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花束は迷惑? 「お花」を贈る時に知っておきたいマナー

花束は迷惑? 「お花」を贈る時に知っておきたいマナー
Image: OlScher/shutterstock.com

送別会や開店祝いなど、何かとお花をプレゼントする機会の多いビジネスパーソン。しかし、「何をあげたらいいのかわからない」「花屋に任せっぱなし」という方も多いと思います。

そこで今回は、フラワーデザイナーにお花をオーダーメイドできるサービスSakaseru(サカセル)を運営する小尾 龍太郎さんに、「お花をプレゼントする際の選び方やマナー」をついてお聞きしました。

「Sakaseru」とは?

Video: Sakaseru

Sakaseruは、プロのフラワーデザイナーにお花のオーダーメイドを依頼できるウェブサービス。一般的に、これまでお花を買うといえば家や会社の近くのお花屋さんしか選択肢にありませんでしたが、Sakaseruにはさまざまなフラワーデザイナーが在籍しており、自分好みのデザイナーに制作を依頼することができます。

つまり、日本中のフラワーデザイナーが「近所のお花屋さん」になるということ。しかも最低3000円からオーダーができ、全国どこへでも発送が可能なのです。

花を選ぶときのポイントは「イメージカラー」と「形」

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小尾 龍太郎(おび・りゅうたろう):株式会社Sakaseru代表取締役。1982年9月生まれ。システムエンジニアとして株式会社ドワンゴ、エレクトロニック・アーツ株式会社、株式会社mixiを経て、 歌舞伎町・六本木でリアルの花屋を運営する株式会社goalの立ち上げに関わった後、 株式会社Sakaseruを設立。
Photo: 開發祐介

── プレゼントにお花を選ぶ際、どのような要素を考慮したらいいでしょうか?

1番大切な要素は、イメージカラーです。たとえば、明るい雰囲気の女性にお花をあげるとき、どんな色をあげようと思いますか? 多くの場合、明るい黄色やオレンジなどのビタミンカラーのお花をあげると思います。

でも、それが喜ばれているかというと、必ずしもそうではありません。これは私の実体験ですが、Sakaseruにとても明るい女性スタッフがいて、誕生日に黄色い花を贈りました。その場では喜んでもらったんですけど、あとで聞いたら「そんなに明るい色好きじゃないよ」と。好きな色を聞いたら「赤色ですよ。いつも赤い財布持っているじゃないですか」と言われて、確かにそうだなと思いました。

このように、その人の雰囲気や性格でお花を選ぶのは必ずしも正しいとはいえません。それよりも、普段どんな色の財布や小物を持っているか、その人のイメージカラーを観察してみるといいと思います。

── 他にもお花選びのコツはありますか?

もうひとつ挙げるとしたら、お花の形です。大きく分けると、「花束」と「アレンジ」の2種類があります。花束は送別会などで渡すお花ですが、アレンジについては知らない人も多いのではないでしょうか。アレンジとは、お花屋さんやデザイナーが選んだ器に吸水性のスポンジを詰めて、切ったお花を刺したもの。

花束とアレンジどちらがいいというのはないんですが、持ち帰ったあとのことを考えるとアレンジが喜ばれます。実は、自宅に花瓶を持っていない人が9割といわれています。花束を渡しても、持ち帰ってから困る人が大半ということです。私も同じような経験があり、花瓶がなかったときはコップや調理用のボールに水を入れて花をさしていました。

この問題を解決するのがアレンジです。アレンジは、持ち帰ってそのまま家に置くだけ。水やりも簡単で、スポンジに水を足すだけ大丈夫です。事前に花瓶を持っているという情報があれば花束でもいいのですが、そこまでわかりませんよね。ですので、アレンジでお渡しすると、すごく喜ばれるはずです。

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アレンジされたお花の例。母の日用にSakaseruが提供したお花とのこと。
Image: Sakaseru

── とはいえ、やはり定番は花束ですよね。

確かに、花束は絵になります。送別会などで渡すとその場がしまりますよね。でも、持ち帰ったあとの負担を考えてみてください。お花選びで大切なことは、相手のことを考えて選ぶということだと思います。

会社の「送別会」でお花をプレゼントする場合

── 次にシーンごとのお花の選び方を教えてください。たとえば、同僚の送別会などはどのようなお花がいいのでしょうか?

