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自分の中にある「才能」を発見するためのコツ

自分の中にある「才能」を発見するためのコツ
Photo: 印南敦史

才能が見つからないまま大人になってしまった君へ』(神岡真司著、ワニブックス)の著者は、「ビジネスパーソンの能力を最大限に引き出すためには心理学の知見が不可欠」という立場に基づき、法人対象の研修や執筆活動などを行なっているという人物。

そんな活動を続けながら世の中の成功者たちの「成功要因」を分析した結果、わかってきたことがあるのだといいます。それは、どんな才能を爆発させるかは千差万別だとしても、「才能を見つけ・育て・爆発させる」というプロセスには共通点が多いということ。

ひと言でまとめると、彼らの共通点は、自分の価値観にピンとくるものに照準を合わせるのがうまいーーということに尽きるのです。ゆえに、その才能を伸ばすことができ、大きな収入とやりがいに通ずる「才能の爆発」へと直結させられるのです。(「まえがき」より)

自分の価値観にもっと敏感になれば、自分のなかに眠る能力にも早く気づくことができるといいます。そして、そこを意識して改善すれば、才能開発の実現性は高いということにもなるのだそうです。そのために、現状を打開するヒントを盛り込んだ本書を参考にすべきだということ。

きょうはChapter 2「才能を今すぐ見つける」から、自分の才能を発見するためのコツについて、いくつかの要点を引き出してみたいと思います。

「人より速くできるもの」に注目しよう

・ 数字に強く計算が速い。

・ 文章をまとめるのが速い。

・ パソコン操作が速い。

・ しゃべるのが速い。

・ 人を説得するのが速い。

・ 本を読むのが速い。

・ 計画し実行するのが速い。

(72ページより)

たとえばこのように、スピードの速さを誇れるものにもいろいろあります。が、いずれにしても「スピードが速い」のは、その分野でのなんらかの才能が隠されているということだと著者。物事の本質をつかむのが速いからこそ、速くできる。つまり、「どこにポイントを置き、どこを省略するか」といったコツを理解しているということ。

・計算が速いのは、数字の飲み込みが速く、その扱いが巧みだから。

・文章をまとめるのが速いのは、表現すべき本質をつかみ、文章構築する能力に長けているから。

・パソコン操作が速いのは、パソコンに精通し、機能の扱いに慣れているから。

・しゃべるのが速いのは、表現のツボを心得ていて、言葉の取り扱いに慣れているから。

・人を説得するのが速いのは、理性と感情を巧みに操り、メリットを強調することがうまいから。

・本を読むのが速いのは、文脈処理に長けていて、ポイントをつかむ能力が高いから。

・計画し実行するのが速いのは、段取りの組み立てと優先順位づけが上手だから。

といった具合。そしてスピードが速いというのは、効率がよいことを表しているのだと著者。スピードの遅い人より、吸収力も格段に高いということ。人より秀でた部分には、必ずなんらかの才能の裏付けがあるものだといいます。

そんなスピードの速さは、他人との比較を通じて気づくことが多いもの。たとえば足の速い人は、幼児のころから足が速いということ。生まれつきの能力だというのです。そして本質的に備わっているものには、なんらかの才能の脈があるはず。そこで、著者は以下のように主張しているのです。(72ページより)

才能爆発のポイント

人より、速くできるものに注目すべきです。

あなたの才能は、そこに眠っている可能性大だからです。

人の気持ちを瞬時に汲み取り、気遣いや配慮に長けているーーというのも才能です。

サービス向上のアイデアで、ライバルを出し抜く才能があるといえるでしょう。

自分が、他人よりスピードがある分野で才能を育めば、必ず才能は爆発させられるはずなのです。

(75ページより)

「批判されるもの」には才能が眠っている

人は、他人から批判されるのを嫌うものです。なぜなら批判されると、自分の存在を否定されたような気持ちになってしまうから。では、なぜ人は他人を批判するのでしょうか? それは、対象に嫉妬や脅威を感じるからだと著者はいいます。

自分よりうまくいきそうな人を見ると、へこませてやりたくなる。あるいはなにか自分を不安にさせる未知のものを感じると、潰したくなる。そういうものだということ。だからこそ、批判されて落ち込むのではなく、批判のなかに可能性を見出すべきだというのです。(76ページより)

才能爆発のポイント

自分が好きでやっていること、やりたくてやっていること、楽しくてやっていることへの、他人からの批判があったとしても、落ち込むべきではありません。

むしろ、そこには、ものすごい才能の萌芽があると考えるべきだからです。

人は、脅威や嫉妬を感じると、攻撃したくなります。

自分より、すごい才能だからこそ、攻撃して潰してやりたいと思うのです。

批判されたら、チャンスがあります。それをもっと磨き続ければ、爆発させられます。

(79ページより)

「落ちこぼれだった人」ほど才能がある

どんなに落ちこぼれで成績の悪い子どもだったとしても、その日常生活を観察していると、必ずなんらかの物事に関心を寄せていたりするものです。つまり、そこに才能の萌芽があるということ。そして、それをさらに深掘りしていくことによって、結果的には自分の本当の才能と出会うことができ、努力を通じてさらに大きくさせていくことも可能なのだといいます。(96ページより)

才能爆発のポイント

実業の世界で大成功を遂げた人にも、子供の頃、落ちこぼれだった人は大勢います。

ヴァージン・グループ創業者のリチャード・ブランソン氏は、幼児期からディスレクシアという文字が満足に読み書きできない障害に悩まされ、学校ではずっと落ちこぼれです。

映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏も、読み書きが困難なディスレクシアで、学生時代はずっと落ちこぼれでした。(99ページより)

「これぐらいなら自分にもできそう」と感じるものに才能あり

自分の才能を手探りするうえで、「これぐらいは自分にもできる」「自分でもなんとかできそうだ」と思えることは非常に重要。その道のプロになった人は、その道に進む以前に、心のなかでそのような感情を抱いた経験があるはずだというのです。

「自分のほうがイケてるかも」「自分のほうが、もっとうまく表現できるかも」というような感情が、あるときふっと湧く瞬間があるということで、これが「自己効力感」なのだそうです。いわば、モチベーションのスイッチを押してくれる大事な感情だということ。ただし、行動に移さないと、才能は眠ったままで終わってしまうことに。

才能爆発のポイント

自分にもやれそうーー。

これぐらいなら自分でもイケるかもーー。

こうした思いを抱ける分野があったなら、すぐに自分でもやってみることです。

自己効力感に根拠はいらないからです。やれるーーと思えばよいだけです。

自己効力感を覚えたら、そこには意外な才能が隠れている可能性が大だからなのです。

(107ページより)


「才能を見つける」というと、なんだか難しいことのようにも思えてしまいます。しかし本書を読んでみれば、それが決して難しいことではないということがわかるはず。

だからこそ、「自分には特別な才能がなにもない」「自分はただの凡人にすぎない」などと感じている人は、本書のなかから、そういった考え方とは違ったなにかを見つけ出すことができるかもしれません。


印南敦史

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