特集
カテゴリー
タグ
メディア

自分を律して、できるだけ楽しく創作活動を続ける方法

自分を律して、できるだけ楽しく創作活動を続ける方法
Image: lOvE lOvE/Shutterstock.com

私がMFAの創作ライティングプログラムを受けていたとき、毎回ゲスト作家が大学に来て話をしてくれました。その質疑応答の時間に必ず学生が聞いていたのは「執筆状況はいかがですか?」という質問でした。

詩人や散文家志望のグループだったので、みんなが聞きたいと思っていたことは同じで「忠実に守っていれば、優秀で生産的な成功する作家になれる方程式のようなものはあるのか?」ということです。もちろん、それぞれの作家によって質問の答えは違いました。何かしら本を生み出すまで創造的なひらめきを得る方法というのはありませんでした。

初めての創作プロジェクトに取り組んでいる人も、生涯かけて創作活動をしていると知られている人も、質問をしたすべてのアーティストが、自律して創作活動することの苦しさを打ち明けてくれました。アーティストがどれほど情熱を傾けているかに関わらず、日常的な責任(生計を立てる必要性など)から、自分の心の批判の声や、いわゆる「ゾーン」に入れなかったことまで、仕事をしていく上で数え切れないほどの障害に直面します。

そのような障害は乗り越えられないような気もしますが、あらゆるアーティストが乗り越えてきているのですから、あなたにも乗り越えることはできます。今回は、自分を律して創作活動を続ける方法をお教えしましょう。

気分が乗らないときもやる

「仕事をするのに理想的な条件が揃うまで待っている作家は、一文字も書かずに死ぬだろう」とアメリカの作家、E. B. ホワイトはかつて「Paris Review」に語りました。「沈黙」や「ゾーン」と言われる創作活動に没頭して時間の感覚がなくなるような状態が確実に訪れるのを待っていたら、相当長い時間待つことになります。

仕事を終わらせるために大事なのは、理想的な状態はそうそうこないと認めること、とにかく机の前(もしくはアトリエなどの仕事場)に座ってやるだけで解決すると、作家/ライターのLinda Kulman氏はSalonで書いています。

私は、明らかにゾーンとはかけ離れた状態でも自分なりに書くことができるとわかりました。当初の熱意がなくなっても、仕事を終らせるために自分をおだてたりすることもしょっちゅうです。E.B.ホワイトはインタビューの中で「作家にとって遅れるのは当たり前のことだ。作家はサーファーみたいなもので、完璧な波がくるのをじっと待っているのだ」と言っていました。

その場にいれば最終的に波に乗れるでしょうが、最初は失敗もするかもしれません。だから、日頃から仕事をするためのまとまった時間を取っておくのです。アートで生計を立てていない限り(そうだとしたらラッキーですが!)創作活動は永遠に延期される可能性があります。常に何か他のことのほうが差し迫ってやらなければならないように思えるのです。私は、突然執筆よりも家の掃除のほうが大事なように思えたことが何度もありました。

予定表に仕事をするためだけのまとまった時間を取ることで、これに対抗できます。予定を入れた1〜2時間は、机の前に座り、何にも邪魔させないようにします(インターネットから離れるために「Freedom」のようなアプリを使ったほうがいいかもしれません)。最初は、その時間中そこにじっとしているだけで何もできなかったり、すぐに棄ててしまいたくなるようなものしかつくれないかもしれません。しかし、2回目、3回目になれば、何か手応えのようなものを感じるかもしれません。まず最初に仕事場にいなければ、決して何も生まれません。

「アートに関係ある」ことをする

1991年に出版されたジュリア・キャメロンの『ずっとやりたかったことを、やりなさい』は、多くのアーティストから信仰のように支持されている、クリエイティブな自己啓発本のようなものです。私は、書きたいことを自由に何ページにもわたって書くことから1日を始めるのを奨励する、キャメロンの提唱するシステムのメインのひとつ「モーニング・ページ」をやり終えたことはありませんが、それをやって効果があると言っている人は知っています。

しかし、キャメロンのもうひとつのアプローチの土台は「アーティスト・デート」です。毎週、刺激を感じたり、ひらめいたり、心を動かされたことだけを、期待せずに心のままにやってみるというものです。美術館に行ったり、感激をしたり、読書をしたり、単に長い散歩をするとか、本屋に行くというようなことでも、創作活動と直接関わっていなくても、すぐに効果出なくても、創造性を磨く方法はあると覚えておくことが大事です。