まず重要なのが、先ほどご説明した「イメージカラー」と「形」を決めることです。それが決まったら、あとは渡し方でしょうか。大きく分けて、オフィス内で渡すパターンと、レストランや居酒屋などの送別会の会場で渡すパターンが考えられます。

レストランで渡す場合、幹事の方はお花をどこに隠しておくかが悩みのタネだと思います。渡す前にバレてしまったら、相手にも気をつかわせてしまいますよね。でも、これには解決策があって、レストランを予約するときに「お花を事前に預かってほしい」とお願いすればいいだけなんです。

自分でお店までお花を持っていくのは大変だと思いますので、たとえばインターネットから購入して、レストランに直接送るのもありです。そうすると、レストランの方が事前に梱包を開け、準備しておいてくれます。

断られることはほとんどないと思います。なぜなら、断れば団体の予約を取り逃すことになるからです。

── それは意外と知られていないことかもしれないですね。ちなみに、社内の送別会の場合、予算はどのくらいが一般的でしょうか?

Sakaseruでは、5,000円くらいが一般的です。送別会ではお花だけではなく色々な粗品もプレゼントすることが予想されるので、5,000円あたりがちょうどいいのだと思います。10,000円以上かけるお客様はほとんどいませんね。

── 相手の性別によってプレゼントするお花は変わりますか?

お花というよりも、ラッピングやうつわの色などが大切です。たとえば男性に、ピンクのラッピングやうつわで渡すと、もちろん相手によりますが、少し違和感があるかもしれません。黒いラッピングを使うことによって、引き締まった印象が出せるでしょう。

あとは年齢によっても好みの傾向が違います。たとえば、1970年代はバラと白いかすみ草が流行りました。なので、その年代の人たちが好きな雰囲気でお花を選んであげると、より喜ばれると思います。

取引先やクライアントにお花を贈る時のマナー

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Image: raizo via flickr
よく見るタイプの、立て札付きの祝い花。

── 取引先など、社外へお花を贈るときのマナーやポイントはありますか?

まず、「開業祝い」「就任祝い」「移転祝い」などに贈るお花を、祝い花というんですね。この祝い花は、胡蝶蘭が定番。なぜ胡蝶蘭が定番なのかというと、見ただけで値段がわかるからです。

胡蝶蘭の場合、お花が1本たっていると1万円というのが相場で、3本立っていたら3万円。最近だと値段が下がっているので必ずしもそうではありませんが、業界によってはまだこの風習が残っています。

また、胡蝶蘭は手入れをすれば、1年でも2年でも長持ちします。でも、開店祝いでもらったお花がずっと飾ってあったらどう思いますか? ちょっと違和感がありますよね。手入れもしっかりとしないといけないので、相手に負担をかけることになります。

── では、どういったお花をあげればいいのでしょうか。

祝い花を贈る意図としては、もちろん純粋にお祝いしたいという気持ちがあると思います。しかし、もう1つのテーマは玄関先に飾ってもらうことで、「贈ったよ」という意思表示をするということ。つまり、胡蝶蘭を贈ると、相手からは「誰が何円分贈ったか」しか見られないということです。せっかく何万円も払っているのに、それではもったいないと思いませんか?

その解決策として、最近Sakaseruでは、会社のロゴを模したデザインが人気です。胡蝶蘭だと個性を出しづらいという理由と、ロゴをかたどったお花を贈ると単純に喜ばれるという理由があります。

通常、胡蝶蘭を贈るとお礼の手紙が送られてくるんですが、ロゴのお花を贈ったときは、わざわざその会社の代表から電話があったというエピソードを聞いたことがあります。それって、すごくコストパフォーマンスいいと思うんです。お祝い花としての義務も果たしているし、さらに喜んでもらって、関係性も良くなる。営業ツールとしての役割も果たしているということですね。

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Image: Sakaseru
某企業のブラウザを模したフラワーアレンジ。

── ロゴのお花は嬉しいですね。他にいいデザインはありますか?

ロゴのお花とまではいかなくても、コーポレートカラーでまとめるといいと思います。Facebookなら青、Twitterだったら水色、Yahoo! だったら赤とか、それぞれカラーがありますよね。それを考慮してお花を作ると、胡蝶蘭と並んだ時にとても目立つし、貰い手もすごく喜んでくれます。

さらに、コーポレートカラーやロゴをかたどったお花だと、玄関に並べてもらえる可能性が飛躍的に高まります。胡蝶蘭を何百個ともらったときに、すべてを玄関先に並べるのはスペース的に不可能。そういったとき、個性のない胡蝶蘭は従業員通路に置かれ、コーポレートカラーやロゴのお花は目立つところに置かれることが多いようです。

── とはいえ、「胡蝶蘭でなければいけない」という会社や業界もあるのでは?

