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年代別:「感情を爆発させる子ども」にかけるべき言葉

年代別:「感情を爆発させる子ども」にかけるべき言葉
Image: Rawpixel.com/Shutterstock.com

子どもの成長にとっては、喜怒哀楽の感情をしっかりと感じることは大切です。けれども、感情に飲み込まれてしまいがちなのも、子どもの特徴です。

子どもが感情を抑えられない様子を見せると、たいていは親がなだめ役となって、言葉をかけたり、抱きしめたり(スナック菓子をあげたり、YouTube Kidsを見せたり、なんてチートもありです)といった方法で気持ちを落ち着かせようとします。でも、親の役割としてそれよりも大事なのは、子どもに自分で落ち着きを取り戻すすべを教えることです。

13 Things Mentally Strong Parents Don’t Do(メンタルが強い親はやらない13の習慣)』の著者である心理療法士のAmy Morin氏は、ストレスや怒り、不満や不安をなだめるには、特別なスキルを身につけなくてはならないと説いています。ここで必要となるのが「脳のトレーニング」です。

Morin氏は筆者に対し、子どもが成功するカギについてこう教えてくれました。「勉強ができるとか、運動能力が高いとかいっても、それだけで成長後に何かを成し遂げられるわけではありません。自分の怒りや不満に思う気持ちをコントロールできない子どもは、成功には手が届かないのです」

先ほど紹介した新著の中でMorin氏は、感情の高ぶりを抑える方法を手順を追って説明しています。ここでは、親が伝授できる「子どもが心と体を落ち着かせられる方法」を、年代別に紹介しましょう。

未就学児の場合:「ピザのにおいを嗅いでごらん」

ゆっくりとした深い呼吸には、身体をリラックスさせ、怒りを鎮める効果が期待できます。小さい子が怒りを爆発させているのを見たら、「一休みしてピザの匂いを嗅いでごらん」と伝えてみましょう。ピザが好物ではない子の場合は、熱々のアップルパイやシナモンロール、チョコチップクッキー、甘いものが苦手ならベーコンといった食べ物の名前を挙げると良いでしょう。

この声かけは、以下のようなステップで効いていくはずです。

  1. まず、ピザの匂いを嗅ぐように、鼻から息を吸い込みます
  2. 次に、熱々のピザを冷ますように、口から息を吐き出します。
  3. この呼吸をゆっくりと数回繰り返すと、熱くなった体と頭がクールダウンできます。

Morin氏によれば、小さな子でも、徐々に自力でこのテクニックを身につけ、親が声をかける必要が減っていくそうです。また、「ピザのにおいを嗅いでごらん」という代わりに「シャボン玉の時みたいに息を吐いてみて」と言う方法もあります。まずは子どもを外に連れ出して、シャボン玉を吹かせてみましょう。それから、「一番大きくてすごいシャボン玉を吹いて見せて」と声をかけるのです。そうすると、子どもはまず深く息を吸い込んでから、ゆっくりと吐き出すはずです。

こうした体験をさせてから、次に子どもの頭に血が上った時には、「シャボン玉の時みたいに息を吐いてみて」と声をかけましょう。こうして、深く息を吸い、ゆっくりと息を吐いてもらうのです。

小学生の場合:「チャンネルを変えて」

Morin氏は、心理療法を行っている診療所で、子どもたちに「シロクマ実験」(訳注:心理学者のウェグナーが行った実験で「シロクマのことだけは絶対に考えてはいけません」と被験者に伝えると、かえってシロクマのことが気になって仕方なくなるというもの)を応用したテクニックを教えています。これは「チャンネルを変えて」という方法で、以下のような仕組みです。

  1. 子どもに対し、30秒間、シロクマのことを考えるように伝えます。考える内容は野生動物のホッキョクグマでも、ぬいぐるみでも、シロクマに関することなら何でもかまいません。
  2. 静かにして、子どもにクマをイメージさせましょう。決めておいた30秒の時間が過ぎたら、「やめ」の合図をします。
  3. 次に、「これから30秒間は何でも好きなことを考えてかまわない、ただしシロクマのことだけは考えてはいけないよ」と伝えます。
  4. 30秒間が経ったら、子どもにどうだったか尋ねてみましょう。大半の子は、「考えないようにしても、シロクマのことが頭から離れなかった」と打ち明けてくれるはずです。もし子どもが「シロクマのことを考えずに済んだ」と答えたら、どうやってシロクマを頭から追い出したのか、聞いてみてください。
  5. 続いて、30秒間、子どもに簡単な作業をやってもらいます。筆者の場合は、トランプを1組渡し、数字の順番かマーク別に分けるように頼みました。作業の内容は何でもかまわないのですが、30秒間で最後までやり遂げるためには、子どもが全力で集中しなければならないものを選んでください。
  6. 30秒が過ぎたら、「やめ」の合図をします。それから、課題に取り組んでいる間、どのくらいシロクマのことを考えたのか聞いてみます。たいていは「全然考えなかった」との答えが返ってくるはずです。

「怒りの原因となったことで子どもの頭がいっぱいになっている時には、何か手を動かす課題を与えることが、機嫌が直るきっかけになる場合があります」と、Morin氏は書きます。「ちょうどテレビを見ている時のように、子どもの頭の中でかかっている『放送局』が良い影響を与えないなら、より生産的なものにチャンネルを変える必要がある」というのです。

子どもがこの方法を理解したなら、あとは、頭の切り替えが必要なタイミングで「チャンネルを変えて」と指示するだけで良いのです。

ただしMorin氏は、この「チャンネルを変える」方法を使うのは、子どもが行き詰まっているか、あるいは感情が高ぶりすぎて害がある場合に限るべきだと釘を刺します。悲しみの感情は悪いものではありません。もし子どもが話したがってるなら、しっかり子どもの言い分を聞いてあげましょう。

ティーンエイジャーの場合:「導火線を長くしよう」

大人もそうですが、ティーンエイジャーはささいなきっかけで不機嫌になったり、怒りを爆発させたりすることがあります。テストの成績が悪かった、スポーツの練習で調子が出なかった、パーティーに招待されなかった、さらには寝不足まで、その理由は実にさまざまです。こんな時には、自分のことを導火線に例えるのが効果的だと、Morin氏は提言しています。

子どもがティーンエイジャーになったら、親は「導火線を長くする」方法を考えさせるように導きましょう。友達に愚痴る、お気に入りの音楽を聴く、ヨガをするといったことが、ストレスを和らげてくれるかもしれません。ストレスをコントロールする健全な方法を子どもが見つけられるよう、手助けをしてあげてください。また、親自身がうまく行かない日に使っている「導火線を長くする」方法を教えてあげるのも良いでしょう。

また、自分の導火線が短くなっていることを示すサインにはどんなものがあるか、親子で話し合ってみましょう。誰かに話しかけられるだけでイライラする、コツコツと大きな音を立てて指でものを叩く、うろうろと歩き回る、といった行動も考えられます。このような警告のサインについて、子どもと話しあってみてください。

さらに、ストレスでぐったりしたり、疲れたり、うまく行かない日には、誰でも息抜きをするものだと教えてあげましょう。また、対策を講じれば、誰でも自分の導火線を長くすることができると伝えてください。

感情をコントロールするよう教えることで、子どもは「自分でどうにかできること」にだけエネルギーを集中できる大人に成長する。Morin氏はそう考えています。だとすれば、たしかにこれは良い目標と言えるでしょう。

Image: Rawpixel.com/Shutterstock.com

Source: American Psychological Association, Amazon

Michelle Woo - Lifehacker Offspring[原文

(訳:長谷 睦/ガリレオ)

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