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JINSが手がけるコワーキングスペース「Think Lab」が「世界で一番集中できる環境」な理由

JINSが手がけるコワーキングスペース「Think Lab」が「世界で一番集中できる環境」な理由
Image: Think Lab

アイウェアブランドで知られるJINSが、新たな会員制コワーキングスペース「Think Lab」を12月1日にオープンさせます。このThink Lab、集中力などを測るデバイス「JINS MEME」の取り組むプロジェクトの一環で、「世界で一番集中できる環境」を作ることを目的としているそうです。

世界で一番集中できる環境...とんでもなく惹かれる響きですが、一体どういうものなのでしょうか?

Think Labの説明会で、JINS MEMEのチームの一員でThink Labのプロジェクトリーダーを務める井上一鷹氏が、Think Labとは「どのような空間なのか」そして「どうやって集中を促せるのか」について語った様子をご紹介します。

オフィスは一番集中できない場所?

まず、Think Lab構想のきっかけとなったのがJINSが行なった「職場と集中力」に関する実験でした。彼らの開発したデバイス「JINS MEME」では、センシング技術を利用し、まばたきの回数、眼球の移動、姿勢をトラッキングすることで、いかに集中しているか/していないかを計測できます。

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Image: Think Lab

JINS MEMEを用いて、ビジネスパーソンはどんな場所で集中力が高まるのか、オフィス、カフェ、図書館、ホテルのロビー、公園、などあらゆる場所で実験をしました。収集したデータをみてみると、人それぞれ違いがあり、静かな場所で集中できる人、少しノイジーな場所のほうが集中できる人、などの結果が出ました。しかし、データのなかで共通していたのは、一番集中できない場所はオフィスだったということです。

この実験結果によって「オフィス環境=集中できない場所」ということに気づき、そこで、生産性を高める・集中することに特化した空間を作ることが重要と考え、Think Labのプロジェクトがスタートしました。

Think Lab監修には、予防医学や行動科学の研究者として知られる石川善樹氏を迎え、集中するとはどういうことか、集中するためにはどうしたらいいのか、といった思考に関するリサーチを行ないました。

そのなかで取り入れたのが「両利きの経営(Ambidexterity)」です。これは経営学の分野で今大きく注目されているもの。

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Image: Think Lab

この図は「両利きの経営」を表わすもので、この考えではイノベーションを起こすには、「知の探索」(縦軸)と「知の深化」(横軸)のバランスが重要とされています。

知の探索とは、自分の経験値とは違う人と話すことなど、対ヒトや社外でのアプローチなどを示します。これは、自分以外の誰かとのコミュニケーション、人とのコラボレーションのなかで培っていくものです。

知の深化とは、ある一定の領域でどれだけ深くものを考えたか、ということを示します。他人との交流ではなく自己との対峙思考を洗練させていくものです。

広い意味でわけると、探索はオープンな、深化はクローズな活動。現代の社会、特に都市部においてはこの「知の探索」に対応するコミュニケーション、コラボレーションの場は数多く存在します。たとえば、一般的なシェアオフィスやコワーキングスペースがそうです。しかし一方で、「知の深化」に対応するような場所はあまり存在していないのです。なので、Think Labはこの「知の深化」を実現するスペースとし、さらに「知の探索」であるコラボレーション体験を切り分けることで、集中を促しイノベーティブな思考のためにバランスを取れる設計しました。

集中を促すのは「神社仏閣」?

さて、Think Labが実際にどのような空間なのか、について。

監修の石川善樹氏いわく「集中には緊張しているようなストレス状態と十分にくつろげているリラックス状態が共存していることが重要」なのだそう。ストレスと聞くとネガティブなものと捉えがちですが、ある程度のストレスがなければ人は集中できないのです。たとえば、「一年後までにこの仕事をやっておいて」といわれても、そのときに集中してやろう、と考えられないわけです。

この、ストレスとリラックスの共存というものを考えたときに、一番マッチしているのが神社仏閣だったそうです。では、なぜ神社仏閣なのか? それは、集中が深くなっていくまでのプロセスが一貫していて、一直線な構造になっていることです。Think Labは、この構造を手本として空間を設計されました。

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Image: ヨコヤマ via Think Lab

鳥居から入り、参道を通り、手水をし、拝礼を行ない、本殿に入っていく、これが神社仏閣の構造です。この構造は、前半でストレスがかかっていき、中盤でリラックスするようになっていています。ストレスの後にリラックス、このプロセスのあとに強い集中が得られるのだそうです。つまり、リラックス後の後半で集中する、ということです。Think Labでは、オフィス空間としてこれを実現することを目指しています。

このプロセスや構造を作るために、建築家・藤本壮介氏が空間デザイン設計を担当しました。

・入り口(鳥居)

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Image: Think Lab

鳥居としての機能をもたせる入り口は、中央にあえて壁を立て、その両脇に隙間ができるように作られています。こうしたあまり見たことのないような空間にして、「ここに入っていくことで集中する」というスイッチを入れる意識をさせるようにしています。

・通路(参道)

