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インスタグラムの投稿から「うつ病の兆候」がわかるかもしれない:研究結果

インスタグラムの投稿から「うつ病の兆候」がわかるかもしれない:研究結果
Image: Stanislaw Mikulsk/Shutterstock.com

テクノロジーやソーシャルメディアには、依存して生活に支障が出てしまうかもしれない、いちいち反応が気になって病んでしまうかもしれない、嫉妬や嫌がらせを受けるかもしれない……といった根強い不安感がはびこっているからなのか、精神衛生に悪影響を与えるという批判を浴びることがあります。しかし、こうしたツールは、助けが必要な人を救う手立てにもなっているのです。

最近はCrisis Text Line(CLT)のような大規模な介入プログラムが増えています。CLTは簡単なテキストメッセージを送るだけで、訓練されたカウンセラーによる (無料の)サポートを24時間365日受けられるシステムですが、同時に、世界最大の健康データの集積であり、危機の傾向をリアルタイムで見る手段にもなっています。

そして最近では、ユーザーの精神衛生状態が画像に反映される最新サービスとして、おしゃれに加工された写真や料理の写真でおなじみのInstagram(インスタグラム)に注目する小規模の研究も増えているそうです。

EPJ Data Science journalに発表された研究によれば、ハーバード大学とバーモンド大学の研究チームが、人気ソーシャルメディアであるインスタグラムへ投稿された写真を通して、うつ病の兆候を認識できるかどうかに着目。マシンラーニングや画像処理に代表される多様な計算法を駆使して、166人の被験者(過去の臨床診断に基づいて「健康」か「うつ病」かに分類)が投稿した、約44000枚の写真を精査しました。

インスタグラムのユーザーの活動や写真1枚につきつけられた「いいね!」とコメントの数、写真の中の顔の数をコンピューターで分析してみたところ、興味深いことがわかりました。うつ病の人の方が健康な人よりも頻繁に投稿していて、そういった投稿はコメントがつく確率は高かったものの、「いいね!」がつく確率は低かったそうです。さらに、うつ病の被験者が顔を主体とする写真を投稿する場合、健康な被験者よりも写真に写っている顔の数が少ないことも判明しました。

研究チームは写真の色彩、彩度、色値、フィルターが使用されたかどうかも(使用された場合はどのようなタイプのフィルターかも)分析。うつ病の被験者が投稿した写真はピクセル単位で、青と灰色の色味が強く、明度が低い傾向がありました。また、フィルターに関しては、健康な被験者ほどフィルターを使用する頻度が低く、鬱病の被験者がフィルターを使うときは、好んでカラー写真をモノクロに変換していたそうです。

さらに興味深いのは、この研究により、これまでにうつ病と正式に診断されたことがある人がわかるだけでなく、これからうつ病と診断されるであろう人をデータから予見できたということ。

研究チームはThe New York Timesのインタビューで、今回の研究のサンプルは規模が小さく、被験者に関しては積極的にインスタグラムを使用していて、過去にうつ病と診断された経験があることを開示してくれたという、大変特定された条件の人たちだったものの、「研究から得られた結果が、この研究の手法の正当性を何よりも如実に証明している」と語っています。


Image: Stanislaw Mikulsk/Shutterstock.com

Source: Crisis Text Line, EPJ Data Science journal, The New York Times

Reference: The Atlantic

Kirsten Akens - Lifehacker US[原文

訳:春野ユリ

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