300社ほどにSakaseruを使ってもらっていますが、一部の業界に関しては胡蝶蘭を贈るのが今も風習になっています。決まりが厳しく、目上の会社の胡蝶蘭の本数よりも多く贈ってはいけないという話も聞いたことがありますし、上を立てる気配りが必要なようです。

── それでも、胡蝶蘭で個性を出したいときはどうしたらいいでしょうか?

Sakaseruの場合は、プロのフラワーデザイナーが融通をきかせてくれます。たとえば、不動産業界からの依頼が割と多いのですが、ビビットなロゴのお花ではなく、少しアレンジをきかせた胡蝶蘭をお渡ししています。

周りと差別化したいけど、大きく外したくないという時に有効です。フラワーデザイナーが気を利かせて上品な感じにまとめてくれます。飛び抜けたことをすると失礼に感じる人もいるかもしれないので、心配な人にはオススメです。

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胡蝶蘭のアレンジ
Image: Sakaseru

── ちなみに、祝い花の相場はいくらでしょうか?

よく承っているものは、2〜5万円と幅があります。なかには10万円以上のものを贈る方もいますが、それは稀です。でも、なぜここまで値幅があるのか気になり、ある会社の秘書の方に聞いたことがあるんですが、「付き合いの深さが、値段に現れている」ということでした。

たとえば、付き合いが浅ければ安めの花をだすとか、上客のクライアントなら高い花を出すとか。付き合いの深さで値段をコントロールしているようです。

── もらった方はどの程度お金をかけたかわかるものなのでしょうか?

そこが胡蝶蘭ならわかると思いますが、アレンジになるとなかなかわからないと思います。お花の値段はとてもシンプルで、1本あたりのお花の値段×本数で計算できます。たとえば、3000円でボリュームがあるものが欲しいと思ったら、単価の安いお花をたくさん使えば可能です。

逆に、就任祝いで大きさは問わず50000円出しますという場合であれば、単価の高いお花を使って小さなものをお渡しするという形もありえます。

Sakaseruの特徴は、お花のボリュームと豊富なデザイナー

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Photo: 開發祐介

── 最後に、Sakaseruさんのサービスについて伺わせてください。街のお花屋さんに頼んだときと、どういった違いやメリットがありますか?

結論からいうと、ボリュームとデザインの面でコストパフォーマンスが優れていると思います。なぜ町の花屋さんよりもボリュームを多くできるかというと、裏の仕組みに違いがあるからです。

一般的なお花屋さんだと、資材を一度に大量に購入しなければいけないことがあります。資材というのは、アレンジの器やラッピングなども含めてです。そうすると在庫がどんどん溜まり、原価率が高くなってしまいます。結果的に、アレンジや花束に使うお花のボリュームを減らして、泣く泣く原価を下げるしかありません。

Sakaseru」はちょっと違っていて、仕入れをすべてフラワーデザイナーに一任しています。彼らは、デザインのプロもでありますが、目利きのプロでもあるんです。朝、市場に行って、鮮度のいいお花を安く仕入れることができます。自分たちで必要な時に必要なものを買うことで、原価が下がり、結果的に使える花の量も増えるんです。

もう1つのポイントは、個性のあるデザインを作れるということ。依頼する側は、数多くのデザイナーのなかから自分の好みに近い人を選べます。お花屋さんと同じ価格であったとしても、ボリュームとデザインの面で満足していただけるサービスだと自負しています。


送別会のお花といえば「花束」のイメージが強かったですが、家に持ち帰った後のことも考えれば、確かに器のあるアレンジの方がもらう側としてはありがたいですね。

就任祝いや開業祝いの際も、定番の胡蝶蘭以外にさまざまな選択肢があることがわかりました。ロゴやコーポレートカラーを彩ったアレンジは、クライアントとの関係性を高める営業ツールとしても期待できそうです。

お花を贈る際は、「定番」に囚われすぎず、貰う側の負担や気持ちを考慮した上で選ぶことがもっとも大切なことだと言えそうです。


Photo: 開發祐介

Image: Sakaseru,OlScher/shutterstock.com

Video: Sakaseru

Source: Sakaseru

島津健吾

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