&コンシェルジュ株式会社代表取締役社長。企業向けに富裕層ビジネス、顧客満足度向上、ホスピタリティに関する講演、研修、コンサルティング、アドバイザリー業務を行なっている人物です。

「VIP」「大富豪」と呼ばれる人たちが主要クライアントであると聞くと、いかにも几帳面で、記憶力もよく、気配りが行き届いた人であるように思えるかもしれません。ところが著者は自分自身のことを、「そうした完璧さには程遠い人間」なのだと記しています。性格もズボラなほうで、記憶力にもさしたる自信はなし。「打てば響く」ような執事でありたいと思ってはいるものの、まだその域に達してはいないと自己分析しているのです。

不思議なのは、そうでありながらも「ニッチすぎて成功しないだろう」といわれていた執事サービスを確立したという事実。リピート率も8〜9割にのぼり、新規顧客も増加中。会社の売上も毎年前年比30%以上と、目標を超えるスピードで成長しているというのですから驚き。にわかには信じられないような話ではありますが、そこには秘密があるようです。

それも、本書でご紹介していく「ノート&手帳術」のおかげ。独自の手法でノートと手帳を活用することでミスなく、効率よく成果を上げ、人に厳しいお客様からも、堅い信頼をお寄せいただいてきたからなのです。

(「はじめに」より)

そんな本書の第3章「より豊かな未来を引き寄せる 執事の『手帳術』」から、すぐに役立てることができそうないくつかのポイントを抜き出してみましょう。

「目標への最初の一歩」を間違いなく踏み出すコツ

著者はまず、「目標」を手帳のカレンダー欄のトップに1行で書くことを勧めています。ただし目標というからには、達成までに進むべきステップがあるはず。そこで、次に重要な意味を持つのが、ごく最初のステップとなる1、2個のTo Doを洗い出すこと。しかも、それを手帳ではなく、スマホの「リマインダー」に入れようと提案しているのです。

ちなみにこの段階でのコツは、あまり大それたTo Doを想定しないこと。いきなり大きなTo Doをいくつもクリアしようとしても、挫折しやすく、自分で自分の出鼻をくじくことになってしまうというわけです。

たとえば、「プロジェクトの企画を通す」だったら、「プロジェクト名を考えて企画書の1行目に書く」「内容構築の参考になるウェブを探す」。

こんなふうに、まず、小さくても最初の一歩を踏み出すことが重要です。

(126ページより)

小さなTo Doであれば、大抵はすぐにクリアできるということ。「目標達成には、小さな成功体験の積み重ねが大切」という話はよく聞きますが、チェックを入れることも、成功体験を実感する行動のひとつになるという考え方なのです。

ただし現実的には、「現在すべきこと」のTo Doがクリアされないまま、残り続けてしまうこともあるものです。そんなときこそ、ふたたび手帳の出番。やり方は簡単で、To Doをリマインダーから手帳に「昇格」させるだけ。そうすることで、より自分に「やらねば」というプレッシャーがかかるようにするというわけです。

しかもそれだけでなく、「ふせん」に書いて、クリアすべき日付に貼りつけることで、より目立つようにするといいそうです。そのふせんも、To Doの重要度に従って色分けしておくとさらに効果的。著者の場合は、緊急度の高い順位、赤、ピンク、オレンジ、黄、緑、青と決めているといいます。

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Photo: 印南敦史

こうして、ひと目でわかる形で「昇格」されてきたTo Doを、手帳を開くたびに見ることで、実行力が上がるということです。(125ページより)

「1日1行○×をつける儀式」でモチベーションを最大限に高める

次は、各日付の欄。ここには、その日1日、「将来に向けたアクションを起こしたかどうか」を書くべきだといいます。アクションを起こしたのであれば、「○」あるいは、なにをしたのかを記入。逆に、なにもアクションを起こさなかったのなら「×」「NG」「ナシ」などと記入するわけです。