キャメロンは、このようなことを“ワクワクする一人小旅行”とよんでいます。これは、「楽しい」と「1人でやる」の両方が揃っていることが重要です。自分の想像力にアクセスしようとするので、自分を楽しませようとする意欲が必要です。他人と一緒に経験を分析する必要性や自意識から解放されて、1人でやるほうが簡単です。身の回りの状況を観察する時間と余裕を自分に与え、それに対する自分の反応によって、アイデアやそれを掘り下げる熱意が生まれます。

心の中の批判の声を黙らせる(やわらげる)

ライティングクラスの生徒は、自分は怠け者だとよく言います。私も、昔は自分のことが怠け者だと思っていました。ある一定の時間で短編の物語を書こうと決めても、SNSやテレビを見たり、ダラダラしたり、座ってできることを次から次へとやって時間を過ごし、最後には自分に嫌気がさしてイライラします。

しかし、これは怠けではないと思いました。私は書きたかったのですが、それは恐怖心に近づくようなことだったのです。大変な努力をプロジェクトに注ぎ、それが大したことではないとわかるのを恐れていました。自分が話していたことを何もわかっていないとか、人生についてほんの少ししかわかっていないとか、自分の言いたいことに興味がある人がいると信じていたのは妄想だったと暴露されることを恐れていました。

このような恐怖を自分に煽る心の声は完全には消えませんが、そのような声があっても創作活動をすることはできます。短編集『New York 1, Tel Aviv 0』の著者Shelly Oriaは、自分の頭の中の批判の声に対処したり、いかに自分がダメ人間かという心の声を黙らせる方法についてPoets & Writersでこのように言っていました。「誰もがみな、心の中のろくでなしとともに生きています。そいつはどこにも行きません。つまり、そいつと仲良くなる方法を学ぶしかないのです」。

私は、このような心の声が聞こえてきたら、その声と会話をします(自分の中で、もう一人の自分と対話するということです)。「どうして自分に怒っているの?」と聞きます。するとその声は、結局それがうまくいくか、最終的に自分ががっかりするんじゃないかと心配なだけだと認めます。すべてのアーティストにとって、それは取らなければならないリスクであり、進んでともに生きていくしかありません。一度そう心を決めると、心の声は静かになり、仕事ができるようになるとわかりました。

アーティストのグループに参加する、もしくはつくる

時々、大きなプロジェクトに取り組まなければならない人が、説明しなければならない相手になってくれるよう友だちに頼んでいるのをSNSなどで見かけます。細々としたことが言える相手がほしいという気持ちは理解できますが、もっと効果的なのは、定期的に会うアーティストのグループをつくることです。

私は、月に1回、近所のライター・作家仲間で会っています。出版したことがある人もいれば、出版したことがない人もいますし、書いているジャンルや形式も違います。そのような要素よりも、定期的に会うことのほうがはるかに重要で、会った時に人と共有するものを制作するという締切のようになります。互いの作品を批判するのも、作家として読みたくなるようなものを書こうという気になりますし、自分の作品ついて話したことを内省することにもなります。人から意見や感想をもらって腹が立つこともありますが、悪いところがわかるだけでなく、うまくいっているところもわかります。そうやって明確になることで、自分の心の批判の声は静まります。

自分と同じ創作活動をしている、会いたいと思ってくれる人がいない場合は、「Meetup」のようなサイトを利用して、既存のグループやコミュニティーに参加すること、または新しいグループをつくることを検討してみましょう。もしくは、余裕があればクラスを受講するのもいいです。私の創作ライティングクラスの生徒は、受講期間が終わっても、みんなで定期的に会ったりしています。

創作活動は孤独な活動になることが多く、誰かが気に留めてくれるという保証のないまま、賢明に働くことが求められるものです。同じ志をもつ仲間や、協力的な人を見つけることで、悩みを軽減することができ、創作活動を続けやすくなります。


Image: lOvE lOvE/Shutterstock.com

Source: Salon, Freedom, Poets & Writers, Meetup

Alanna Schubach - Lifehacker US[原文

(訳:的野裕子)

swiper-button-prev
swiper-button-next