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権力とは獲得するものではなく、他者から与えられるもの:研究結果

権力とは獲得するものではなく、他者から与えられるもの:研究結果
Image: stroblowski/Shutterstock.com

Inc.:突然ですが、「権力」ってどういう意味でしょうか?

その辺を歩いている人に聞いたり、辞書を引いたりすると、こんな答えが返ってくるはずです。「やりたいことを誰にも邪魔されずにやれる能力」とか「やりたいことを他人にやらせる能力」とか。

とても便利そうに思える一方で、あまり品のいい感じはしません。権力にはそんなイメージがつきまとうため、私たちが権力者を尊敬することはあっても「利他的な人」や「人道的な人」と思うことはほとんどありません。

権力は利他から生まれる

ところが、カリフォルニア大学バークレー校で権力を研究するDacher Keltner教授によると、それは間違いだそうです。教授は何十年にもわたり、学生の社交クラブからサマーキャンプにいたるまで、さまざまなグループにおける権力を研究してきました。その結果をまとめたGreater Good Magazineの記事において教授は「権力とは獲得するものではなく、他者から与えられるもの」と主張しています。

権力とは、武力や策略で他人を陥れて獲得するものと考えられています。しかし、科学的研究により、権力は獲得するものではなく、グループから個人に与えられるものであることがわかりました。

世界を変えられる能力、すなわち私の定義する権力は、他人からどう思われているかによって作られるのです。

簡単にいえば、リアルワールドで実際に権力を得ている人は、他者に奉仕して信頼を得た人であるということ。つまり、品位は権力の反対語ではなく、むしろ権力の基礎を成すものなのです。

他者の状況を変えるには、信頼されていることが重要です。他者を元気づけられるかどうかは、相手がどれだけあなたの影響を受けたいと思っているかにかかっています。つまり権力とは、他者の判断と行動のうえに築かれるもの。彼らから権力を与えられることで、あなたは彼らの生活を良くも悪くもする能力を得るのです。

権力は失墜しうる

奉仕と社会的行動から始まった権力でも、いつか終わりがきます。教授の研究で、権力には麻薬のような作用があり、リスクの感覚を失わせるという結果が出ているとのこと。その結果、権力は次の2つのうち、どちらかの道をたどるそうです。

権力を乱用して倫理に反する行動に走るか、もしくは慈善的な行動をとり社会全体に利益をもたらすか。

前者は悲しい結末につながります。でもご安心を。後者を選べば、トップの座に長くいられる傾向があると教授は言います。

私の研究では、他者に優しく利他的な人ほど、学校、職場、軍隊などで長く権力を維持し、社会でよく見られる権力の失墜とは無縁でした。

教授は、リーダーが権力を行使するときは「他者のニーズに注目するべき」と言います。これは、すでに権力の座にある人には有効なアドバイスでしょう。

一方で、これから自分の影響力を高めたいという人には、最初のポイントのほうが重要かもしれません。つまり、他者に慕われたければ、「自分のことではなく彼らのことを考えるべし」ということです。


The Counterintuitive Truth About How to Become Powerful | Inc.

Image: troblowski/Shutterstock.com

Source: Greater Good Magazine

Jessica Stillman(訳:堀込泰三)

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