日付欄に○を記入できるのは、「緊急性はないけれど、将来に重要な影響を与えること」を実行した日のみ。「△△の資格の参考書を1章分読んだ」「資格試験の資料を取り寄せた」「セミナーに行った」というようなことはもちろん、「事業立ち上げの企画書を練った」「将来職場で必要になる設備を見に行った」など、将来へダイレクトに繋がるアクションをした日は○の対象となるわけです。

忙しくしていると、私たちはつい、その忙しさに満足し、流されがちです。

しかし、今と同様に仕事がたくさんある日々が、ずっと続くとは限りません。

ある時、今まで一生懸命、やってきたことがパタッと必要とされなくなる、あるいは、もっと高いスキルが必要とされるようになる。そんな将来が、いつ来るかわからないのです。

そこで現在の忙しさに満足してしまわないよう、そして忙しさに流され、将来を考えることを怠けてしまわないよう、手帳を利用して自分を戒めるわけです。(132ページより)

慣れてくると、自分がどんなときにがんばることができ、どんなときにがんばれないのかもわかってくるもの。また手で書くことによって記憶が蘇り、そのときがんばれたうれしさや、×と書いたときの悔しさが、筆圧や内容からも伝わってくるのだとか。それが、モチベーションの維持につながるというわけです。

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Photo: 印南敦史

手帳に記すのは、1日たったの1行です。それでも、自分を律し、鼓舞するには十分なのです。(134ページより)

このフレーズには、手帳を活用することの重要性が凝縮されているのではないでしょうか?(131ページより)

手帳は、「ノート欄が埋まったら買い換える」と決める

手帳は1年区切りになっていますが、「より豊かな未来」をつくっていく手帳術においては、必ずしも1年の終わりに切り替えるとは限らないのだそうです。「1年」にこだわるのではなく、「ノート欄が埋まったら切り替える」ほうがいいということ。そのことについては、ちょっとした理由があるといいます。

「1年の終わりに切り替える」と決めていると、年によっては空欄が残ったまま切り替えることも考えられます。一方、「ノート欄がすべて埋まったら切り替える」と決めていると、年を越えても前年の手帳を使い続けなくてはならないということにもなってしまいがち。

しかし、「1年」と設定されているものは、やはり1年で切り替えたいものでもあります。だとすれば、どうしたらいいのでしょうか? まず求められるのは、年の終わりまでにノートを埋めること。たとえば10月の時点で半分ほどしか書き込まれていなかったとしたら、「ノート欄が今年の終わりまでに埋まり切るよう、インプット量をもっと増やそう」という意識を働かせることが大切だというのです。

人は忙しければ忙しいほど、新しい知識や情報のインプットをつい怠ってしまい、その結果、ノートを埋まることを二の次にしてしまいがち。そういう意味では、「1年で手帳を埋め切るぞ」と決めることも、ひとつの目標になりうるという発想です。(147ページより)

知識や言葉は、自分のものになるまで書き写し続ける

ところで著者は、新しい手帳に切り替える際のもうひとつのポイントを紹介しています。古い手帳に書いてきたことのなかで、まだ自分のものになっていないもの、これからも引き続き、毎日のように見たほうがいいと感じたものは、新しい手帳に「繰り越す」べきだというのです。

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Photo: 印南敦史

つまり、ノートに書いた知識や言葉が、本当に自分のものになるまで、次の手帳に書き写していくということ。最初のうちは面倒に感じるかもしれませんが、続ければ続けるほど、それが自分の血や肉となり、ノートの内容も凝縮され、バイブルの質を高めていくことができるというわけです。(150ページより)


ノート&手帳活用術を身につければ、仕事の効率を飛躍的にアップさせることができると著者は主張しています。そして結果的には、それが周囲の人たちとの信頼関係の構築につながっていくとも。だとすれば、本書に書かれたメソッドを身につけ、ビジネススキルの向上につなげて行きたいところです。

Photo: 印南敦史

印南敦史

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