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Image: Think Lab

入り口を抜けると20mの暗い通路を歩いていきます。石畳の床で、自分の足音が響く空間は参道のように緊張感をもたせる作りになっています。さらに、小さな明かりのなかで進んでいくため、多少なりとも神経を研ぎ澄ます必要があります。このときに緊張が生まれ、ストレスがかかる仕組み。

・開けた空間(手水)

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Image: Think Lab

通路の先には、南側に皇居を臨む開けた空間が広がります。入り口から通路までで高まった緊張を一気にリラックスさせる作りになっています。これによりその後の集中を効率よく高められるようにする目的です。

・業務スペース(拝礼)

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Image: Think Lab

いよいよ、業務を行なうスペースへ。ここでは、デスクが3列ほど並べられており、すべてのデスクが同じ方向を向いています。同じ方向を向いているのは、人と目が合うことで集中が阻害されないようにするため。

・個別スペース(本殿)

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Image: Think Lab

業務スペースのさらに奥には、パーテーションによって分けられた13席ほどの個別集中スペースが用意されています。ここでは、他人との接触を一切遮断させることで邪魔されずに最大限集中を促します。

パートナー企業と協力して生み出す集中

ここまでご紹介した神社仏閣にならった空間デザインはThink Labのベースとなるものです。この空間デザインと合わせてThink Labはさらなる集中生み出すために、パートナー企業と連携して多くのコンテンツやプログラムを提供します。

Think Labは、アカデミックな研究や科学的なアプローチから集中力を高めるといわれる6つの要素を定め、その中から提供してもらうコンテンツやプログラムを考えたそうです。その要素は以下の通りです。

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Image: Think Lab

たとえば緑視率は、自分の視野のうちにどれくらい緑があると生産性に影響があるのか、という研究をもとに導き出したデータから各業務スペースから見える緑の割合を一定にして集中を促します。また、血糖値の上昇と下降が生産性や眠気に影響があることから、血糖値をマネジメントできる飲食物を用意。ほかにも、パワーナップ(仮眠)のための寝具や、集中力を維持させるためによい姿勢をマネジメントするような椅子の導入など。

現時点で、17社の企業との連携が決まっています。各企業を提供するものは以下の通りです。

岡村製作所:集中を実現するデスク&椅子「Cruise & Atlas」提供

KOKUYO:集中を実現するデスク&椅子「ing」提供

PLUS:集中を実現するデスク&椅子「Junior」提供

アーユルチェアー:集中を実現する椅子「アーユルチェアー」提供

パソナ:ストレス低減に最適な緑視率をベースに、ワークスペースの植物マネジメント

森永製菓:効率よくエネルギー補給できる食品「森永ラムネ」など提供

大塚製薬:効率よくエネルギー補給できる食品「SOYJOY」など提供

サッポロ:1日の終わりのリフレッシュにビールを提供

ポッカサッポロ:集中とリラックスをサポートする食品「キレートレモン」など提供

ユニリーバ・ジャパン:緊張状態をやわらげて集中をサポート「リプトン 紅茶」提供

ネスレ日本:リラックス状態からシャキッとさせ集中をサポート「ネスカフェ コーヒー」提供

ビクターエンターテイメント:リフレッシュを促す自然音をハイレゾ音響システムで提供

シーブリーズ:リフレッシュと集中を高めるためのボディーシート提供

DAIKO:自然光に近い光を調整し、体内時計を整えるワークスペースの光マネジメント

エアウィーブ:パワーナップ(仮眠)に最適な寝具の提供

セントラルスポーツ:昼食後の集中をサポートするアクティビティースペースと運動プログラム提供

NETATMO:環境情報を取得するIoTデバイスにより、自分とって最適な場所をサーチ

こうしてみてみると本当にさまざまなコンテンツやプログラムが用意されていますね。個人的におもしろそうと思ったのは、NETATMOのIoTデバイス。温度、湿度、CO2濃度、騒音の度合いといった環境情報をスマホで確認できるというもの。Think Lab内に20個以上のデバイスを設置することで、どの場所が一番自分の集中に適しているかを判別できるそうです。

また、サッポロから提供されている無料のビールも、多くの反響が出るのではないでしょうか。これは「飲酒は入眠の4時間前までにしたほうがいい」という研究結果を元に、終業後に外で飲み行くと遅くなってしまうので、だったら夕方オフィスで飲んでしまったほうがいいと考え、導入したそうです。

Think Labは、オープン後も共同研究やリサーチを行なうことで、より集中するためにはどうすればいいかを追求していくそうです。パートナー企業との連携やコンテンツもさらに拡充していく予定です。


いかがだったでしょうか? 「世界で一番集中できる環境」と、一見すると盛大な釣り文句のように思えますが、こうしてみてみると研究を重ねて作られたワークスペースと感じます。Think Lab、一度使ってみたいと思いませんか。

最後に、改めてThink Labの詳細や料金体系をご紹介します。ぜひ一度ご検討してみてください。

Think Lab(シンク・ラボ)

2017年12月1日オープン予定

平日:7:00〜23:00 土日祝:9:00〜18:00

【住所】東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グラン・ブルーム 29階

【料金】月5回利用:3万5000円/月10回利用:5万円/回数制限なし:7万円

【ウェブサイト】https://thinklab.com


Image: Think Lab

Source: Think Lab

ヨコヤマコム

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